新世代に向けたRECAROの最新フルバケットシート

2018/09/29 20:45


RECARO

PRO RACER RMS

 

スポーツシートの老舗「RECARO」が画期的なフルバケットシートを開発した。その名も「PRO RACER RMS」。勝利を手にするために用意された本格派だ。3年にも及んだ開発期間には著名なレーシングドライバーが関わるなど、かつてないほどレカロの気合とこだわりが伺える革命的なレーシングシートである。

 

REPORT◎野口 優(Masaru Noguchi)
PHOTO◎篠原晃一(Koichi Shinohara)
COOPERATION◎TRANSIT ENGINEERING JAPAN

 

 

大パワーにも対応した正常進化形

 

「コンマ1秒単位で争うレースの世界では、マシンだけでなく、シートに掛かる負担は想像を超えるほど大きくなります。特にバトルに発展すれば、さらに力んでドライブしますから、シートの完成度は重要なんです……」

 

そう語るのは、レーシングドライバーの田中哲也氏だ。スポーツシート界における代名詞的存在のレカロが新たなモータースポーツシート「PRO RECERS RMS」を開発するにあたり、実戦で活躍するドライバーを起用、そのひとりとして採用された。他に脇阪寿一氏やWRCで手腕を振るった新井敏弘氏など著名なドライバーが名を連ねる。

 

レカロがこのRMSで狙ったのは、本格フルバケットシートの正常進化と言ってもいい。モータースポーツからストリートまで対応する柔軟性も考慮し、開発に着手したという。その期間も実に3年にも及ぶというから気合の入れ方が違う。しかも年々ハイパワー化するスーパースポーツカーへの装着も視野に入れて設計しているため、これまでのフルバケットシートとは一線を画する。

 

 

田中哲也氏は続ける。

 

「ひと口にレースと言っても様々なカテゴリーがあります。スーパーGTをはじめ、市販型をベースにしたスーパースポーツカークラスのワインメイクレースも盛んですし、スーパー耐久のような長丁場のレースもあります。参戦したことのあるドライバーなら分かると思いますが、どのレースでも最初と最後ではシートの硬さは変化しますし、外気温によっても左右されます。要は素材です」

 

実はRMSでもっとも特徴的なのは、ベースシートに貼られている新たに開発された新素材のISFパッド。体圧分散性と振動吸収性、さらにグリップ性に加え、温度変化にも対応できる高反発性能を目的に開発されている。

 

 「コーナリング時のGが強ければ強いほどシートは変形してしまいます。これは自然と腕を伸ばして力をかけてしまうのが理由です。その結果、ステアリングまでの距離が遠くなってしまう。だからほとんどのドライバーは近めのポジションを取らざるおえなくなるんです」

 

田中氏がレカロに対してもっともリクエストしたのがこの剛性だという。RMSにはカーボン製とグラスファイバー製の両方を揃えているが、いずれもこれまで以上の強度と剛性を確保している。