【名作スーパーカー100選】File.04「ジャガー XJ220」

JAGUAR XJ220

ジャガー XJ220

 

 

非公認のプロジェクトからスタート

 

多くのスーパースポーツがそうであるように、この「ジャガーXJ220」もまた、最初から正式に会社から認められたプロジェクトではなかった。

 

「このようなスーパーカーがあればきっと面白い・・・」

 

そして、それはジャガーというブランドの存在を、さらに広く世界に知らしめることができるに違いないと考えた社内の有志が、あくまでも個人的なプロジェクトとして開発を始めたというのが実際の始まりだ。

 

 

最高速度と生産台数を記した「220」

 

そのスーパーカーは、まずプロトタイプとして、1988年のバーミンガム・ショーに持ち込まれた。地元イギリスはもちろんのこと、世界各国から訪れたメディアやゲストの反応はきわめてポジティブで、ジャガーも最高速度220マイル(約354km/h)を狙う、このスーパーカーの生産化を考えなければならない必要に迫られた。搭載エンジンは、ジャガーの、そして高性能車の象徴ともいえるV型12気筒。生産台数はXJ220のネーミングに合わせて、220台とすることも決定された。

 

 

220台の生産台数は、ジャガーとしてはかなり自信に満ち溢れたものともいえたが、それはバーミンガム・ショーでの反応、そして実際にそこで購入の意思を伝えたカスタマーの数を考えれば無理とはいえなかった。だがここから徐々に、XJ220プロジェクトはジャガーの意思に反した変化を見せていくようになっていく・・・。それでもジャガーは成功を疑わなかった。

 

 

ジャガーらしいラグジュアリーなスーパーカー

 

ジャガーにとって初のミッドシップ12気筒プロトタイプレーシング「XJ13」にインスパイアされたともいえるそのボディは、実に流麗で美しく、またインテリアも高級なレザー素材を多用したラグジュアリーなフィニッシュで魅了した。スーパーカーとはあくまでもオンロードを走ることを前提にしたものだということを証明するデザインと快適性が、このXJ220にはあった。それは他社の製品にはない、ジャガー独自の世界だった。

 

 

生産型は3.5リッターV6ツインターボを搭載

 

搭載エンジンはプロトタイプから大きく変わった。プロトタイプで搭載されたのは、6リッター仕様のV型12気筒で、そのトルクは前後輪の両方に伝わる計画だったが、生産型では3.5リッターのV型6気筒ツインターボに変更、駆動方式もRWDへと改められた。それでも最高出力は550psに達し、5速MTとの組み合わせで、0→100km/加速を3.9秒、最高速度はジャガーが生産型XJ220で公約した220マイルには若干ながら届かなかったが、216マイル(約347km/h)に達した。

 

 

景気低迷のため販売は不調に・・・

 

XJ220は1991年の東京モーターショーで生産台数を350台として、プロダクション仕様のワールドプレミアを行った後、翌1992年からセールスを開始。しかし、この時はすでに世界の景気は低迷期を迎えており、スーパーカーの世界では新参者ともいえたジャガーXJ220のセールスは、残念ながら好調には推移しなかった。生産は1993年まで続けられるが、この間に販売されたXJ220は275台にすぎなかったという。しかし、これからコレクターズ・アイテムとしての価値は、さらに高まりそうな雰囲気だ。オークション・シーンでは、ぜひ注目しておきたい1台といえる。

 

 

文/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

 

 

【XJ220 ギャラリー(生産型)】

 

【XJ220 プロトタイプ】