ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングが進めるカーボン技術の今と未来

2019/03/11 07:55

Williams Advanced Engineering

ウィリアムズ アドバンスド エンジニアリング

 

 

カーボン製品をリード

 

1977年にF1GPに参戦して以来、9回ものコンストラクターズチャンピオンシップを獲得している名門チーム「ウィリアムズ」。このウィリアムズというチームの面白さは、セミ・オートマチックミッションを始め、先進的な技術をほかのチームに先がけて導入するなど、F1の世界における技術の進化を常にリードする存在であることだろう。

 

現在のウィリアムズは、新技術の研究開発に特化した2010年に設立されたウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングと分社されており、F1やフォーミュラEで得られたさまざまなデータをもとに、エンジニアリングから改良パーツなどを開発している。

 

ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングの活動は幅広い。フォーミュラEでは、初年度からウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングが製造したバッテリーをワンメイクで使用し続けてきたし、カーボン製品は自動車用に限らず、さまざまなジャンルでその開発や生産に取り組んできた。カーボンは軽量性や高剛性、そしてデザインの自由度など、ほかのどの金属素材よりも可能性を秘めている。

 

 

カーボンのリサイクル技術にも積極的

 

ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングのチーフ・テクノロジー・スペシャリストはこうコメントしている。

 

「先進技術へのアプローチで、重要な産業へ貢献する新しいビジネス、大きな発達が見込まれる領域を、我々は見出すことができました。それを成功させる自信というものが我々にはあります」

 

「CFRPは、とても魅力的な材料です。例外的な強さ、疲労から破壊へと至る一連のプロセスの長さ、あるいは環境性能など、多種多様な産業がCFRPを選びます。これは特に自動車に関係することです。ますます厳しくなる燃費規制や排出ガス規制に対応して、車体を軽量化するためにCFRPが使用されます。そのほか、鉄道から風力タービンなど、CFRPの長所は多くの範囲に及びます」

 

 

「自動車から航空宇宙産業まで、CFRPの使用範囲は拡大されていますが、今度はそれをリサイクルするという問題に迫られます。製品寿命の終わりに、材料から価値を見つける最も簡単な方法はそれを焼却して熱を取るということですが、これからのリサイクルに関しては、もうワンステージ上を考えるべきです。ちなみに自動車の場合、従来の合成技術で生産されるホワイトボディはスチールで製造されていますが、例えば20倍のコストを支払っても60%の軽さにしかなりません」

 

次世代におけるカーボンへの取り組み

 

ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングは、今後よりCFRPという素材の利益の鍵を開けるために、これからの挑戦について次のように述べている。

 

「我々は、専門知識をエネルギー管理、流体力学、熱力学に集中し、軽量化を推進していきます。効率向上のためのツールとして、これらのすべては非常に大きなシナジー効果を生み出してくれるでしょう。我々は、多くのフォーミュラEやF1の成功から学んできたなか、広範囲にわたるセクターの向こうで、国際的な社会のために難しい問題を解決し、次世代における、より簡単なカーボン技術を開発し、高く評価されるメーカーのいくつかとともに働いていくことになるでしょう」

 

 

TEXT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)