マクラーレン600LT 日本上陸! 官能的かつ哲学的な走りに感動【動画レポート】

2019/04/18 17:55

McLaren 600LT

マクラーレン 600LT

 

 

本気を意味する「LT」

 

マクラーレンの勢いが止まらない。最新作「600LT」に乗ってそう確信したのは紛れもない事実である・・・。

 

この600LTとは、マクラーレンがラインナップするスポーツシリーズ中、トップモデルとして位置づけされるものだが、期間限定としてリリースされる特別仕様車。語尾の“LT”とは“ロングテール”の略で、かつての名車「F1」ロードカーのコンペティションモデル「F1 GTR」がロングテールをもっていたことに由来する、いわばパフォーマンスに特化した“サーキット寄りのロードカー”ということを意味する。

 

 

ベースとなっているのは、570S。しかし、600LTは、ベース車両を思わせないほどのアプローチで造り込んでいるのが特徴だ。

 

まず、マクラーレンが特異とするエアロダイナミクス効果を活かすために、より高速域での性能と安定性を狙い、リヤオーバーハングを47mm延長、デュフューザーも大型化したうえ、リヤウイングを与えた。そして、フロントのスプリッターも拡大させたほか、ミッドに搭載されるV型8気筒ツインターボエンジンもパワー&トルクを30ps&20Nmほど強化したうえ、ボディの一部にカーボンを、サスペンションアームやホイール、シートに至るまで軽量なパーツに変更するなどして、100kgのダイエットまで行っている。

 

 

こうした手法は、もはやマクラーレンのお家芸だ。過去にスーパーシリーズの650Sをベースにした「675LT」で展開した内容とほぼ同じと言えるが、ひとつ確実なのは、“ロードカーとして”という前提が重要だということ。つまり、サーキットにおける走行性を重視しつつも、公道での使用をさらに重要視して造られているところだろう。

 

600LTに展開されたマクラーレンの哲学

 

昨今、こうしたスーパースポーツカーは少なくない。跳ね馬にしても猛牛にしても、限定車であっても快適性をも備えている。これは最新のレーシングマシンも同様。乗りやすくしなければ、超高速域での走行と激しいGが連続する中でドライバーは耐えられなくなるから当然といえばそれまでなのだが、マクラーレンが違うのは、極めてシンプルかつ秀逸な手法で、それを実現している点にある。即ち、それはまず、何らかの電子デバイスを用いて高い空力効果を狙っても重量が増加しては意味がないという点。そして、過剰なパワーアップを図るくらいなら、1グラムでも軽く造ることを重視していることだ。

 

 

それは乗ってみれば明らかに分かる。最初の思い知らされるのは、その軽さ。乾燥重量でわずか1247kgという数値もさることながら、それよりも実感としては軽く感じられ、常に軽快感が伴うのだが、それに加えてミッドに搭載されるV8ツインターボのパンチ力が重なるから極めて俊敏。デュアルクラッチ式7速ギアボックスの変速も素早いとあって、0スタートからの加速力がとにかく凄まじい。何しろ0→100km/hまで2.9秒である。ライバル勢もほぼ同じ数値をカタログで提示しているが、個人的にはそれ以上に思えたのは本当だ。

 

しかし、これはほんの序の口。走り慣れたワインディングを中心に試してはみたものの、おそらく私が経験した中でも最高の部類に入るのがコーナリング性能である。しかも、極めてコンベンショナルに、だ。それはまさにレーシングマシンのそれに近いと思えるほどで、路面とのコミュニケーションがリアルすぎるほどにダイレクトに味わえる。ちょっとした凹凸はもちろん、わずかに切り増すシーンなどでもリニアに反応し、タイヤのグリップなども手足の一部のようにわかる。

 

 

高いリアリティをもちながらも快適性に富む

 

それでいて、乗り心地が悪くないから不思議だ。スプリングレートは、ベースとなった570S比で、フロントで13%、リヤは34%も上げられているほか、前後のアンチロールバーも50%&25%高くなっているにも関わらず、不快な突き上げ感が一切ない。もちろんサスペンションストロークの長さも功を奏しているに違いないが、それでもここまで乗り心地を確保できているとは・・・。ましてやタイヤはピレリ Pゼロ トロフェオR。いくらステアリングフィールを見直しているからといって、ごまかせる範囲ではない。

 

そう関心しながら、さらに攻め込んでいくと慣れも重なり、車両との距離感が縮まっていき、より一層の一体感が得られるようになる。これはイイ! 人馬一体とはまさにこれだ! と、攻めながらひとりほくそ笑んでしまうほど、ドライビングが楽しくなってくる。

 

 

ブレーキ性能にも現れる600LTの優位性

 

そして、コーナーをクリアしていく毎に、自ずとペースは上がってしまうのだが、こうして安心して攻め続けられるのは、何よりもブレーキ性能が優れているからだ。いや、正確に表現するならブレーキスタビリティが凄まじく優秀だからだ。しかも制動距離が短く、ダイレクト感が伴う。踏んだ量に対する効き具合もリアルそのもので、狙い通り正確にブレーキコントロールできるから、ギリギリまで加速を続けられる。

 

さらに言うなら、スタビリティの高さや、トラクション性の優位性も挙げられるが、何よりもコーナーとコーナーを結ぶ一瞬のストレートでも空力の高さを実感できたのは、とにかく驚きに値する。コーナリング中もそうだが、速度域が上がれば上がるほどに路面に吸い付くようにダッシュを続け、わずかにステアリングを切れば、確実に応答するその様は、公道で走らせることを申し訳なく思えてくるくらいだ。

 

 

 

自然吸気にも近いフィールをもつV8ツインターボ

 

エンジンフィールにしてもそう。600psのパワーに、620Nmのトルクは、ターボエンジンゆえにパンチ力に溢れるが、正直、自然吸気にも近い回り方をするから胸がすくような加速を味わえる。ターボカーでここまでのフィーリングをもったエンジンは、そうそうない。おまけにエンジンサウンドもお見事! 高揚感と相まって、ドライバーを急き立てるように促す傾向が強いから、オーナーは十分に気をつけたほうがいいだろう。洒落にならないレベルである。もはやこれは、ロードカーとレーシングマシンを融合した“ロード・マシン”と呼びたくなる仕上がりだ。

 

それだけに本領を知りたいならば、やはりサーキットしかステージはないのは確かなのだが、しかし、こうして公道でも楽しませてくれるのだから、最新のマクラーレンは気が利いている。だからこそ、乗り心地への配慮も感じられるのだろう。

 

 

サーキットから日常でも使える巧みなバランス感

 

“サーキット寄りのロードカー”とはいえ、これなら粋なスーツを着て出かけられる気がする。GT=グランドツアラー的なウリ文句はないものの、それも許容範囲として造られているような、そんなバランス感をもっているのも600LTの良さだ。スパルタンなコクピット周りではあるものの、想像するよりも質感は高く、高級感の演出も見られる。

 

確かに販売台数が年々増加するのは頷ける。このままいけば、マクラーレンが掲げる年産6000台は夢ではなさそうだ。それだけ、惹かれるスーパースポーツカーであるのは間違いないだろう。贔屓目なしに、本気で“ヤバイ”1台である・・・。

 

 

REPORT/野口 優(Masaru NOGUCHI)

PHOTO & MOVIE/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)

 

 

 

 

 

【SPECIFICATIONS】
マクラーレン 600LT
ボディサイズ:全長4604 全幅1930 全高1194mm
ホイールベース:2670mm
トレッド:前1680 後1591mm
乾燥重量:1247kg
エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:3799cc
最高出力:441kW(600ps)/7500rpm
最大トルク:620Nm/5500〜6500rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:RWD
ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式:前後ダブルウイッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
ローター径:前390 後380mm
タイヤサイズ(リム幅):前225/35R19(8J) 後285/35R20(11J)
最高速度:328km/h
0→100km/h加速:2.9秒
0→400m/h加速:10.4秒
車両本体価格:2999万9000円(税込)〜

 

 

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