【動画】比類なきラグジュアリー「キャデラック エスカレード」を再考する。

2018/10/23 17:55

CADILLAC ESCALADE

キャデラック エスカレード

 

 

キャデラックが誇るフルサイズSUV、エスカレード。昨今、ラグジュアリーSUVブームが再燃しているようだが、その中にあってこのエスカレードは誤解されているように思う。間もなく20周年を迎える今、あらためてその世界を再考する。

 

REPORT/渡辺慎太郎(Shintaro Watanabe)
PHOTO & MOVIE/小林邦寿(Kunihisa Kobayashi)

 

 

 

巨大なボディに秘められた、

数々の「おもてなし」精神

 

こういう仕事を生業にしていると、ニューモデルの国際試乗会に馳せ参じる機会が巡ってくることがある。試乗会の最寄りの空港に降りたつと、そこに我々を会場まで連れて行ってくれる送迎車がやってくる。メーカーによってその車種はさまざまで、キャデラックの試乗会でゲストが一様に「おおおっ!」と歓喜の声を挙げるのがエスカレードである。

 

空港の到着ロビー付近の車寄せは、タクシーやバスや自家用車などさまざまなクルマでごった返している場合が多い。そんな時、遠くの方から並々ならぬ存在感を放ちながらやってくるエスカレードはたまらなく格好いいからだ。

 

 

圧倒的存在感の理由のひとつに、そのボディサイズがある。全長が約5.2m、全幅が2m超、全高が1.9m超。まさに「巨大な塊」が動いているといった風情である。しかしフロントのデザインは現行のキャデラック全車と同じデザイン言語を用いた造形になっていて、前を行くクルマに恐怖感を与えるような物騒な面貌では決してない。押し出し感はサイズや質量で自動的に出るので、さらにデザインで過剰に演出する必要はないという判断は賢明だ。

 

このサイズを前にすると、まずは大きさに圧倒され、室内を覗き込んで左ハンドルであることに気が付いて、運転を躊躇する人が少なくないらしい。でも左側通行での左ハンドルの運転は、デメリットばかりではない。接触の可能性が高い路肩や電信柱や自転車や歩行者はたいてい左側にあって、そこが目視できる左ハンドルならギリギリまで寄せられるからだ。加えてエスカレードは運転席のアイポイントが高く、全方位で視界が良好なので、物理的に入っていけない路地や小道は事前にそれが分かるので、イチかバチかで先に進んでにっちもさっちもいかなくなるようなこともない。運転のしやすさの鍵を握るのはボディサイズではなく、運転席から何が見えるのか、なのである。

 

 

エスカレードは、乗降時にちょっとしたおもてなしを受ける。ドアを開けるとサイドシルの下からスッと自動的にステップが現れる。最低地上高の高いエスカレードでも乗り降りしやすくするための装備なのだけれど、それはまるで高級旅館で仲居さんがスッとスリッパを出してくれる所作のようで気分がいい。

 

直線基調で彫刻的なエクステリアデザインに対して、インテリアは乗員を優しく包み込む柔らかい雰囲気に包まれている。室内でもっとも多くの空間容積を占めるシートが、試乗車の「プラチナム」の場合はセミアニリンのナパレザー仕様になっていて、これが高級感の演出にひと役買っているのは間違いないだろう。

 

 

わざわざオプションリストに目を通す必要がないほど、エスカレードの標準装備は充実している。特にこのプラチナムでは、フロントシートのヘッドレストにそれぞれ液晶モニターが組み込まれていたり、フロントのセンターコンソールには500mlのペットボトルが6本も収まるクーラーボックスまで備わる。アクティブノイズキャンセレーションも含めBOSE社製のプレミアムサラウンドサウンドシステムやDVDプレーヤーなど、エンターテインメントシステムにも抜かりはない。そしてもちろん、レーンキープアシストやサイドブラインドゾーンアラート、フロントオートマチックブレーキやフォワードコリジョンアラートも活用するアダプティブクルーズコントロールといった先進の安全装備が運転をサポートしてくれる。