【海外試乗記】M流フラッグシップサルーン「BMW M760Li」の驚異

2018/09/30 20:53

BMW M760Li xDrive

 

BMWのフラッグシップサルーンに待望の「M」を名乗るモデルが公開されてからというもの、その走行性に対して如何なる刺激が待っているのか気になっているファンは少なくないはずだ。610ps&800Nmを発揮するV12ツインターボを搭載する「M760Li」の真相を、パームスプリングスにて試乗した時の印象を報告しよう。

 

REPORT/野口 優(Masaru NOGUCHI)

 

 

それは「BMW以上、M未満」という絶妙さ。

 

「M」の名を冠したBMWに対して、まずイメージするのは「スポーツ」である。今に続くM3を筆頭にモータースポーツ直系の技術を用いて製作されるのがBMW M社であるが、今から試乗するこの「M760Li Xドライブ」はそれとは違い、Mパフォーマンス・オートモビリズがBMWをベースにパワートレインやシャシーにM社の技術に基づいてチューニングを施し、エクステリアとともにスポーティに仕立てているのが特徴だ。即ち、わかりやすく言えば「BMW以上、M未満」である。

 

とはいえ、Mの名が与えられている以上、BMWファンならずともかなり期待してしまうのは当然。特に新型7シリーズの完成度は、最大のライバルであるSクラスと互角、いやシーンによってはそれ以上だから、そのアプローチと仕上がりに興味が尽きなかった。何しろ最大の注目は、そのエンジン。V型12気筒DOHCツインターボを搭載し、610ps&800Nmというパワー&トルクを発揮すると聞かされていたのだから黙ってはいられない。それに加え、車名の語尾にあるように4WDを組みわせているのも印象付けた。つまり、狙いは明確で「最高峰の理想」をBMW流の論理で展開している点こそ見どころ。今後の方向性を見る上でも極めて重要なモデルである。

 

 

試乗した地は、北米はカリフォルニア州パームスプリングス。砂漠のリゾート地として知られるところだけに街中でも高級車が目立つ。そんな中で見るM760Li Xドライブは、華やかと表したいところだが、ご覧の通り、用意された試乗車はマットブラックの、ちょいワル仕様。2つのスタイルをラインアップするうちの「ダイナミズム」だから尚さらである。ちなみにこのダイナミズムとは標準車にあたり、スポーティなバンパーデザインをもつMエアロ・ダイナミクス・パッケージやダークブルーメタリックのMスポーツ・ブレーキのほか、Mスポーツ・エキゾーストシステムを採用し、テールパイプにはセリウムグレーの専用カラーが施されるなど、全体的に強めのキャラクターが演出されている。一方は「エクセレンス」と呼ばれ(無償オプション)、こちらはクロームパーツなどが選択され、バンパーデザインなどもエレガントな仕様となっているのが特徴だ。