【連載】ホンダNSX再考「プロドライバーの見解」動画レポート Vol.3

 

 

続いて大津選手に乗ってもらう。実は大津選手も市販車のNSXでサーキットを走るのは初めて。しかし2〜3周もしないうちに外から眺めていても解るくらいキレの良い走りを見せてくれた。

 

もてぎは基本、コーナー、直線、コーナーと繰り返すようなレイアウト。こうした所ではまずブレーキングからターンインでクルマの向きをできるだけ速く変えて、真っ直ぐトラクションをかけてアクセルを踏んでいくことが求められる。

 

難しいのは1〜2コーナーやS字といったコーナー。ここではオーバーステアへの対処が求められる。

 

「このクルマの特性で1〜2コーナーの間でオーバーステアが出やすいので、それをなるべく出さないように、クルマを安定させるようなイメージで走ります。S字は切り返しの部分で、すごくオーバーステアが出やすいんですが、我慢しすぎるとアンダーステアが出てしまうので、その間できれいにラインをトレースできるように走らせます」

 

 

NSXのオーバーステアは、我々アマチュアにとっては挙動が速く、対処が難しい。速さだけでなく安定した走りのためにもここがポイントになるが、そこではNSXの特徴であるフロントの2基の電気モーターによるトルクベクタリングが難しさに繋がっている部分もあるようだ。4輪が限界ギリギリで旋回している時に、じわりとアクセルを入れていくと普通のクルマならアンダーステア気味に膨らむが、NSXはここでフロントがインに切れ込み、逆にオーバーステアに繋がりやすいという。こうした次元の話は、プロドライバーならではだ。

 

一方、高く評価していたのがブレーキのコントロール性である。特に難所は最終のビクトリーコーナー。

 

「ここは緩くブレーキングしながら入っていくのでクルマが不安定になりやすいんですが、ブレーキの踏み方、抜き方でクルマの姿勢をコントロールするのがやりやすいです」

 

実はパッドが終わりかけで大津選手には悪いことをしてしまったのだが、走りはやはりさすがだった。当たり前だが、プロの技である。

 

 

残念ながらもてぎ1周を語るには紙幅が足りないが、大津選手のドライビングについてはGENROQ Webの動画で参照いただければと思う。NSX、難しいけれど奥深く、楽しめるクルマだということ、その走りで感じていただけるはずだ。

 

さて、ホンダは先日NSXの2019年モデルを発表した。シャシーのセッティングを大幅に変更し、タイヤも新設計としてコントロール性を高め、ラップタイムも鈴鹿で2秒速くなったという。その走りがどのように進化したのか、遠からず是非確かめてみたいところである。

 

「初めてこういうクルマに乗ったんですけど、面白いですね! 速く走ろうとすると、フォーミュラとはまた違ったテクニックが要る気がします」。週末のレース、松下選手は予選3位、決勝4位という結果だった。世界を目指して、これからも頑張ってほしい。

 

 

「ポイントは4輪のタイヤを感じることです。ひとつのタイヤが限界を超えてしまうと挙動が乱れる。4輪のタイヤを接地させながら曲がると、限界を引き出せます」。NSXを走らせる際には特殊なワザは不要。むしろ基本に忠実な走りが美点を引き出すのだ。

 

 

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