イスパノ スイザ復活! 9年ぶりに登場したのはEVモデルの「カルメン」

2019/03/08 07:55


Hispano Suiza Carmen

イスパノ スイザ カルメン

 

 

EVカーこそ、イスパノ スイザの原点。

 

スペインの「イスパノ・スイザ」がニューモデルとともに久々にジュネーブ・ショーに帰ってきた。彼らが前回ここを選んだのは、2010年にアウディR8 V10をベースとしたスーパースポーツのワールドプレミアを行った時で、以後イスパノ・スイザは、再びカービジネスの表舞台からその姿を消してしまったのだ。

 

 

だが、イスパノ・スイザは自動車を生産するという野心をひと時も忘れてはいなかった。9年間の沈黙の中で、彼らは完全に新設計となる超高級グランツーリスモの開発に着手。しかもそれはフルEVのパワートレーンをもつ現代的なモデル。実はイスパノ・スイザとEVの関係は非常に深い。なぜなら創業当初、というよりも創業前に彼らが製品化を考えたのはEVであり、それがイスパノ・スイザを創立する大きな理由となったからだ。

 

 

それからほぼ120年の時を経て、イスパノ・スイザはついに「カルメン」とネーミングされたEVスーパースポーツとともに、現実の世界に戻ってきたのである。ちなみにカルメンとは、現社長のミゲル・スケ・マテウ氏の母親であり、また創業者からは曾孫にあたるカルメン・マテウ氏に由来するもの。残念ながら彼女は、昨年この世を去っている。

 

 

生産台数は19台のみ。

 

イスパノ・スイザ・カルメンは、2019年末から2021年までの間に19台のみが生産される計画だ。そのキャビンはまさにエレガントという言葉どおりのフィニッシュで、当然ながらカスタマーの細かい希望にもイスパノ・スイザは対応する準備があるという。

 

 

エクステリアデザインは、かつて生産された「H6C デュボネ・クセニア」にインスピレーションを得たもので、とりわけリア周りや前後フェンダーの造形には、その印象が強く表れている。

 

 

最高出力は1019ps!

 

電動パワートレーンの開発には、QEVテクノロジーズ社という強力なパートナーがいる。彼らはカンポス・レーシングとともにフォーミュラEを戦うなど、電動パワートレーンに関しては最新の技術をもつ企業として知られている。カルメンには2個のエレクトリックモーターがリアに搭載され、注目の総出力は1019psを発揮。ドライウエイトはわずか1690kgに抑えられているだけに、0→100km/h加速は3秒以内を実現するという。最高速度はリミッターで制限されているとはいえ、250km/h。実に現実的かつ魅力的な数字がスペックシートには並ぶ。ちなみにフル充電からの走行可能距離は最大400km。行動範囲は十分に広いと考えてよいだろう。

 

 

19台のカルメンは、はたしてどのようなカスタマーの手に渡るのだろうか。イスパノ・スイザによれば、カルメンの正式な発売日は2020年の6月とのこと。それまではプレオーダーが行われるというが、もちろんその数が19台を大きく上回ることは間違いのないだろう。参考までに価格は、税別で150万ユーロと発表されている。

 

 

REPORT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)