ロールスロイス、過去最高のセールスを記録

「カリナン」の成功により前年対比22.2%増

 

ジュネーブ・ショーに、プレミアム・ブランドの頂点を極めるブランドともいえる、ロールスロイスが戻ってきた。言葉を変えるのならば、今年のジュネーブには、彼らは戻ってこなければならなかったともいえるだろう。なぜならロールスロイス・モーター・カーズ社が昨2018年に達成したセールスは、115年間の歴史の中で最高の数字となる4107台。対前年比は22.2%増という結果だった。この販売実績の数字には、もちろんロールスロイスとしては初となる、SUVの「カリナン」が大きく貢献しているのは確かだが、そのデリバリーが年間を通じて行われることになる2019年にはどのような数字が残されるのか。その期待は大いに膨らむ。

 

ジュネーブ・ショーのプレスカンファレンスで、その檀上に立ったトルステン・ミュラー・エトヴィシュCEOは、ロールスロイスが成功を収めた最大の理由をカスタマーが望むすべてを可能にするために努力したことだとコメントした。これはチャールズ・ロールスとヘンリー・ロイスという、創始者によって定められた同社の哲学。ロールスロイスのメカニックや職人は、カスタマーのニーズや欲求に応えるために集中し、そして本社のあるイギリス、ウエストサセックス州のグッドウッドには、毎日世界中から多くのカスタマーが訪れ、尊敬の眼差しを向けるのだという。そして今回は、ロールスロイス自身が最高のプロダクトともいえる、何台かの作例とともに、ここジュネーブ・ショーにブースを構えてみせた。

 

 

唯一無二の高級車「ファントム」も新世代に

 

まず注目されたのは、フルモデルチェンジを受けてニューモデルへと進化したフラッグシップの「ファントム」だ。ファントムは、新世代のスペースフレームを採用するなど、完全に新世代へと生まれ変わったロールスロイスのフラッグシップモデルだが、ミュラー・エトヴィッシュCEOが強調したのは、それが高級車としてどれだけ魅力的な性能をもつものなのか、とりわけ静粛性の向上にどれほどこだわったモデルなのかを自ら確認してみてほしいということだった。またフロントシート前に備えられるギャラリーには、カスタマーが好みの画像を映し出すことが可能。騒がしいモーターショーの会場でも、ドアをクローズすればまさに別世界のような空間をファントムでは作り出すことが可能なのだ。

 

 

2ドアモデル「ドーン」と「レイス」も好調

 

「ドーン」と「レイス」という2ドアモデルの人気もロールスロイスのセールスには欠かせないという。とりわけアウトドア指向の強いカスタマーにとって、オープンエアが楽しめるドーンは魅力的なモデル。また、市場別ではアメリカが、やはり圧倒的に人気の市場となっている。そして2019年のセールスが最も楽しみなのが、ロールスロイス初のSUVとなった「カリナン」だ。今回のジュネーブでは、カリナンのビスポークモデルが初公開され、2019年のセールスをさらなる成功に導くことの自信に満ち溢れていた。

 

 

現行「ゴースト」は間もなくフルモデルチェンジ

 

もうひとつ残るロールスロイスのプロダクト「ゴースト」は、デビューが2009年だから、そろそろフルモデルチェンジのタイミングが迫っている。さまざまな場所でスクープされている画像では、そのスタイルはややクーペ風だが、ロールスロイス伝統の快適な乗り心地は変わることはないだろう。それはかつてロールスロイスが製作した、パフォーマンス重視のモデル、ブラックバッジ・シリーズの仕上がりを振り返っても間違いのないところ。ロールスロイスのフルラインナップが新世代で統一される日が今から楽しみである。

 

 

TEXT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)