【初試乗】新世代スポーツカー「BMW i8」進化論。

2018/09/29 21:31

BMW i8 Roadster

 

次世代へ向けて造られたBMW iシリーズ。その中でもデビュー以来、注目され続けているスポーツモデル「i8」がマイナーチェンジされ、試乗する機会に恵まれた。果たしてその内容と印象とは?

 

REPORT/山田弘樹(Koki YAMADA)

 

 

なんて気持ち良いスポーツカーなんだ!!

 

そのステアリングを握り、アクセルを踏み込んで、ボクは遂にBMWが新しい時代のスポーツカーをモノにしたと感じた。

 

BMW i8。それは2013年に登場したプラグインハイブリッド式の2+2クーペである。アーキテクチャーの核となるのは「パッセンジャー・セル」と呼ばれるカーボン製モノコック。しかし、i8はこれを既存のスーパースポーツのようにシャシーの中心に据え、前後にサブフレームを取り付けてボディを完成させるのではなく、駆動系を含めたシャシー「ライフモジュール」にドッキングさせているのがi8のひとつの特徴だ。

 

それはi8がP-HEVスポーツカーとして、そのセンタートンネルに長細いバッテリーを配置しているから。BMWはこれを構造体として活用し、軽量なパッセンジャー・セルとCFRP製のアウタースキンを被せることで、重量のかさむP-HEVスポーツカーを1500kg前半の車重に納めた。またその車体中央にはコンパクトな直列3気筒ターボエンジンを横置き搭載。フロントをモーター駆動することでミドシップの軽快感と4WDの安定感を得ると同時に、2+2のリヤスペースまで確保した。

 

 

そんなi8が登場から約5年の歳月を経て、マイナーチェンジを受けた。当初ボクはこのM/Cに対して、完全に高を括っていた。何故なら、試乗のロケーションはスペインのマヨルカ島、そして試乗車はロードスターである。つまり最新のオープン2シーターでリゾート気分を満喫する、極めて優雅な旅路だと考えていたのだが、BMWはきっちりとその中身にも進化を与えていたのである。

 

具体的にはまずEV性能が向上した。搭載されるリチウム・イオンバッテリーは容量を13Ahから33Ahへと拡大し、前輪を駆動するモーターの出力は12ps(9kW)アップの143ps(105kW)となった。

 

これによって純EV走行の航続距離は35kmから55kmに(ロードスターは53km)。プリウスPHVの68.2kmと比べればやや見劣りするものの、それは欧州のEVカーレベルとしては秀逸で、たとえばフォルクスワーゲン・ゴルフGTEの45kmを大きく上回る。20インチの大径スポーツラジアルを履くスポーツカーとして考えても、なかなかの数値だ。

 

 

そしてこれに、1.5リッター直列3気筒ターボ(231ps/320Nm)の出力を合わせると、その総合出力は374psとなる。ひとつのトランスミッションでエンジンとモーターを協調制御しないせいだろうか、単純にモーター+エンジンのパワー合算がi8の総合出力となるようだ。

 

0→100km/h加速は4.4秒(ロードスターは4.6秒)、最高速は250km/h(ロードスターも同様)。そして燃費性能は、2リッター/100km(欧州基準EU6で測定。ロードスターは1.8リッター/100km)、CO2排出量は42g/km(ロードスターは46g/km)を達成した。

 

そんなi8ロードスターを走らせて嬉しくなるのは、乗り味がまったくもってエコカーを感じさせないこと。

 

「COMFORT」モードは65km/h以上になると充電のためにエンジンを始動させるというが、新型i8はそれをほとんど意識させない。ゼロ発進をモーターでするすると進み、軽快なハンドリングで曲がり角をひとつクリアするだけで、ふわっと気持ちをさらわれてしまうのだ。