【NEWS】フォルクスワーゲンの純EVマシンが新記録達成! 「レースカー オブ ザ イヤー」を受賞。

内燃機関の記録を初めて破った

フォルクスワーゲン ID.R パイクス ピーク!

 

「フォルクスワーゲン ID.Rパイクス ピーク」がドイツの『アウトビルト モータースポーツ』と英国の『BBCトップギヤ』という自動車専門誌2誌から「レースカー オブ ザ イヤー」を受賞した。

 

ロマン・デュマ操るID.Rパイクス ピークが全長19.99kmの「パイクス ピーク インターナショナル ヒルクライム」で7分57秒148を出し、総合優勝を飾ったのは6月24日のこと。周囲を驚愕させるタイムだった。なにしろ従来の最速タイムは、2013年に「プジョー 208 T16 パイクスピーク」駆るセバスチャン・ローブが出した8分13秒878、つまり16秒もの短縮をしたことになるのだ。

 

今回の総合優勝は、純EVレーシングカーがモータースポーツの檜舞台で、内燃機関搭載車を初めて破った金字塔だ。

 

ID.Rは前後にモーターを搭載する4WDで、システムパワーは680ps、同トルクは650Nm。1100kgを切る車重を利して0 – 100km/hを2.25秒で加速する(参考までに挙げると、現行フォーミュラEの推定値は2.9秒前後)。可変空力デバイスの類いを一切排除した、ズバリ、パイクス ピークの一点にフォーカスしたマシンだ。

 

 

エッセンモーターショー2018の会期中に開かれた授賞式にて、『アウトビルトモータースポーツ』より賞を授与されたフォルクスワーゲン モータースポーツのディレクター、スヴェン・ズメーツは喜びを隠せない面持ちで次のように語る。

 

「私たちにはID.Rで達成しようとしたターゲットが2つありました。ひとつはパイクス ピークでEVによる新記録を樹立すること、もうひとつはエレクトロモビリティがいかにダイナミックでエモーショナル、そしてパワフルになり得るかを立証することです」ズメートと彼のチームは見事その2つを実現した。とりわけ前者のターゲットでは、EVはもとより、内燃エンジンによる歴代記録まで破ってみせた。

 

ID.Rを「レースカー オブ ザ イヤー」に選んだ理由を『アウトビルト モータースポーツ』のエディターは「史上最速のヒルクライムマシンにして、テクノロジー上のマイルストーン」と語る。

 

『BBCトップギヤ』が着目したのもやはり革新テクノロジー。次のように賞賛の言葉を贈る。

 

「電気パワーは高い標高で空気中の酸素濃度が低下するハンディを負わない。そればかりか瞬時にトルクを生み出し、文字通りテレポート的加速を実現した。完成度は極めて高く、その競争力は研ぎ澄まされている。ID.Rはパイクスピークで成功を獲得する模範となった」

 

トップギヤのコメントには含蓄がある。コーナーが連続するパイクス ピークでは、脱出時のスプリント力がモノを言う。日進月歩のEV技術をもってすれば、来年の同コースでEVがさらなる記録を立てる可能性も大いにあり得ると思われる。

 

EVでもモータースポーツで第一線を張れることを立証したID.R。そのID.Rと同じファミリーに属するID.の市販版は2019年に市場に出る予定である。

 

 

TEXT/相原俊樹(Toshiki AIHARA)