絶妙なるバランス感がたまらない「シボレー コルベット グランスポーツ」

公開日 : 2018/09/30 19:19 最終更新日 : 2020/03/08 18:39

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CHEVROLET CORVETTE GRAND SPORT

シボレー コルベット グランスポーツ

 

 

C7でもっともバランスに優れた存在

 

コルベットが見せる完成度の高さは、このグランスポーツでも同様。 しかもZ06よりもシーンによってはそのバランスの良さを武器にしてドライバーを心から楽しませてくれるほどの効能をもっている。その魅力を再考しよう。

 

 

実力派でありながら押し付けない

 

最強モデルのZ06に続いてラインナップされるグランスポーツ。その魅力は、何よりも絶妙なバランスにある。一見すると単にZ06の弟的存在に見られそうだが、それぞれに役割が与えられているのは確かで、このグランスポーツの場合は、公道メイン、時々サーキットという人向き。だから、どちらかと言えば、日常性を優先した仕上がりゆえ、扱いやすさが際立つ。もちろん本気になれば、それなりに応えてくれるだけの器もあるし、パワーも必要以上。Z06と同じV8OHVながら、こちらは自然吸気式となり、466psの最高出力と、630Nmという最大トルクを発揮する。

 

個人的にもこのグランスポーツが見せる走行性には惹かれている。フロントミッドに搭載されたエンジンは今あるFRスポーツカーの中でも軍を抜いて重心の低さを実感できるし、シャープに反応するハンドリングによって、曲がることに対して積極的にさせてくれるのが最高に面白い。特にワインディングで見せる身のこなしは、本気で素晴らしいと思う。ステアリングを切れば、スッとノーズがインを突き、アクセルをガバッと開ければ、トラクションが効き、素早くコーナーをクリアしていく。しかもコーナーが連続するシーンでは、リズムを刻みやすく、例え8速ATであっても変速スピードが速いから(7速MTもラインナップする)、パドルを使えば意のままに操れるとあってワインディングでは止まることを躊躇うくらいだ。

 

 

シャシーはニュル仕込み!

 

そう思わせる要因は、無論、高いシャシー性能のおかげだろう。何しろ泣く子も黙る「ニュル仕込み」である。あの世界一過酷と言われるサーキットで開発されたシャシーをもつだけに、強靭なボディ剛性をも実感できるから申し分ない。以前、このグランスポーツで富士スピードウェイのショートコースを全開で走らせたことがあるが、タイトコーナーに加え高低差もある、あの小さなサーキットを走らせても素直に反応するどころか、予想を超えたスピードで周回できたことは今でも忘れられない。これがZ06となると、さらに速くなるものの、パワーがありすぎて流れるテールを抑えることに必死になってしまうが、グランスポーツなら、ちょうどいいパワー感と巧みなシャシー制御、特にマグネティックライドコントロールの出来の良さが功を奏し、存分に楽しませてくれる。タイヤもミシュラン・パイロットスーパースポーツが標準だから信頼性も抜群。安心して攻められる。

 

 

それでいて、一般道のような流す程度の速度域でも満足度が高いのがいい。とにかく扱いやすく乗りやすいし、乗員も低重心化されるにもかかわらず、乗り心地も悪くない。各走行モード(エコ、ツアー、スポーツ、トラック、ウェザー)の違いも明確で、撮影地の神戸から東京までツアーモードで一気にドライブして帰ってきたが、それほど疲れなかったのは意外でもあったくらいだ。

 

それにしてもこのロングノーズ&ショートデッキという伝統的なスタイルにエッジの効いたプレスラインが見せる彫刻的な表情は本当に美しいと思う。撮影中、うっとりしたのも、また事実である。

 

 

REPORT/野口 優(Masaru Noguchi)

PHOTO/小林邦寿(Kunihisa Kobayashi)

 

 

 

【SPECIFICATIONS】

シボレー コルベット グランスポーツ クーペ

ボディサイズ:全長4515×全幅1970×全高1230mm

ホイールベース:2710mm

車両重量:1600(1590)kg

エンジン:V型8気筒OHV

総排気量:6153cc

最高出力:343kW /466ps/6000rpm

最大トルク:630Nm/4600rpm

トランスミッション:8速AT(7速MT)

駆動方式:RWD

ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン

サスペンション形式:前後ダブルウイッシュボーン

ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク(オプション:カーボンセラミックローター)

タイヤサイズ:前P285/30ZR19 後P335/25ZR20