新型ストラトス 誕生物語 Vol.03「スペック確定」

公開日 : 2019/03/24 17:55 最終更新日 : 2019/07/20 23:57

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New STRATOS

ニューストラトス

 

 

オリジナルよりもひと回り大きいサイズ

 

ニューストラトスのホイールベースは、これまで解説しているように2400mm。またトレッドは、フロントが1688mm、リアが1701mmという数字である。これをオリジナルのランチア・ストラトスと比較してみると、ホイールベースが220mm増、トレッドがフロント/リアでプラス225mm/244mm増という結果になる。

 

ここであらためて驚かされるのは、ホイールベースとトレッド比で、ランチア・ストラトスの場合は、トレッドを前後の平均値で計算すると1.42という驚異的な数値が得られる。それはあくまでもレースやラリーでの競争力を高めるために誕生した特別なマシン。ストラトスを直線で走らせることの難しさを知る者は、その特異性を簡単に話すことができるに違いない。

 

 

フェラーリ同様の走行モード

 

430スクーデリアを基本としつつも、ほぼ新設計となったアルミニウム製のスペースフレームには、ベース車両と同様にマグネティックコントロールダンパーを装備し、ダブルウイッシュボーン形式のダンパーが前後に組み合わされる。元となったフェラーリではマネッティーノと呼ばれるステアリングホイール上のスイッチで走行モードを変更すると制御が変わるが、ストラトスも同様にそのシステムを受け継いでいる。

 

 

スプリングはフロントで90Nm/mm、リアが160Nm/mm。数字から想像する印象としては、ロードモデルとしてはかなり締められたハードなセッティングと考えられる。ちなみにこの一連のサスペンションチューニングには、現在ではZFグループにあるアイバッハが関係している。

 

 

信頼のシャシー周り

 

センターロック形式のホイールは、フロントが9Jサイズで、リアは11J。組み合わされるタイヤは、フロントに265/30ZR19、リアに305/30ZR19のミシュラン製のパイロット・スポーツ2とリリースにはあるが、最新の段階ではどのブランドを選択しているのかは不明。いずれにしても選択の幅は広くないサイズではある。

 

ブレーキは、フロントに398mm径、リアに350mm径のブレンボ製カーボンディスクを採用。キャリパーはフロントが6ポット、リアが4ポットとなり、430スクーデリアのABSシステムをコアに、さまざまな制御を行うボディコントロールデバイスも、そのまま流用されている。もちろん、長期間に渡るテスト走行でも、その信頼性が問題になるようなトラブルは発見されなかった。

 

 

540ps&519Nmを発揮するV8自然吸気エンジン

 

ミッドに搭載されるエンジンは430スクーデリア同様、4308ccのV型8気筒自然吸気ユニット。最高出力は430スクーデリアよりもさらに30psパワーアップされ、540ps/8200rpmを出力。また最大トルクは519Nm/3750rpmが発揮される。エンジンの搭載位置はホイールベースが短縮された分だけ、後方からキャビンに接近してきたというのが最も簡単な表現だろう。

 

 

吸排気システムも当然、このニューストラトスのために新設計され、最短60mm秒で変速が可能なF1マチックとの組み合わせで、まさに“爽快”という言葉がぴたりとくるほどの加速が実現されているという。

 

参考までにニューストラトスの0→100km/h加速は3.3秒。これは430スクーデリア比で0.3秒ほど短縮された数値だ。最高速度こそ274km/hと、ベース車両の320km/hに対しては大きな差をつけられてはいるものの、ニューストラトスが目指す“速さの質”を考えれば、十分に理解できるところだろう。

 

 

文/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)