【初試乗】リヤステアを得た、衝撃の「ランボルギーニ アヴェンタドールS」

公開日 : 2018/09/30 19:54 最終更新日 : 2018/09/30 19:54

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そして2セット目の走行に入る。小雨になると同時に、各国から招かれたジャーナリストが散々走ったこともあって、路面はまだウエット状態ではあるものの、だいぶ乾いてきたようだ。これならコルサモードで試しても大丈夫だろうと、勝手に判断してコースイン。1セット目は事実確認に終始した程度だったから次こそ本気でと気合を入れてスタートした。すると、シフトアップするたびに、バコッーーンと、強烈なシフトショックに襲われた。これは初期のアヴェンタドールに見られた現象(症状)と同じだ。年を追うごとに改善されてきたはずだし、SVのコルサモードでもこれほどのショックはなかった。だが、そんなこと小言も一瞬のこと。何しろ、0→200km/h加速は8.8秒を誇るツワモノだ。コーナーをクリアしてもすぐに次のコーナーが迫ってくる。

 

高速コーナーはもちろん、タイトコーナーも多いこのサーキットでは、初採用となる4輪操舵システムを確認するのに最適な場所だ。コルサモードにも慣れてきたから、冷静にその効果を意識してみたが、ごく自然にコーナーをクリアしていくのみ。まったく違和感がない。高速時では最大1.5度の同位相方向に、低速時では最大3度の逆位相方向に後輪は舵をきるはずだが(120〜130km/hで切り替わる)、どうもそうは思えない。ましてや今回からウラカンに採用され好評だった可変ステアリングのLDS(ランボルギーニ・ダイナミック・ステアリング)も組み合わされているから分かりにくいのだろう。

 

 

その効果を実感できたのは、別メニューで用意されていたパイロンスラロームを試した時だった。確かに違う。この時は従来型との比較テストができたから明確となったが、旋回速度は明らかにアヴェンタドールSの方が上。ターンインはもちろん、姿勢変化も立ち上がりもアクセル開度に応じて的確に素早くクリアしていった。これを体験すると見方も変わってくる。

 

本コースに戻り、再び試してみると、特に高速コーナーでは、速度と舵角に対する関連性が違うように思えてきた。それにタイトコーナーもノーズの入り方が素早いようだ。あまりにも自然すぎるうえ、速度域が高いから気づかないのは当然かもしれない。と、そう言い聞かせるしかないレベルにまで達しているのは事実だ。言われなければ気づかない、しかし、確実に旋回速度は上がっているという、高度なバランスの上で成り立っているから開発陣やレーシングドライバーでなければ、その実情はわからないレベルだろう。

 

一部のジャーナリストは、アンダーステア傾向が強いと話題になっていたが、しかし、少なくとも私にはそうは思えなかった。確かにやや早めに出そうにはなるものの、立ち上がりのことを意識してアプローチし、アクセルを適切に踏めば非常に素直でニュートラルな姿勢を見せる。可変ステアリングと後輪操舵を理解できたからというわけではないが、これが戸惑わせる要因なのかもしれない。だが、確実にひとつ言えるのは、12気筒のミッドシップカーを、ここまでのレベルにまで引き上げることに成功するには、4WDと4WSの恩恵がなければ不可能だということ。唯一無二の存在が、さらに高いレベルにまで達したのは間違いない。