【TOPIC】これからのオークションはオンラインで行う!?

オンラインでも重要視する「取引きの透明性」。

 

壇上に展示された名車をぜひ手に入れようと、提示額は急速に上がっていく。会場は俄然熱を帯びる。やがて買い手は二人に絞られ、両者は互いの胸の内を読みながら小幅に値を競る。そしてついにハンマーが打ち下ろされ、落札者が勝利の笑顔を浮かべる・・・。これまで私たちがオークションに抱いていた、そんなイメージを一変する新しい形態が登場した。

 

英国でクラシックカーとコレクタブルカーを専門に扱うオンライン オークションサイトがスタートした。クルマ愛好家が運営する、クルマ愛好家のためのこのサイトは、従来の取引方法を覆す革新を市場にもたらすかもしれない。その名を「ノーマンズ・ポンド」という。

 

 

手続きが容易で情報性に優れ、リスクがないことを謳い文句に掲げる。出展されるのは申し分ないコンディションのクルマのみで、美しい写真に収められて掲載される。もちろん、愛好家チームが厳格に鑑定し、プラットフォームに載せるに値するとお墨付きのついたクルマばかりだ。購入希望者は名前を登録すると、当該車両のフルヒストリーと詳細な写真が見られる。一方、売り手にとっては、自分のクルマが英国全土に告知されるのがメリットだ。

 

「高いクオリティと信用度、手続きの容易性が肝心。私たちが提供するのは売り手と買い手のみが入れる世界です」

 

こう語るのはノーマン・シャム、ノーマンズ・ポンドの創始者だ。

 

「私と私のチームには、経験と広い人脈、そして愛好家の興味を惹くクルマを調達するリソースがあります。掲載するのは私自身が欲しいと思うようなクルマばかり。同好の士に自分のドリームカーを手に入れ、自分だけのストーリーを紡いで欲しいのです」

 

このノーマン・シャムという男、英国のモータリングコミュニティの間では人望の厚い人物で、2015年にリバプールで「カー&コーヒー」というイベントをスタートし、毎月数千というスーパーカーのオーナーと愛好家が集う場に成長させた。

 

また、ほぼ10年前には「ポルシェ レジスター」を開設、そのインスタグラムには11万5000人超のフォロワーがいる。今回ノーマンズ・ポンドを立ち上げるに当たり、クラシックカー市場で25年の経験を持つモータージャーナリスト、アンディ・トールボットと、ウェブの専門家マシュー・イートンをチームに迎えた。

 

ノーマンズ・ポンドでは人気の高い、エンスージャスト向けのコレクタブルカーを扱う。サイトは日々更新され、様々なオークションが中断することなく継続するのが特徴だ。

 

「売り手が満足する結果を出します」とノーマンは言い切る。

 

「ひとたびオークションが始まれば、7日後、市場価格と同等かそれを上回る値がつくと思っていただいて結構です」

 

ノーマンが自信たっぷりにそう語るのには裏付けがある。

 

「取引きの透明性、これこそ私たちのプライドです。売り手は一定の掲載料を最初に払ってもらいます。オークションが成立したときの手数料もごく手ごろ。同様に、買い手も妥当な費用で自分のドリームカーを探し出せるのです」

 

ノーマンズ・ポンド発足を記念して、チームは格別な2台をサイトに掲載した。1台は「タッティ・ターナー」として知られる1960年製のレースマシン、ターナー。もう1台は1926年製ACロイヤルで、生産されてから50年後に走行可能状態に戻されたまま眠っていた、いわゆる「バーンファインド」だ。

 

さらに、ノーマンズ・ポンドのチームはこのオンライン オークションサイトを広く知らしめるため、11月9日からバーミンガムのナショナル エキシビションセンターで開催されるランカシャー インシュアランス クラシックモーターショーにブースを出す予定である。

 

ことクラシックカーのオークションに関していうなら、英国には由緒正しい専門会社が複数あって、手堅いビジネスを展開している。クラシックカーは、真の値打ちがわかる人の間で取引されてこそ命を宿す。それだけに売り手と買い手の仲介をするオークション主催者の見識がモノを言う。クラシックカー売買で不可欠の、相互の信頼関係がオンライン オークションでも成り立つのか。結果が出るのに、そう長い時間は要さないかもしれない。

 

【リンク】

https://www.normanspond.com

 

 

TEXT/相原俊樹(Toshiki AIHARA)

 

 

※HPの一部