【TOPIC】ル・マン クラシックをテーマにしたスペシャル「ポルシェ」を製作!

10台限定製作!

「ライトウェイト」と「ツーリング」の2モデル。

 

今年7月、ポール・スティーヴンスのル・マン クラシッククラブスポーツがロンドンでデビュー、世界中のメディアとスポーツカー愛好家のハートを捕らえ、大きな話題となった。

 

ル・マン クラシッククラブスポーツとは、ハンドメードの限定製作911のこと。スティーヴンスはこのクルマを駆って、自分の作品のインスピレーションの源になったル・マンまで遠征した。そればかりか、グッドウッド フェスティバル オブ スピードとシルバーストーン クラシックカーレースに立て続けに出場したのだった。話題になるのも無理はない。

 

 

このたび英国エセックスにあるスティーヴンスのワークショップから始まり、ル・マン クラシッククラブスポーツにいたる、スティーヴンスのキャリアを辿ったビデオが製作された。

 

筋金入りのカーファナティックであるポールは、幼年期を農場で過ごした。911を初めて運転してその魅力に取り憑かれたのは、実に9歳のとき(ちなみに走ったのは私道だ)。ステアリングホイール越しにほとんど前が見えない状態で100mphを経験、これがすべての始まりだった。

 

 

21歳で最初の911を所有、1984年には初めてル・マンを観戦。このときは自分がこのサーキットを走る日が来るなど夢にも思わなかったという。

 

1994年、スティーヴンスは「ポール・スティーヴンス ポルシェスペシャリスト」を興す。レースとしての「ル・マン クラシック」がスタートしたのは2002年のこと。ポールはこのレースのオーガナイザーであるピーター・オートとACO(西部自動車クラブ)からオフィシャルライセンスを認められた、ル・マンクラシックをテーマにしたスペシャル ポルシェを製作しようと思い立つ。

 

 

2007年、彼は1台のクラブスポーツを製作する。「レス・イズ・モア」を基本理念に置いた、911ベースのライトウェイトクーペだ。俊敏なクラブスポーツは、ツイスティな公道であれ、サーキットであれ、現代のスポーツカーを負かすに足る実力を発揮して周囲を驚かせた。

 

それから10年後の2017年、スティーヴンスは、1段階レベルアップしたクラブスポーツ・シリーズIIを発表する。ヒントを得たのは911のロードゴーイング版高性能モデルだが、歴代911のなかからベストのスタイルと機構を抽出してまとめ上げた点がユニーク。まさにスペシャルなビスポーク911だった。

 

 

そして今年7月、ロンドンにてル・マン クラシッククラブスポーツが発表された。10台の限定製作で「ライトウェイト」と「ツーリング」の2タイプがある。車重わずかに970kg。1973年のポルシェ911 RSへのリスペクトから生まれたル・マン クラシッククラブスポーツは軽量が身上。空冷フラット6とナローボディに、最新の技術を採り入れたオリジナルのECUと、現代のGT3の吸気系を組み込んでいる。

 

ル・マン クラシッククラブスポーツが911の魅力を凝縮したスペシャルであることがおわかりいただいたところで、その生みの親、ポール・スティーヴンスについてもう少し紹介しよう。

 

 

彼をひと言で言うなら、ポルシェ911のレストアラーであり、チューナーである。純粋にプライベートな企業なので、ポルシェGBにもポルシェAGからも正式に認可されていはいない。従ってスティーヴンスの作品には「ポルシェ」や「911」といった商品名をつけることはできないが、本稿では便宜的にこうした呼び方をしたことをお断りしておく。

 

今日、ポール・スティーヴンスの作品は誠実な仕事、細部に及ぶていねいな仕上げ、高度なノウハウで、目の肥えたエンスージアストの世界であまねく知られるようになった。1994年の創業以来24年にわたる、絶えざる改良と入念なレストアの経験により、ポール・スティーヴンスは、911オーナーに最良のドライビングプレジャーを約束している。

 

 

TEXT/相原俊樹(Toshiki AIHARA)