思うがまま自在に操れる「アルピーヌA110」に惚れた!【国内テスト】

公開日 : 2018/10/19 17:55 最終更新日 : 2019/12/11 14:21

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そしてパワートレイン。ミッドに搭載される直列4気筒ターボは、さすがに過給器の恩恵を受けて実にトルクフルだ。レスポンスも悪くないし、パワーの出方も十二分で不足もなく、高剛性のシャシーとともに頼もしさを感じられるが、けっしてエモーショナルなエンジンではない。良くも悪くも昨今のターボエンジン同様、どこか曇ったような印象で、官能性などは皆無。エキゾーストシステムは排気性能の向上とスポーツモデルにふさわしいサウンドと謳われているが、残念ながらそこまでではないと思う。もちろん、元を辿れば、その努力は相当だったのかもしれないが、少なくとも面白さはあまり感じられなかった。逆に言えば、生真面目なエンジンに仕上がってるようで、パワーとトルクをきっちり使い切るよう心がけた出来と言えるだろう。とはいえ、7速DCTは優秀だ。パドルをつかって変速するとその反応の良さに楽しさをも見いだせる。

 

 

もちろん、全体の印象が悪いなどと思うことは1ミリもない。たまたまエンジンのフィーリングがいまひとつに感じたというだけで、あとは素晴らしい完成度で楽しませてくれる。そう深く実感したのは、富士のショートサーキット試乗時。先ほどまでの印象は主にワインディングだったから、本当に意味での限界域におけるコントロール性を試せたわけではない。逆に本質を知るにはサーキットしかないと言えるほど、その動きには感銘を受けた。

 

何しろ、A110の真髄はコントロール性にある。とにかく全開域におけるそれは実に優秀で、ハンドリング特性をなぜこう仕上げたのかがすべて分かるほど、ニュートラルな姿勢を作りやすい。さらにオーバーステアもお手の物という具合だ。まずコーナー進入時に思うのは当然ブレーキ性能だが、タッチも含めて抜群の効きを示し、これだけ効けばきっかけもつくりやすいと思うほどのレベルを見せる。