フェラーリ P80 / C 初公開! 488 GT3ベースの最新ワンオフモデル

公開日 : 2019/03/28 11:55 最終更新日 : 2019/03/28 11:55


Ferrari P80 / C

フェラーリ P80 / C

 

 

「330 P3 / P4」と「ディーノ206 S」へのオマージュ

 

フェラーリはスポーツプロトタイプカーをオマージュしたワンオフモデル「P80 / C」を発表した。クライアントからの具体的なオファーを形にすべく、チーフデザイナーのフラビオ・マンツォーニの指揮のもと、フェラーリ・スタイリング・センター、エンジニアリング部門、そしてエアロダイナミクス部門が協力し、非常にユニークな世界に1台だけの“ヒーローカー”を造り上げた。

 

今回のクライアントは、世界的なフェラーリコレクター、そしてフェラーリ愛好家一家のひとりして知られている人物で、非常に豊富な知識をもつことで知られている。彼は、この情熱と革新を必要とするプロジェクトにおいて最適なパートナーとなった。そして、そこで求められたのは、フェラーリの象徴的なモデルにインスパイアされた、モダンなスポーツプロトタイプを製作すること。オマージュされたのは「330 P3 / P4」と1966年式「ディーノ206 S」だった。

 

 

過去の再現ではなく、現在のクルマであること

 

「P80 / C」の開発に際し、フェラーリ・スタイリング・センターは、「これまでのフェラーリのラインアップには存在しなかった、新しいモデルを造り上げること」を目標に掲げた。凹面と凸面複雑に組みあわせることで筋肉質なフェンダーラインを形成。このフェンダーラインで象徴的なモデルの官能的なフォルムを再現しつつ、過剰に過去へのリスペクトと向かわず、現在のクルマであることにこだわったという。

 

その過程で意識したのは、モータースポーツを戦うスポーツプロトタイプと、市販モデルの密接なリンクだった。その良い例が「ディーノ206 S」と「ディーノ206/246 GT」の関係だ。どちらのモデルも同じDNAを共用しながら異なるスタイリング言語でデザインされている。「ディーノ206 S」はそれがレース用装備で表現され、「ディーノ206/246 GT」は市販車としての洗練さが表れている。

 

 

2015年にスタートした長期開発プロジェクト

 

「P80 / C」プロジェクトがスタートしたのは、2015年。ワンオフモデルのプロジェクトとしては、これまでで最も長い時間がかけられた。この非常に長い開発期間が設けられた理由は、パフォーマンスパラメータの綿密な分析、集中的な空力テストによる徹底的なスタイリングの検討、そして長期にわたる技術開発の結果である。これらはすべて、過去のワンオフモデルの開発でフェラーリが行ったアプローチとは明らかに異なっている。

 

通常、この種のワンオフモデルは現行車種を再解釈したものになりがちだが、今回の「P80 / C」は既存のプラットフォームをベースしながらも、まったく異なるエクステリアを造り上げることがテーマ。それは、イタリアのコーチビルダーの歴史そのものとも言えるだろう。かつて同じシャシーを使いながらも異なるコーチビルダーが手がけることで、まったく違うボディをもつ車種がいくつも生まれている。

 

 

ベースモデルに選ばれたのは「488 GT3」

 

「P80 / C」はトラックカー、つまりサーキット専用車として開発された。そのため市販モデルに必要な安全規定を考慮せずにデザイナーはペンを走らせることができた。ヘッドライトが取り払われたのも、その一例である。一方、サーキット走行で必要とされるテールライトは、リヤセクションに組み込まれている。

 

主眼となったのは走行パフォーマンスであり、開発陣はベースモデルに大きな変更を加える決断をした。ベースとなったシャシーは「488 GTB」よりも50mm長いホイールベースをもつ「488 GT3」を選択。

 

フロントからサイドにかけては、ウェッジシェイプが取り入れられた。筋肉質な前後フェンダー、印象的なサイドエアインテーク、キャビンとボディが一体化したデザインに加えて、ラップアラウンドウインドスクリーンを採用することで、かつてのスポーツプロトタイプの存在を匂わせている。これらのデザイン上の特徴は「330 P3 / P4」だけでなく、「ディーノ」や「250LM ベルリネッタ」へのオマージュでもある。

 

 

F1で採用された「Tウィング」のアイディアを導入

 

エアロダイナミクスの開発は「488 GT3」で得られた経験がベースとっているが、いわゆるモータースポーツのレギュレーションによる規制がないため、自由なデザインが許されることになった。

 

フロントスプリッターのスペック、リヤディフューザのボルテックスジェネレータは「488 GT3」のデーターが活かされているが、外観は完全に「P80 / C」専用のもの。今回、2017年のF1グランプリで導入された「Tウィング」からインスパイアした空力プロファイルも採用する。

 

エンジンカバーの凹型リヤウインドウスクリーンとアルミ製ルーバーは「330 P3 / P4」から取り入れられた。巨大なディフューザーやカーボンファイバー製リヤウィングと共に、ひと目で「P80 / C」と認識できる特徴的なデザインアクセントとなっている。

 

 

インテリアはベースの「488 GT3」を踏襲

 

インテリアに関しては、ロールケージが組み込まれた「488 GT3」が、ほぼそのまま残されている。ボディの多くはカーボンファイバー製となっているが、機能を強調する部分のみにカーボン地が残された。ボディカラーは、クライアントの希望で明るい「ロッソベッロ(Rosso Vero)」が選ばれている。