【イベント報告】「リシャール・ミル 鈴鹿サウンド・オブ・エンジン 2018」は歴史に残る内容で魅了!

RICHARD MILLE SUZUKA Sound of ENGINE 2018

リシャール・ミル 鈴鹿サウンド・オブ・エンジン2018

 

 

22台のF1がガチンコバトル!

 

2012年に行われた50周年記念イベントをきっかけに、世界に肩を並べる日本発信のヒストリック・レーシング・イベントを作りたいという思いから始まった「リシャール・ミル鈴鹿サウンド・オブ・エンジン(以下SSOE)」。4回目を迎えた今年は、鈴鹿の歴史にも残る新たな1ページが刻まれることとなった。

 

それが日本で初めて開催されたマスターズ・ヒストリック・フォーミュラ・ワン(以下マスターズF1)の公式戦だ。合計22台のエントリーの中には、今年のヨーロッパ・シリーズ(れっきとしたFIA選手権)の各クラスのチャンピオンが顔を揃えたほか、アメリカ・シリーズ、そして日本からも3名のドライバーが参戦。本場とまったく同じ内容で、文字通りのガチンコバトルを繰り広げてみせたのである。

 

このほか、恒例のグループCデモレースには、メインスポンサーであるリシャール・ミル共同設立者のドミニク・ゲナが1993年型プジョー905Evo1でエントリー。さらに日本独自のカテゴリーFL500の50周年記念デモレース、アポロIEの日本初走行など、様々なコンテンツが詰め込まれた充実の2日間となった。

 

 

大迫力のレース2のスタートシーン。マスターズF1は、1966年から85年までの3リッターNAマシンを対象としたヒストリックカー・レースとして2004年に始まったもので、ヨーロッパ・シリーズとUSAシリーズを開催。そのうちヨーロッパ・シリーズは2013年からFIAの公式戦にカウントされるようになった。またドライバーは国際C級以上のライセンスが必要であるうえ、マシンもFIAの安全基準をパスした HTP(ヒストリック・テクニカル・パスポート)所有車のみに限られる。

 

 

FIA選手権が賭けられたヨーロッパ・シリーズのフィッティパルディ・クラス(72年以降のノングラウンドエフェクトF1)で見事チャンピオンに輝いたグレゴリー・ソーントンは、1982年型ロータス91(No.12)でエントリー。昨年のデモレースで鈴鹿を経験しているだけにプラクティスから好調で、久保田克昭の脱落にも助けられレース1優勝。レース2でもリバースグリッドのハンディを乗り越え見事に優勝を飾った。

 

 

14年のモナコ・ヒストリック・ウィナーで、昨年のデモレースでも圧勝を飾った久保田克昭は、ソーントンと同じロータス91で出場。予選では唯一1分56秒台を叩き出しポールポジションを獲得するが、予選後にエンジンマウントのトラブルが発覚。急遽マシンをバラして修復したものの、レース1はスタートすることなく無念のリタイア。しかし日曜のレース2では気迫の走りで2位に入賞した。

 

 

今年のヨーロッパ・シリーズでグラウンドエフェクトカーを対象としたヘッド・クラスのチャンピオンを獲得したニック・パドモアが緊急来日し、1978年型フィッティパルディF5A(No.1)ドライブ。17年のヘッド・クラス・チャンピオンで今年のモナコ・ヒストリックでは元F1ドライバーのアレックス・カフィを破って優勝したマイケル・ライオンズの1977年型ヘスケス308E(No.24)と繰り広げたフィッティパルディ・クラスのトップ争いは見ものだった。

 

 

「プラクティスでレブカウンターが壊れてしまって、耳で聞いて回転数を判断してシフトした」と語っていたのは、1980年型ブラバムBT49Cで参加のスペインのベテラン、ホアキン・ファルチ・ルシニョール。レース1では序盤でストップしリタイアしてしまったものの、夜中にスペアエンジンへ交換(!)。レース2では後方から見事な追い上げで総合6位、クラス4位でゴール。

 

 

USAシリーズから参加のダニー・ベーカーの1976年型マクラーレンM23(No.30)は、当時ブレット・ランガーがドライブした珍しいプライベート仕様。ブラバムBT49C、ティレル012、LEC CRP1を引き連れヘアピンを立ち上がる。まるで40年前にタイムスリップしてしまったかのような光景だ。

 

 

レース2のヘッド&ラウダ・クラス(83年以降のフラットボトム・マシン)ウィナーは、レース1に引き続きロータス91をドライブしたグレゴリー・ソーントン。2位には最後尾からの怒涛の追い上げをみせた日本の久保田克昭が入った。3位はUSAシリーズから参加のウィリアムズFW07Bに乗るチャールズ・ニアバーグ。プレゼンターはミカ・ハッキネンがつとめた。

 

 

アマチュアレースとは思えない光景。

 

金曜にプラクティス、土曜の午前に予選、午後にレース1決勝。そして日曜にレース1の結果をもとにしたグリッド(ただし上位8台はリバーズグリッド)からスタートするレース2というスケジュール。各車は大量のスペアパーツ、工具とともにドライ&レインタイヤも最低1セットずつ用意するなど、とてもアマチュアレースとは思えない規模で各地を移動する。走行後のギヤボックスのオーバーホールなどは朝飯前。ピット内でパッと片付けてしまう。

 

 

ファンサービスも万全。

 

土曜と日曜の昼には、来場者全員を対象としたピットウォークが行われるのもSSOEの特徴。中でも一番人気はマスターズF1のピットで、あっという間にご覧のような人だかりに。マスターズF1の面々もそれに応え、子供達をコクピットに座らせて記念撮影を行うなど、ファンサービスにつとめていた。また日曜に行われたグリッドウォークもものすごい人出で賑わった。

 

 

レース1、レース2のスタート前には、グリッドレディならぬグリッド・キッズたちがお出迎え。SSOEならではの演出は、マスターズF1の面々にも大好評。子供たちにも良い思い出になったようだ。

 

 

夢の共演が実現した「グループC」

 

SSOEの人気カテゴリーのひとつ、グループCデモレースにリシャール・ミルの協同設立者ドミニク・ゲナが愛機1993年型プジョー905 Evo1(シャシーナンバーEV14)とともに登場。星野一義のドライブする日産R91CP、寺田陽次郎のドライブするマツダ787Bをはじめとする、国産Cカーたちとの共演が実現! 905の甲高いエキゾーストノートと素晴らしいスピードを体感できたファンは果報者だ。

 

 

葉巻型フォーミュラは28台エントリー!

 

1960年代の葉巻型フォーミュラを愛する人々で結成されたHFR(ヒストリック・フォーミュラ・レジスター)のデモレースには今年も28台がエントリー。排気量カテゴリーなどにより3つのクラスに分けられるが、それぞれのクラスでクリーンなバトルが展開され、今年も多いに盛り上がった。

 

 

軽のエンジンを積む「ミニF1」は25台でバトル!

 

スズキ・フロンテやホンダN360など軽自動車のエンジンを使用したナショナル・フォーミュラとして日本の多くのドライバー、コンストラクターを育てたFL500。今年で誕生50周年を迎えるのを記念して、なんと25台のマシンが集まってデモレースを開催。「ミニF1」と呼ばれたマシンはどれも個性的。会場には当時ベルコ・ワークスとして活躍したジャーナリストの津々見友彦らもゲストとして招かれていた。

 

 

F2005とF10が夢のランデブー!

 

個人所有のF1マシンを対象としたデモラン「レジェンド・オブ・フォーミュラ1」には、1967年型クーパーT86マセラティから、1970年型ロータス70C、1988年型AGS JH20などバラエティに富んだ顔ぶれが勢ぞろい。中でも往年のフェラーリ・テノールを響かせる2005年型F2005とF10のランデブーには、会場全体が酔いしれた。

 

 

幻の「ポルシェ904/4」もエントリー。

 

1960年代のレーシングプロトタイプを対象とした「60sプロトタイプ・レーシングカー」に姿をみせたポルシェ904/8。804F1のエンジンをベースに開発された2リッターフラット8を搭載する元ワークスカー。当時2台だけが作られたうちの1台(シャシーナンバー904-009)で、実働状態にあるのは世界でこれ1台という超貴重なモデル。こんな凄いクルマがエントリーするようになったところにも4回目を迎えたSSOEの定着ぶりがうかがえる。

 

 

「アポロ IE」が日本初上陸!

 

ノーマン・チョイ率いるアポロ・アウトモビーリが発表した世界限定10台のスーパースポーツ「IE=Intensa Emozione(インテンサ・エモツィオーネ)」が日本初上陸、初走行を披露。何にも似ていないフルカーボンの有機的なフォルムは迫力満点。780hp/760Nmを発生する6.3リッターV12 NAユニットの快音を響かせ、その並外れたポテンシャルの一端を披露してみせた。

 

 

チーム・タイサン・オークションも併催。

 

土曜にピット2階で行われたBHオークションによる「TEAM TAISAN AUCTION」には、グループAやスーパーGTなどで活躍した国内有力プライベーターであり、今シーズンで活動を終了したTEAM TAISANの貴重なマシンやメモラビリアが多数出店された。その中の目玉として注目されたJGTC仕様のタイサン・スターカードF40は1億2100万円でハンマープライス!

 

 

TEXT/藤原よしお(Yoshio FUJIWARA)
PHOTO/モビリティランド/浅井浩次

 

 

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