【DEBUT】生まれ変わった「ホンダNSX」2019年モデル発表。

2018/10/25 11:30

HONDA NSX

ホンダ NSX 2019年モデル

 

REPORT/島下泰久(Yasuhisa SHIMASHITA)

PHOTO/宮門秀行(Hideyuki MIYAKADO)

 

 

マイスターが仕上げたシャシー周りの改善。

2016年8月の日本でのデビューから2年と少しの時を経て、初の小改良を行なった新型(2019年モデル)の「ホンダNSX」が発表された。都内某所にてメディア向けに行なわれたプレビューでは、まず2代目NSXの開発責任者を務め、今やホンダR&Dアメリカの副社長の座に収まったテッド・クラウス氏からの日本語のビデオレターが流された。

 

 

「NSXはこれで完成ではありません。初代のように2代目も進化を続けます。」

 

その言葉を受けて今回がデビュー戦となる新たに開発責任者となった水上 聡氏が登壇。その思いを語りだした。

 

「1990年、初代NSXは『人間中心のスーパースポーツ』として世に提示されました。当時は、誰でも乗れるスーパースポーツなんて言われましたが、それをやっていくのがホンダだと思っています。誰もがパッと乗って楽しめるというのがホンダの原点です」

 

 

そうした言わばNSXらしさを追求するためにNSX 2019年モデルは走りに大幅に手が入れられている。重視したのは、姿勢と軌跡。車体姿勢がフラットに保たれ、思い描いた通りのラインで旋回でき、不安を覚えることなく早め早めにアクセルを入れて行ける、そんな走りだという。

 

詳細は別の日に行なったインタビューを参考にしていただきたいが(本日18時公開)、新開発タイヤの採用、シャシーのセッティング変更を行なったほか、リヤサスペンションについてはハブやブッシュなどの剛性アップも断行。そしてSH-AWD、アクティブダンパーシステム、VSA、ESPといった電子制御デバイスについても入念にセッティングが煮詰められたという。

 

 

一方、動力性能に関連する部分には特に手は入れられていない。V型6気筒3.5リッターツインターボエンジンとフロント2基、リヤ1基の電気モーター、そして9速DCTを組み合わせたパワートレインのスペックは従来通りだが、こちらもやはり制御系は熟成されて、主にじわっとアクセルを踏み込んだ時のレスポンスを改善しているという。

 

水上氏はNSXを担当する直前には、ダイナミック性能統括責任者(マイスター)としてホンダ車全体の走りのレベルアップ、そして横串を通していくという役割を担っていた。ここ数年のホンダ車の走りの格段のレベルアップを実現したキーパーソンだけに、このNSX 2019年モデルについても相当期待していいのではないだろうか。

 

さて、もちろんスーパースポーツの価値は走りだけではない。NSX 2019年モデルでは、こちらも大事な色艶の面でもブラッシュアップが図られている。

 

 

会場の室内壇上に展示されていたバレンシアレッド・パールの車両、従来と印象を違えているとすれば、おそらくボディ同色化されたグリルの影響だろう。これだけでノーズが長く、低く見える。また、前後バンパーの開口部に張られたメッシュも、新たにグロスブラック塗装とされて、見栄えが向上した。尚、オプションの各種カーボンパーツも、やはりグロス仕上げとされた。

 

 

室内色はレッド。これがセミアニリンフルレザーのインテリアでも選択できるようになったのも、この2019年モデルからである。

 

ひとしきり眺めた頃に合図とともに中庭との間の仕切りが開かれ、さらにもう1台、新色サーマルオレンジ・パールをまとったNSX 2019年モデルがお披露目された。柔らかな午後の光を受けて佇むその姿は、率直に言って事前にアキュラのサイトなどで見ていたよりもはるかに好印象。まるでソリッドのように明るく、それでいて深みと陰影に富んでいて実に表情豊かなこの色、期待以上にNSXに似合っていると率直に感じた。水上氏は言う。

 

 

「私自身、初代NSXのイモラオレンジにすごく思い入れがあって。(2019年モデルには)エキサイティングなカラーが欲しいなと考えていて、だったらオレンジか黄色でしょうと。でも今見るとイモラは少しブラウンっぽいじゃないですか。じゃあスーパーカーの新しさは何で表現できるかなと考えて、コレにしたんです。でも正直に言うと、最初に工場から出てきた時には『やっちまったかも!』と思ったんです、明るすぎるかなと・・・。でも、見ていくと深みがあって、とにかく飽きない。これは自慢出来るところですが、NSXは塗装、全部サンディングしているんですよ。そういうNSXの元々のクオリティの高さも、この色ではうまく出せたと思っています」

 

 

嬉しいことに、こちらはバレンシアレッド・パール、ヌーベルブルー・パールのような特殊なパールではないので、価格も8万5000円に留まる。これは人気が出そうだ。

 

さらにこの車両は、内装を新色のインディゴでコーディネートしていた。こちらはセミアニリンレザー×アルカンターラ パワーシートで選択可能だ。また、装着車は用意されていなかったが、オプションではカーボンセラミックブレーキローター用にオレンジ塗装のブレーキキャリパーが用意されるなど、コーディネートの幅は大きく広がっている。

 

 

ここの日本でのNSXの受注は、今年春までの時点でざっと400台だという。この手のクルマとして、そしてこの価格帯の商品として、決して悪い数字ではない。しかしながら最初に飛びつく人には概ね行き渡ったと考えれば、勝負はこれからだ。

 

冒頭のテッドの言葉にもあり、また水上氏自身も改めて誓ってくれたが、NSXはこれからも更に進化を続けていくという。それはユーザーとの約束。ホンダがどのようにそれを果たしていくか、この先のNSXにこそ一層注目していきたい。

 

 

【問い合わせ】

本田技研工業 TLE  0120-112010

http://www.honda.co.jp

 

 

 

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