ケーニグセグ ジェスコ 完全解説!1600psを誇る最新スーパースポーツを紐解く

2019/03/19 17:55

Koenigsegg Jesko

ケーニグセグ ジェスコ

 

 

新作「ジェスコ」は125台の限定

 

1994年にスウェーデンに誕生したケーニグゼグ・オートモーティブ社は、昨年創立25周年を迎え、もはやスーパーカーのファンの間では、その存在を知らない者は皆無に近くなった。ブガッティとの最高速争いや、メガ・カー(1メガワットが1341.02psに相当することから、1メガワットを超える性能をもつエンジンを搭載するモデルをこう呼ぶようになった)の登場、あるいはスマートフォンを操作するだけで、ボディパネルのクロージングを完全自動で行うロボタイズド・システムの実用化、レゲーラでPHEVのシステムを搭載したこと等々、この25年間の間にケーニグゼグは、実にさまざまな話題をジュネーブから世界に発信してくれた。

 

 

そして、この極北のスーパーカーメーカーとも、孤高のスーパーカーメーカーとも例えられるケーニグセグは、今回のジュネーブ・ショーで自らの25周年を祝するという意味もあったのだろう、これまでのアゲーラに続くニューモデルを披露した。「Jesco(ジェスコ)」とネーミングされたこのモデルは、今後125台が限定生産される見込み。ちなみにネーミングのJescoとは、ケーニグゼグ社の代表であるクリスチャン・フォン・ケーニグゼグの父である、ジェスコ・フォン・ケーニグゼグの名前に由来するもの。創業時から長年にわたり経営をサポートしてくれた父へのプレゼントだという。

 

 

レーシングモデルにも通じるエアロデバイス

 

ボディデザインは、前作のアゲーラと比較すると、さらに洗練さが増した印象だ。優秀なエアロダイナミクスを得るためにボディを水中生物のシルエットから得るというデザインコンセプトは今回も変わっていない。デザイン面での見どころは、やはり大きく湾曲したフロントウインドウとサイドウインドウとの組み合わせによるウインドウグラフィック、そして大型のリアウイングといったところだろうか。実際にジェスコの姿を仔細に観察すれば、そこには最新のレーシングモデルにも通じる、さまざまなエアロデバイスが導入されていることがわかる。また、このジェスコではドアやエンジンフードなど、すべてのパネルをスマートフォンや専用リモコンで開閉することが可能となっているのも特徴だ。

 

 

インテリアはスカンジナビア・デザインの極み

 

インテリアはさらに魅力的なデザインになった。操作系で大きな意味をもつのは、ステアリングと同時に回転するタッチスクリーン・ディスプレイとセンターコンソールの5インチ・スマートクラスター、ステアリングホイールにフィットされるデジタル・インストゥルメント・ディスプレイなど。シートやトリムも洗練されたデザインで、言い尽くされた言葉ではあるが、スカンジナビア・デザインのもつ機能性を改めて感じさせられる。スリーサイズがアゲーラからさらに拡大されたジェスコは、移動空間としてもさらに快適さを増している。トリプレックスダンパーを前後に装備したことで、走行中の乗り心地が大幅に改善されたことも注目したいところだ。

 

 

E85を使用すれば1600psを発揮!

 

ジェスコがミッドに搭載するエンジンは、ケーニグゼグ自製の5リッターV型8気筒DOHCツインターボ。通常のハイオクガソリンを使用した場合、最高出力は1280psに達するということだが、E85バイオエタノール燃料を調達することができる場合には、最高出力を1600psにまで増強することができる。燃焼速度の遅いE85燃料は、それゆえにノッキングの起きにくさなど、さまざまなメリットがあり、高出力を得るには魅力的な燃料。また、ケーニグゼグは20個のカーボン製エアタンクを装備して、エア駆動する小型電動コンプレッサーにリンクすることでターボラグの解消や大幅なブーストアップも可能にしている。

 

 

独自開発したトランスミッション「LST」

 

このエンジンに組み合わされるトランスミッションも面白い。それはケーニグゼグが自社開発したLST=ライト・スピード・トランスミッションと呼ばれるもので、9速のマルチクラッチユニットをもつもの。DCTとは異なり、隣のギア以外でも狙ったギアにそのままシフトできるメリットをもつ。しかもそのウエイトはわずか90kg。ケーニグゼグの技術は、確実に進歩を遂げている証しだ。

 

ケーニグゼグの情報によれば、125台のジェスコは、すでにそのすべてがソールドアウトであるという。もはや最近では、このようなインフォメーションにも驚きを感じなくなった。

 

最高速度482km/hを誇るジェスコ。いつか日本の地で見てみたいものだ。

 

 

REPORT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

 

 

【SPECIFICATIONS】

ケーニグセグ ジェスコ

ボディサイズ:全長4610 全幅2030 全高1210mm

ホイールベース:2700mm

乾燥重量:1320kg

車両重量:1420kg

 

エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ

総排気量:5.0リッター

ボア×ストローク:92×95.25mm

圧縮比:8.6

最高出力:955kW(1280ps)/7800rpm

※E85:1195kW(1600ps)

最大トルク:1500Nm/5100rpm

トランスミッション:9速LST

 

サスペンション:前後ダブルウイッシュボーン

ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク

タイヤサイズ(リム幅):前265/35-20(9.5J) 後325/30-21(12J)

 

最高速度:482km/h