【初試乗】知的なる闘牛「ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ」

2018/09/30 16:15

Lamborghini Huracán Performante

 

デビュー以来、世界中から賞賛の声が絶えないランボルギーニ ウラカン シリーズ。過去の例を見れば明らかなように、こうして高性能モデルが用意されるのは予想していた。しかし、今作は違う。遂にニュルにおける新記録達成を掲げてデビューしてきた。ウラカン ペルフォルマンテ。その脅威の実情をレポートしよう。

 

REPORT◎野口 優(Masaru Noguchi)
PHOTO◎Automoboli Lamborghini S.p.A.

 

 

サーキットでこそ真価を発揮する!

 

6分52秒01。これはランボルギーニの最新作「ウラカン ペルフォルマンテ」がニュルブルクリンク ノルトシェライフェで叩き出したタイムである。しかも決してタイムアタックを意識した記録ではなく、テスト中、結果的にこのタイムに到達したというから驚くほかない。これによって事実上、ニュルブルクリンクにおいて量産車史上最速モデルとなった(2017年時)。

 

このニュースを最初に聞いた時、遂にランボルギーニは、スーパースポーツ界の頂点に到達したのだと私は思った。過去の車両を振り返ってもペルフォルマンテほどタイムを強調したモデルはない。これまではポルシェの公表タイムが、ひとつの指標となってこのクラスを牽引してきたが、もしかしたら今後はランボルギーニがベンチマークとして認識される可能性も否定できないとさえ思えてくるほどの事実である。

 

そんな記録樹立に驚いていたのもつかの間、私の元に早々にランボルギーニから招待状が届いた。場所はイタリア、イモラ・サーキット。言うまでもなく、ここは超高速サーキットとして名高いテクニカルコースである。英雄アイルトン・セナが走行した最後のサーキットとして有名になったのは皮肉でもあるが、ペルフォルマンテが最速記録樹立に成功した鍵、つまりアクティブ・エアロダイナミクスのALA(エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ)を体験するためには、このサーキットこそ最適なのは明白だった。先のアイルトン・セナに対する追悼の意味も含まれてのことのようだが、言うまでもなく、それはイベントのサブ的要素に過ぎない(ちなみにセナは、最後のウイリアムズに乗る直前の93年にランボルギーニV12エンジンを搭載したマクラーレンでテストしていた。その時の印象は絶賛だったという)。

 

 

 

現地に着くと、早速プレゼンテーションが開始され、その後すぐに試乗が始まった。実車の印象は、従来のウラカンよりもややワイルドになった程度で、事実上、前作となるガヤルド・スーパーレッジェーラほどのインパクトはなかったというのが本音。しかし、ALAを備えたフロント周りとリヤウイングは、見た目から高い機能性が伺えるほど不思議と生真面目さが伝わってきた。ここだけでも過去とは違うと思えたのは本当だ。何しろこのALA、その仕組みを知れば知るほど、感心を超えて感動すら覚えるほど実に巧妙な策が見え隠れする。

 

そのALAを分かりやすく例えるなら前後スポイラーが受ける空圧を電動モーターによる可変フラップによって調整し、理想のエアロダイナミクスを実現するために完全制御するというもの。基本的には前後ともに加速時や最高速域ではフラップを開き抵抗を減少させ、一方の高速コーナーやブレーキング時ではフラップを閉じることによってダウンフォースを発生させることにより、高い安定性を実現させるのが狙い。その結果、最大垂直ダウンフォース量は、実にウラカン・クーペ比で750%増! しかもリヤウイングに関しては、高速コーナー時、曲がる方向に応じて空流を左右個別に制御することにより、エアロ・ベクタリングまで実現するというから凄い。