ポルシェ911(992)カレラSの進化を田中哲也がリアルにレポート!

2019/02/23 17:55

Porsche 911 Carrera S

ポルシェ 911 カレラ S

 

 

より一層繊細なマシンコントロールが可能に。

 

レーシングドライバーの田中哲也がサーキットにおいて新型ポルシェ911(992)カレラSを初めてアタックした。そのファーストインプレッションをお届けしよう。

 

まず、哲也氏が挙げたのは、最高出力450ps、最大トルク530Nmを発揮する水平対向6気筒ボクサーユニットの進化だった。

 

「最初に体感したのは、パワー、トルクともに明らかに強力になったこと。先代の『991(後期型)』と比較すると、パワーバンドは全体的に少し高回転寄りになった印象があります。でも、低回転からのピックアップはかなりパワフルで強力。スロットルワークに対してよりリニアになり、ドライバビリティが向上しています。マシンコントロールをより一層繊細に行うことができるようになりました」

 

 

 

このパワーユニットに組み合わせられる、8速PDK(デュアルクラッチ トランスミッション)とのマッチングにも太鼓判を押す。

 

「トランスミッションはPDKが8速になり、ギヤレシオの設定がクロスレシオになりました。この結果、シフトアップ時に回転の落ち込みが少なくなり、パワーバンドをフルに使いうことができます。少しだけ高回転型になったエンジンとマッチングがとにかく素晴らしい」

 

「PDK自体の進化も素晴らしくて、シフトアップ&ダウンがとてもスムーズでクイック。シフトショックは全く気にならないでしょう。市販車の中で最高レベルに達していますし、ドライバーがストレスを感じることは一切ないというクオリティを実現しています」

 

 

横方向グリップの安定で、よく曲がるマシンに。

 

サーキットにおけるハンドリングに関しては、フロントの反応の良さが印象に残ったという。

 

「ステアリング操作に対して、フロントの反応がとにかく良いんです。思い通りのラインをトレースすることが容易になりました。ステアリングインフォメーションも素晴らしく、フロントタイヤから伝わってくる路面の状況やグリップが手に取るように分かります。それもあってグリップを探るような操作は全く必要なく、スムーズなステアリング操作を行うことができます」

 

コーナーリング中、フロントに対して「しっかりとリヤが安定しているか」という課題についても、問題はまったくなかったようだ。

 

「992はそういった状況下でも抜群の安定感でした。リヤのスタビリティが優れていて、グリップレベルも高い。リヤのグリップを信じて思い切ったドライビングが可能になったと言えるでしょう。トラクションが高いのは当然としても、横方向のグリップやスタビリティが格段にレベルアップしたことで、よく曲がるクルマになっています」

 

「コーナーの進入から終わりまで、サスペンションが4輪をうまく路面に押し付けて、安定したグリップを継続してくれます。この結果、安定感が増したことで、ドライバーが不安に感じることなく気持ちの良いコーナリングを味わうことができると思います」

 

 

あえてリヤをスライドさせることも楽しめる。

 

しかし、安定一辺倒ではなく、意図的に“崩す”ことも楽しめると、哲也氏は指摘する。

 

「あえてスライドした時の挙動もコントローラブルですが、ある程度のスキルを持っているドライバーであれば、さらに楽しむことができると思います」

 

「911の個性でもあったブレーキングに関しては、ブレーキタッチが大幅に向上しています。新たに採用された『ブレーキブースター』により、ブレーキタッチが軽くなり、明らかにダイレクト感が増しています。ブレーキペダルを踏むときのコントロール性やフィーリングもさらにレベルアップしていますから今まで以上に素晴らしいブレーキングを体感することができます」

 

 

想像以上の効果を体感できた「ウェットモード」。

 

レーシングドライバーとして、やはり気になるのはドライビングポジション。今回、992ではより細かい設定ができるようになったと言う。

 

「ドライビングポジションの調整幅が広くなりましたね。それぞれのドライバーの体形に対して、より細かくアジャストできるようになりました。スポーツカーにとって、ドライビングポジションは本当に重要なポイントです。これまで以上に素晴らしいポジションを設定できるようになったので、さらにドライビングに集中することができるようになりました」

 

今回、新開発された「ウェットモード」に関しても、その効果に感銘を受けたようだ。

 

「ドライビングモードも、それぞれの制御がより洗練されていて、とても自然な印象でした。目玉のひとつである『ウェットモード』は、低ミューの濡れた路面での効果が想像以上です。特にアクセルを踏んでいくと、実にスムーズなコントロールを行ってくれます。タイヤが温まっていない場合や、雨量が多く非常に滑りやすい時に、その効果は絶大だと思います」

 

 

抜群の安定感を得た上で、旋回性能も手にした992。

 

最後に新型ポルシェ911(992)全体の印象を聞いた。

 

「確かにボディがひと回り大きくなった印象は受けました。でも、それが車両全体の安定感が増すことに大きく寄与しています。驚いたのは安定しているのにも関わらず、ものすごく“曲がる”クルマに仕上がっていること。ボディの大型化は今後のポルシェ全体の方針でしょうが、サイズが大きくなったうえに、重量の増加を少しも感じさせない。素晴らしい旋回性能に仕上げたポルシェには、感動すら覚えています」

 

「エンジン、PDK バランス、全てにおいて格段のレベルアップを果たしました。サーキットにおいても、これまで以上に思いっきり気持ちよく走ることができます。さらに、ラップタイムも明らかに速くなっている。それが992の実情ですね」

 

 

REPORT/田中哲也(Tetsuya TANAKA)

COOPERATION/ポルシェ ジャパン(Porsche Japan KK)

 

 

 

【SPECIFICATION】

ポルシェ911カレラS

ボディサイズ:全長4519 全幅1852 全高1300mm
ホイールベース:2450mm

トレッド:前1589 後1557mm
車両重量:1515kg

 

エンジン:水平対向6気筒DOHCツインターボ
総排気量:2981cc

ボア×ストローク:91.0×76.4mm

圧縮比:10.2
最高出力:331kW(450ps)/6500rpm
最大トルク:530Nm/2300 – 5000rpm
トランスミッション:8速DCT(PDK)
駆動方式:RWD

 

ステアリング形式:電動パワーアシスト

(オプション:リアアクスルステアリング)
サスペンション形式:前マクファーレンストラット 後マルチリンク
ブレーキシステム:前6ピストン 後4ピストン(アルミモノブロック)

ディスク径:前350×34 後350×28mm

タイヤサイズ(リム幅):前245/35ZR20(8.5J)後305/30ZR21(11.5J)

 

最高速度:308km/h

0 – 100km/h加速:3.7(3.5)秒

0 – 160km/h加速:8.1(7.8)秒

0 – 200km/h加速:12.4(12.1)秒

※( )内はスポーツプラスモード時

 

CO2排出量(EU):205g/km

燃料消費率(EU複合):8.9L/100km

 

 

ポルシェ911カレラ4S

ボディサイズ:全長4519 全幅1852 全高1300mm
ホイールベース:2450mm

トレッド:前1589 後1557mm
車両重量:1565kg

 

エンジン:水平対向6気筒DOHCツインターボ
総排気量:2981cc

ボア×ストローク:91.0×76.4mm

圧縮比:10.2
最高出力:331kW(450ps)/6500rpm
最大トルク:530Nm/2300 – 5000rpm
トランスミッション:8速DCT(PDK)
駆動方式:AWD

 

ステアリング形式:電動パワーアシスト

(オプション:リアアクスルステアリング)
サスペンション形式:前マクファーレンストラット 後マルチリンク
ブレーキシステム:前6ピストン 後4ピストン(アルミモノブロック)

ディスク径:前350×34 後350×28mm

タイヤサイズ(リム幅):前245/35ZR20(8.5J)後305/30ZR21(11.5J)

 

最高速度:306km/h

0 – 100km/h加速:3.6(3.4)秒

0 – 160km/h加速:8.3(8.0)秒

0 – 200km/h加速:12.7(12.4)秒

※( )内はスポーツプラスモード時

 

CO2排出量(EU):206g/km

燃料消費率(EU複合):9.0L/100km

 

 

【問い合わせ】

ポルシェ カスタマーケアセンター

TEL  0120-846-911

http://www.porsche.com/japan/