アルファロメオ・ステルヴィオ・ディーゼル 初試乗! 活気溢れるフィーリングが好印象

公開日 : 2019/03/18 17:55 最終更新日 : 2019/03/18 19:11

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ALFA ROMEO STELVIO 2.2 TURBO DIESEL Q4

アルファロメオ ステルヴィオ 2.2 ターボ ディーゼル Q4

 

 

アルファこそディーゼル!?

 

旧くからアルファロメオを好む人にとって、SUVの「ステルヴィオ」はどのように映っているのだろうか? 個人的には、所有したことはないものの、アルファロメオには惹かれることが多かった。しかし、SUVのステルヴィオがデビューした時、「ついにアルファも!?」と、ぼやきそうになったが、すぐに「あ、いいかもしれない」と思ったのは事実だ。というのも、これまでSUVにはまったくといっていいほど興味がなかったのだが、最近のSUVは、どれもスポーティで活気があってSUVらしからぬものばかり。しかも、都市部の渋滞にはまることが多い自分にとって、目線の高いSUVのほうがストレスも溜まりにくいことから「次はSUVもありだな」などと思うことが多くなってきただけに、自然と興味が湧いてきた。

 

 

そんな矢先に、ステルヴィオのディーゼルモデルが上陸。アルファのディーゼルといえば、1997年に日本にも導入された「156JTD」を思い出す。これがまた好印象で、その出来の良さから“アルファロメオ×ディーゼル=○”という想い出も重なって、ステルヴィオに俄然、乗りたくなってきたのである。なぜなら、アルファロメオはコモンレールディーゼルエンジンの先駆者。日本ではあまり馴染みがないものの、実のところディーゼルエンジンは、もはやお家芸ともいえるほどアルファは得意としているからだ。

 

 

470Nmを発揮する直4ディーゼルターボ

 

今回、導入されたのは、2.2リッター直列4気筒ディーゼルターボを搭載する「ステルヴィオ 2.2 ターボ ディーゼルQ4」。最高出力210ps、最大トルクは470Nmを発揮し、語尾にも記されているように4輪を駆動する。実はこのパワー&トルクに注目すべきで、同時に導入されたスポーツサルーンの「ジュリア」にも同じディーゼルエンジン車が追加されているが、ジュリアの場合、同じ排気料ながら190ps&450Nmとステルヴィオよりも劣る設定がなされている。その狙いは明確にしていないが、おそらく車重の差を意識したものだろう。それだけ、アルファロメオは動力性能にこだわっている証しでもある。

 

何しろ、今さら珍しくもないのだが、このディーゼルエンジン、リッターあたり100psに迫る数値を示すうえ、パワーとトルク値の設定が絶妙。実際に乗ってみたところ、ディーゼルらしからぬスポーティな味付けによって、SUVに乗っているという感覚よりも“アルファロメオ”というキャラクターのほうが先立つから、お見事だ。

 

 

豊かなトルクに優れた回転フィール

 

まず、街乗りレベルから言えば、470Nmものトルクを1750rpmから得られる効果が大きく、とにかく扱いやすさが際立つ。ストップ&ゴーが多い都市部では、こうして低回転域から豊かなトルクが得られることはストレスが激減されるし、SUVという比較的、重い重量をもつ車体をひっぱるにも、自重をあまり感じずに済むのはありがたいほどだ。もちろん、これはステルヴィオに限ったことではないのだが、アルファのディーゼルの良いところは、回転フィールがスムーズ優な点。つまり、思いのほか、ディーゼルエンジンのわりには回転の上昇に不満が見当たらなく、極めて軽快に回る(レスポンスが良いという訳ではない)。8速ATのギア比も含めてその設定は秀逸だ。

 

 

とはいえ、ディーゼルエンジンの特有のエンジン音と振動は、最新の他社と比較してしまうと、劣るのは否めない。信号待ちなどでは、特にそれを感じられるし、回していってもディーゼル感が薄まることもなかった。しかし、そんなネガティブな部分をも帳消しにするのが、高回転域。といっても所詮は4000rpm程度までの話だが、3000rpmを超えたあたりからのパワーの活かし方が上手い。ディーゼルゆえにごく狭い領域だが、この部分に楽しさを演出しているから、アルファらしさが色濃くでていて実に好ましく思えた。

 

 

頼もしいシャシーと4WDシステム

 

それに加え、ステルヴィオの4WDシステムが基本リヤに重点をおいているのも楽しく思わせる理由のひとつ。走行状況に応じてフロントに最大50%、リヤに100%駆動させる設定だが、これだけのトルクがあるからシーンによってはスポーティさが得られるため、活発に感じられる。また、重心値もそれほど高くないうえ、エンジン単体重量が155kgに抑えられていることも影響しているのだろう、コーナーを曲がるにも安定感が高い。もっともこれは、フロントのダブルウイッシュボーンもさることながら、リヤのマルチリンク式サスペンションの効果が大きい。快適性を維持しながら、しっかりと踏ん張るような印象だ。ましてやハンドリングもシャープ! SUVであってもアルファ魂を貫くその姿勢は、さすがだ。

 

 

今回は、時間の制約があったことから、ワインディングなどでどれほどの動きをみせるのか試せなかったものの、街中と首都高を中心にテストした限りでは、“アルファのディーゼル、健在!”と言わんばかりの美点を見せてくれたのは、何よりも収穫だった。特に印象的ではないが、大人4人が十分に快適に過ごせる室内空間を確保できているし、ラゲッジルームも525リッターと広大。おまけに燃費は、平均16km/Lを誇り、市街地でも12.1km/Lというから文句はない。

 

 

これなら遠出して様々なシーンで乗りたくなりそうだ。ウインターテストもそうだが、ラフロードも試してみたいし、峠の名がついているだけに全開でワインディングを走ってみたくもなる。そう思わせるのもアルファロメオというブランドが成せる技だろう。なかなかダイナミックかつ痛快な“アルファらしい”4気筒ディーゼルエンジンである。

 

 

REPORT/野口 優(Masaru NOGUCHI)

PHOTO/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)

 

 

【SPECIFICATIONS】

アルファロメオ ステルヴィオ 2.2 ターボ ディーゼル Q4

ボディサイズ:全長4690 全幅1905 全高1680mm
ホイールベース:2820mm
トレッド:前1610 後1650mm
車両重量:1820kg

 

エンジン:直列4気筒ディーゼルターボ
総排気量:2142cc
ボア×ストローク:83.0×99.0mm
圧縮比:15.5
最高出力:154kW(210ps)/3500rpm
最大トルク:470Nm/1750rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD

 

ステアリング形式:電動アシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前後235/60R18

 

車両本体価格:617万円(税込)