アルファロメオの伝統モデル「ジュリア」と、革新的なディーゼルのタッグにみるメリットとは?

ALFA ROMEO GIULIA 2.2 TURBO DIESEL SUPER

アルファロメオ ジュリア2.2ターボ ディーゼル スーパー

 

 

アルファロメオの伝統車名とプライドが復活

 

2年前のジュリア復活を喜んだアルファロメオ・ファンは多いはずだ。ジュリアは1960年代のアルファロメオを代表するネーミングであり、アルファ=速いハコ、という今日に続くイメージを確立したモデルだからである。

 

それと同時に、アルファロメオが現行ジュリアでFRの駆動方式を復活させた事実も忘れてはならない。アルファロメオは1980年代後半にリリースした75以降、小型モデルのみならず比較的大型の164や166といったセダンにまでエンジン横置きのFFレイアウトを採用し続けてきた。

 

それゆえ例えボディサイズは同等であっても、ドイツ製をはじめとするライバルたちと真っ向勝負できる作品とは言い切れなかった事実がある。

 

 

そう、ジュリアはアルファロメオとして初めて、セダンの激戦区であるDセグメントに挑戦する権利を持ったモデルなのである。

 

ライバルと肩を並べるため、ジュリアに込められたトピックはFRレイアウト以外にもある。それがAWDモデルのQ4や510psを発揮するV6ターボ搭載のハイパワーモデルであるクアドリフォリオ、そして2.2リッターのターボ・ディーゼルの存在である。

 

これまでアルファロメオ・ブランドとディーゼルのイメージが交錯したことはなかった。だが現在の市場ではパワーユニットの選択肢に幅を持たせることが当たり前になっている。

 

さらに近年はディーゼル機関の性能向上も著しい。果たしてアルファロメオのDNAと最新のターボ・ディーゼルがどのような化学反応を起こすのか? 最新のジュリアを前にしてファナティックが気になるトピックのひとつがそれだろう。

 

 

ジュリア・シリーズのトピックはディーゼルに非ず?

 

ジュリア2.2ターボ・ディーゼル・スーパーをドライブし始めて、キラッと光る個性として感じられたのはディーゼル・エンジンの出力特性よりも、ジュリア・シリーズに共通するハンドリングの方だった。

 

何しろ個性的、これぞアルファロメオという性格付けなのである。具体的にはステアリングのセンター付近から一切の遊びがなくスパッと切れるので、街中を走っていてもすこぶるスポーティなのである。

 

以前のFFモデルである166や156等では鋭いのはステアリングを切り込んだ瞬間までで、そこから先は深いストロークを活かして前後ともよく粘ったが、残念ながらハンドリングの気持ちよさを語るようなものではなかった。ただ鋭い初期応答に対する尻ぬぐいとして操安性の確保に努めているような印象だったのである。

 

 

ところがジュリアでは、転舵初期のスパっという切れ味によって早めにロールを起こすところまでは以前と一緒だが、コーナーの中ほどから積極的にスロットルを踏んでいくことでガッツリとリヤを沈ませ、外輪に絶妙なスリップアングルをつけてグイグイと曲がっていく。

 

クルマとドライバーがちょうど半々で仕事を分担し、FRならではの繊細で美しいコーナリングを実現させている感じがひしひしと伝わってくるのだ。

 

文章にするとなかなか忙しいコーナリングに思えるかもしれないが、実際にはセダンならではの低い重心も手伝ってとても座りがよく、一筆書きのコーナリングを実現している。特に同じプラットフォーム、同じパワーユニットを搭載しつつAWD化されているステルヴィオと比べると、ハンドリングの鮮やかさは歴然としている。

 

 

ステルヴィオ2.2ターボ・ディーゼルQ4は、SUVとしてはキビキビとしたハンドリングといえる。それでもボディ形状的に不可避といえる重心の高さにより、タイトコーナーの切り返しや雑なステアリングアクションでは上屋の追従が遅れ、収束を待つ必要がある。

 

その点ジュリアのドライバビリティにエクスキューズはいらない。熱心なアルファロメオ・ファンが胸のすくようなドライブフィールを味わいたければ、その伝統的なセダンを選択すべきだろう。

 

 

ディーゼル・エンジンにメリットはあるのか?

 

後回しになってしまったが、2142ccのターボ・ディーゼルはジュリアの走りにどのような影響を与えているのだろうか? これこそ今回の試乗のメインとなるテーマだったのだが、結果的にディーゼルとガソリンに決定的な違いを発見できなかったというのが正直なところだ。

 

例えばステルヴィオの場合であればディーゼル・エンジンがガソリンより10kgしか重くないとはいえ、もともとの車重が1.8トン越えなのでディーゼルの低速トルクが必要不可欠なのである。だが1.6トンほどのジュリアでは、トルクはそこまで重要ではない。

 

 

一方、ジュリア・スーパーの200psやヴェローチェの280ps版ガソリン・ユニットをブン回したところで、アルファ好きが溜飲を下げるほどの刺激も感じられない。だったらストレスなく速いディーゼルの方が一歩リードかなぁ、という感じなのである。

 

もちろん山道やサーキットを思う存分走りたい、というのであればガソリン・ユニットのレスポンスやドライバビリティが活きる場面もあるはずだ。最新のターボ・ディーゼルは4500回転付近のレブリミットへの吹け上がりにストレスがなく、これは以前のディーゼルとは隔世の感があるのだけれど、中速域のスロットルレスポンスは少し鈍く、ハンドリングとの一体感にも不満が残る。といってもそれは、コーナーで本気でトバして走った場合の話なのだが。

 

 

ディーゼルはこんな人に薦めたい

 

話は少し脱線するが、直4搭載のジュリアの中で最もハンドリングが素直なのは、意外なことにAWDモデルのQ4ヴェローチェだ。というのも2駆モデルはリヤタイヤが1サイズ太いのだが、Q4は前後同サイズなのでリヤが変に突っ張らず、しかもフロントに配分されるトルクが少なめであることも手伝って軽快なハンドリングが楽しめるのだ。

 

最後にジュリアを総括してみるとすると、ドイツ車を追いかけまわすならクアドリフォリオ、スピードだけでなくハンドリング特性まで含めたガソリン4発最強はQ4ヴェローチェ。上記2台に刺さらない、腰を据えてジュリアを楽しみたいという人であれば2.2ターボ・ディーゼルがお薦め。性能的にネガがなく飽きが来ないし、コストパフォーマンスもいいからである。

 

ともあれ、ジュリアは21世紀初であることはもちろん、アルファロメオにとって久方ぶりの秀作であると断言していい。今後ドイツ車的に年次改良が進めば、日本市場でも確実に支持を得られるに違いない。

 

 

REPORT/吉田拓生(Takuo YOSHIDA)

PHOTO/市 健治(Kenji ICHI)

 

 

【SPECIFICATIONS】

アルファロメオ ジュリア 2.2 ターボ ディーゼル スーパー

ボディサイズ:全長4645 全幅1865 全高1435mm
ホイールベース:2820mm
トレッド:前1555 後1625mm
車両重量:1600kg

エンジン:直列4気筒ディーゼルターボ
総排気量:2142cc
ボア×ストローク:83.0×99.0mm
圧縮比:15.5
最高出力:140kW(190ps)/3500rpm
最大トルク:450Nm/1750rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:RWD

ステアリング形式:電動アシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前225/45R18 後255/40R18

燃料消費率(WLTC):17.2km/L

車両本体価格:556万円(税込)

 

【問い合わせ】

Alfa Contact

TEL 0120-779-159

 

【関連リンク】

・FCAジャパン公式サイト

https://www.fcagroup.jp/