ピニンファリーナ バティスタ 完全解説。1900psを誇るハイパーEVを分析する

Pininfarina Battista

ピニンファリーナ バティスタ

 

 

現在のピニンファリーナとは?

 

ピニファリーナの、現在の会社としての成り立ちを解説するのはやや難しい。まず基礎知識としておかなければならないのは、ピニンファリーナ・デザインハウス社と、アウトモビリ・ピニンファリーナ社の関係。前社はその社名が物語るように、自動車に限らずさまざまなクライアントにデザインを提供する会社で、現在はインドのマヒンドラ・グループがその親会社となる。一方のピニンファリーナ・アウトモビリは、純粋に自動車をビジネスのコアとするメーカーと考えていいだろう。ちなみに今年のジュネーブ・モーターショーには、ピニンファリーナとアウトモビリ・ピニンファリーナのブースがあり、そこには世界を驚愕させるEVスーパースポーツの姿があった。

 

 

自社ブランドのためのデザイン

 

ピニンファリーナが「PF0(ピニンファリーナ・ゼロ)」のコードネームを掲げて、EVスーパースポーツを開発しているという噂は、かなり以前から耳にしてきた。そもそも長くフェラーリのプロダクションモデルをデザインし、その中には名作と呼ばれるモデルも数多く残してきたピニンファリーナ。彼らがピニンファリーナという自社ブランドのために、どれほど魅力的なデザインを生み出すのかは、結果を見なくとも明らかだった。

 

 

「バティスタ」とは創始者の名

 

そのニューモデルには「バティスタ」というネーミングが与えられることになった。これはピニンファリーナの創始者である、バティスタ・ピニン・ファリーナの名前に由来するもの。その流麗なデザインはきわめて魅力的で、長年にわたってスーパーカーのエアロダイナミクスを独自の風洞実験装置で検証し続けてきたピニンファリーナにとっては、ダウンフォースに象徴されるボディが生み出す性能についても徹底的な検証が施された結果の造形といえるだろう。

 

 

左右のドアはルーフの一部とともに上方に向かって跳ね上るデザイン。ボディサイドやルーフを流れるラインの滑らかさは特に秀逸で、アジャスタブルタイプのフラップを備える二分割形状のテールエンドには、デザインの世界においては常に必要不可欠な新しさというものが強くアピールされている。

 

 

大型ディスプレイを左右に配置

 

キャビンはドライバーの機能性を重視した設計だ。デジタルインストゥルメントクラスターのほかに、大型のデュアルディスプレイを採用。右側のディスプレイは、ナビゲーションやインフォテインメントシステムを使用することができる。

 

最高出力1900ps&最大トルク2300Nmを誇る4モーターEVシステム

 

注目のパワーユニット開発は、EV技術でポルシェなどとも提携関係にある、リマック社との共同で行われた。バッテリーはフロア下とトンネル部分に120kWh分のバッテリーパックを搭載。これで各ホイールに組み合わされる4基のエレクトリックモーターを駆動。最高出力は実に1900psに及び、最大トルクは2300Nmに達するというから、これはEV界におけるブガッティと評しても過言ではないほどの性能だ。参考までにその運動性能を紹介しておくと、0→100km/h加速は2秒以内、最高速度は350km/hを実現する。航続距離は450kmだ。

 

 

生産台数は150台

 

150台が限定発売されるピニンファリーナ・バティスタ。その販売は2020年中には開始される予定だが、アウトモビリ・ピニンファリーナは、北米、ヨーロッパ、アジア、中東のそれぞれで、50名ずつのカスタマーをセレクトする予定だ。すでに昨年夏のペブルビーチ・コンクール・デレガンスが行われた週末には、優良なカスタマーを招いた内覧会も行われたというから、セールスへの準備は万全といったところだろう。今度はカリフォルニアの太陽の下で、その姿をじっくりと鑑賞したいものだ。

 

 

REPORT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

 

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