メルセデス・ベンツ初のコンパクトディーゼル「A200d」は、快活でスポーティさが魅力!

Mercedes-Benz A 200 d

メルセデス・ベンツ A200d

 

 

最新のクリーン性能をもつディーゼルを採用

 

「ハイ、メルセデス!」の声と共に機動する対話型インフォテインメントシステム(MBUX)で話題をさらったAクラス。そのラインナップに、日本仕様としては初となるディーゼル・ユニット搭載モデル「A200d」が加わった。

 

今回の主役となるエンジンは、型式「OM654q」と呼ばれる直列4気筒直噴ディーゼルターボだ。これはC/Eクラスでも実績のある「OM654」ユニットを横置き搭載したもので、1950ccの排気量から最高出力150ps/最大トルク320Nmの出力を発揮することでも分かる通り、1.4リッター直噴ターボ(136ps)を搭載する「A180」の上位機種として設定されるのがひとつの注目ポイントである。

 

 

世界初となるユーロ6d基準を満たすクリーンディーゼル

 

このユニットをおさらいすると、環境性能的には低圧・高圧用にふたつのEGR(排気ガス再循環装置)を備え、NOxを低減。DPF(PM用フィルター)にSCRコーティングを行い、PMだけでなくNOxも処理できるパティキュレートフィルターを採用。さらにふたつのSCRとACR(アンモニア排出防止装置)を付けるなどして、環境性能に備えている。ちなみにこのユニットは2020年に始まるユーロ6dの基準を既に満たしており、ディーゼル・ユニットとしては確認する限り現状世界初だという。

 

ここに組み合わされるトランスミッションはA180と同じDCTだが、上級仕様よろしくギヤはひとつ増えて8速ATとなった。

 

 

実用燃費は約23km/Lとディーゼルらしい好記録をマーク

 

気になる燃費は、まだA200dが国内での認証取得途中段階であるため未公開となっているが、インポーターが現状集計した数値としては高速中心の慣らし走行で約23km/Lをマーク。燃費重視の走りを行えば、さらに伸びるだろうとコメントしている。ちなみにA180のWLTCモード平均燃費は15km/L、高速巡航値は18.5km/Lだ。

 

ディーゼル・ユニット搭載の恩恵はこうした環境性能以外にも、意外や乗り心地面で発揮された。Aクラスはメルセデスの安全哲学が理由か、先代からその乗り心地がかなり硬めの傾向。その分、直進安定性が高められている印象を筆者は受けていた。

 

現行モデルとなってその傾向は若干弱まったが、A180の場合18インチのオプションタイヤを履けば(標準は16インチ)、突き上げ面ではやはり若干の影響が出ていた。

 

 

落ち着きのある足まわり

 

一方、エンジン単体重量が増えるA200dでは、フロントサスペンションの跳ねや突き上げ感がA180以上に抑えられていた(車両重量も現状未公開だが、フロント軸重が重たくなっていることは間違いない)。まだブッシュやサスペンションに当たりが付ききっていないことを考えても、225/40R18サイズのタイヤを上手に履きこなしていると思う。

 

ちなみにA200dも標準タイヤサイズは16インチだから、これを選べばさらに乗り心地が良くなると予想できる。輸入車を選ぶような感度の高いユーザーにとって見た目は大切な要件だが、メルセデスの基本性能に惚れ込み、これを毎日の友とするなら、16インチは“通”な選択になるのではないか。もっともこうした乗り心地性能の向上は、ダンパーに減衰力調整機構を付けてくれれば多くが解決するとも思えるが、それはAMGのようなハイエンドモデルの特権なのかもしれない。

 

 

スポーティさが際立つ走りも楽しめる

 

肝心な走行フィールは、またもや意外だが、上質感よりもスポーティさが際立った。 低速域では思った以上にディーゼル感が強く、Cクラスに見られる静粛性までは期待しない方がいい。メカニカルノイズは微かながらも聞こえるし、アイドリングストップからの復帰では威勢良くエンジンが目を覚ます。ただこれは、エンジン側というよりもボディ側の問題だろう。バルクヘッド周りの遮音性、フロアの振動透過性が、Cクラスほどには洗練されてないのだと思う。メルセデスゆえに常にトップクラスの高級感を求めてしまうが、Aクラスのスウィートスポットは、ここにはない。

 

つまりA220は、粛々と走るよりも、快活に走らせた方が抜群に楽しいのだ。

 

 

ディーゼルらしからぬ高回転域サウンド

 

エンジンのレッドゾーンは4600rpmからと、純粋な回転領域は非常に狭い。しかもスポーツモードにでも入れない限りアクセルを踏み続けても、きっちりとこれを回しきることなく次のギヤへとシフトアップしてしまう。それでもこの短い領域の中でさえ、アクセルをグッと踏み込んでいると回転上昇感が実に心地良い。太いトルクを伴いがながらクォ〜ッ!と、ディーゼルらしからぬ気持ち良いサウンドを伴って、回ってくれるのだ。

 

タウンスピードではトルコンAT並みに存在感を消していた8速DCTも、きっちり走らせると変速がシャープになる。歯切れ良くギヤがつながり、加速にもメリハリが出て来る。総じて元気に走らせるほど、気になっていたメカニカルノイズがロードノイズやエキゾーストノートで相殺され、乗り心地がフラットになり、心地良いトーンに満たされていく。こうした辺りはやはり、欧州のクルマである。

 

 

400万円を切る戦略的な価格も魅力

 

ハンドリングはサスペンションを固めた割にシャープになりすぎず、直進安定性に優れる。Cセグの覇者であるVWゴルフのようなまろやかさはないが、このガッシリとした乗り味に女性ユーザーが高い安心感を得るのも頷ける。さらに標準装備でないのは残念だが、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックを始めとしたセーフティパッケージを付ければ、ACC主導のイージーライドを楽しめる。

 

ディーゼル・ユニット搭載による差額は、同じ仕様のA180スタイルと比べて30万円。税制割引を考えればさらに安くなる。399万円という価格は車両価格であり、今回の試乗車のようにナビやレーダーセーフティパッケージといった常識的装備を組み込めば約475万円。さらにAMGラインを選べば約500万円のプライスとなってしまうから、そもそもAクラスは安いクルマではない。

 

しかしAクラスを本気で検討するユーザーにとって、A200dは魅力的な存在となるだろう。差額以上の動力性能を備えた、コストパフォーマンスに優れるモデルだと言える。

 

 

REPORT/山田弘樹(Kouki YAMADA)

PHOTO/服部真哉(Shinya HATTORI)

 

 

【SPECIFICATIONS】

メルセデス・ベンツA200d

ボディサイズ:全長4419 全幅1796 全高1440mm

ホイールベース:2729mm

エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ

総排気量:1950cc

圧縮比:15.5

最高出力:110kW(150ps)/3400 – 4400rpm

最大トルク:320Nm(32.6kgm)/1400 – 3200rpm

トランスミッション:8速DCT

駆動方式:FWD

(※以上、欧州参考値)

 

車両本体価格:399万円(税込)

 

 

【問い合わせ】

メルセデスコール

TEL 0120-190-610

 

 

【関連リンク】

・メルセデス・ベンツ日本公式サイト

https://www.mercedes-benz.co.jp/