「ピュリタリア ベルリネッタ」デビュー! 謎多き新興メーカーの真相に迫る。

Puritalia Berlinetta

ピュリタリア ベルリネッタ

 

 

ジュネーブで発表される新型車の生産台数150台。

 

世界中で開催されるモーターショーの中で、最も面白いショーは何かと問われれば、多くの人は「ジュネーブ」と即答するのではないだろうか。それはどの国の、そしてどのような規模の自動車メーカーに対しても常に平等な立場を貫いているからだ。したがってこのショーには、これから世界にその名を広めようという新興勢力が続々とその最新作とともに姿を現し、評価を競う。

 

 

ここで紹介する「ピュリタリア」も今年のジュネーブ・ショーでニューモデルのワールドプレミアを狙う新興勢力のひとつ。彼らがコンセプトに掲げるキーワードは、“フォーリセリエ”で、これは限定車にも近い意味をもつ、しかしながらそれよりも小さな生産台数を想定したモデルを意味している。我々にとって最も身近なフォーリセリエといえば、フェラーリが日本市場への進出50周年を記念して10台を製作した「J50」などがあるが、ピュリタリアがジュネーブ・ショーの開催前にリリースした第一報によれば、その生産台数は150台。これはフォーリセリエと呼ぶにはあまりに大きな数であるから、おそらくはこの150台の枠の中で、いくつか異なるタイプのデザインを提供するプランがあるのかもしれない。

 

 

前作は「コブラ427」を彷彿とさせるモデル。

 

ピュリタリアが7年前に発表したモデル「427」は、そのネーミングからも想像できるように、アメリカン・マッスルの象徴ともいえるシェルビー・コブラをモチーフに現代的なフィニッシュを施したもの。エクステリアデザインはシャープなサイドラインが特徴で、それはまさにコブラ427の現代的な解釈ともいえるものだった。ボディ素材にアルミニウムを使用することで、軽量化を徹底したのも、パフォーマンスへの強い拘りだった。ちなみに当時のスペックシートによれば、このピュリタリア427の車重は1081kg。このウエイトに605psのスーパーチャージャー付きV型8気筒5リッターエンジンが搭載される。カスタマーにとってその走りは、十分に満足できるものだっただろう(排気量が427立方インチ=7リッターでなかったのは残念だったかもしれないが・・・)。

 

 

新作はイタリアン・クーペをモチーフに。

 

さて、間もなく開幕するジュネーブ・ショーで発表予定のニューモデルに話を進めよう。ピュリタリアのコンセプトは、やはりフォーリセリエ=少量生産車にある。街中で同じクルマとすれ違うことなど、ピュリタリアのカスタマーは絶対に許さないという強い決意が今回もまた彼らのクルマ造りには表れている。注目の生産台数は、前回の427と同様に150台のみ。

 

 

ジュネーブ・ショーを前にピュリタリアからは何枚かのティーザーフォトがリリースされているが、前回がコブラをモチーフとしたものであるのならば、今回のモデルは「ベルリネッタ」というネーミングからもイメージできるように、これまでイタリアの自動車文化を彩ってきた、華やかにして高性能なクーペモデルからのインスピレーションを得たモデルと考えるのが自然だろう。これまでに誕生したさまざまなベルリネッタがイメージされるが、ともあれ前後フェンダーの力強さ、さらにリアフェンダーにまで大きく回り込むテールランプなど、美しさとともにイタリアのベルリネッタらしい妖艶さを持ち合わせていることは、よく理解できる。

 

 

427の時代にはアルミニウムとスチールで製作されていたフレームは、このベルリネッタではセントラルタブにカーボンを、サブフレームにアルミニウム、サスペンションアームにはアルミニウムの削り出しパーツが使用されるまでになったという。ボディパネルも、もちろんカーボン製。インテリアのフィニッシュは、これもカスタマーの好みでさまざまな仕様にアレンジできるのだろうが、カーボンによる演出を加えることはもちろん可能になっている。インパネはシンプルなデザインだが、AIテクノロジーは最新世代のものと説明されている。

 

 

V8エンジン+2基のモーターを搭載する“イタリア最強のハイブリッド”

 

搭載されるパワーユニットは、ピュリタリア自身が“イタリア最強のハイブリッド”と呼ぶもの。現在の段階ではV型8気筒エンジンをフロントに、またリアには2基のエレクトリックモーターが搭載される見込みで、最高出力は965ps、最大トルクは1248Nmを達成するとのみ発表されている。またこのパワーユニットには、オンデマンドのエクストラ・パワー・システムが採用されており、それを作動させた場合には、さらに370Nmのエクストラ・トルクを発生させることができるという。

 

このような新興勢力からの新作、そしてそれに対抗するメジャーブランドの戦略・・・。ジュネーブ・ショーは今年も相当に刺激的な話題を世界に向けて発信してくれそうだ。続々とジュネーブから飛び込んでくるニュースに大いに期待したいところだ。

 

 

REPORT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)