メルセデス・ベンツ、Sクラス級のEVサルーン「Vision EQS」を初披露【フランクフルトショー 2019】

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Mercedes-Benz Vision EQS

メルセデス・ベンツ ヴィジョン EQS

 

 

フルEVのEQシリーズが提案するフルサイズセダン

 

メルセデス・ベンツは、第68回フランクフルト・モーターショーでEV専用サブブランド“EQ”のコンセプトカー「Vision EQS」を世界初披露した。

 

EQシリーズは、すでに中型SUVの「EQC」、ミニバンの「EQV」が量産モデルとして発表済み。今回ワールドプレミアを行った「Vision EQS」は、EQシリーズ初のセダンモデルの登場を示唆するもの。Sクラス級の電動ラグジュアリーサルーンのコンセプトだ。

 

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プレスラインのない有機的なボディが曲線を描く“one bow“プロポーションを伸張したVision EQSは、EQのコンセプトである「プログレッシブ・ラグジュアリー」をさらに次の次元へ推し進めるデザイン。

 

ちなみに現在3つのサブブランドを抱えるメルセデス・ベンツは、それぞれの差別化を図るべく各々にコンセプトを設定している。すなわち、EQ=プログレッシブ・ラグジュアリー、メルセデス・ベンツ=モダンラグジュアリー、メルセデスAMG=パフォーマンス・ラグジュアリー、メルセデス・マイバッハ=アルティメット・ラグジュアリーだという。

 

メルセデス・ベンツ_ヴィジョン_EQS_フロントグリルイメージ

 

LEDで構成した世界初のデジタルフロントグリル

 

流れるようでいて力強い彫刻のようなエクステリアは、ラグジュアリーさが醸し出す余裕と空力的エレガンスの調和を目指した。“ライトベルト”と呼ぶ光の帯がボディをぐるりと取り囲み、シルバーのボディの上に黒いパネルが浮かんでいるようなカラースキームを採用している。

 

両側に2基ずつホログラフィックレンズを備えたデジタルライト・ヘッドランプは、360度を囲むライトベルトに溶け込んでいる。リヤには同社のトレードマークであるスリーポインテッドスターを模したLEDを229個配置。また、世界で初めて188個のLEDで構成されるデジタルフロントグリルを採用した。星とピクセルのライトマトリクスが三次元のエフェクトを生み出す。

 

メルセデス・ベンツ_ヴィジョン_EQS_コクピットイメージ

 

内装には高級ヨットの世界観を反映した。クリアで流れるようなデザイン言語が新時代の快適空間を作り上げている。ダッシュボードはボディと一体化しており、まるでボートのデッキのようなコクピットが乗員を包み込む。ダッシュボードとセンターコンソール、そしてアームレストは空間に浮かぶように配置されている。

 

トリム材やシートなどには可能な限りサステナブルな素材を使用。ペットボトルの再生材で作られたマイクロファイバーのDINAMICAやカエデ材、ナッパレザーと見まごう人工皮革などを随所に用いている。ルーフライナーの高品質なテキスタイルは、海洋ごみのプラスチックを再利用し作られた。

 

また、有機的なディスプレイやコネクテッド・ライトと呼ぶアンビエントライト、嵌め込み細工のようなエアコンの吹き出し口、ローズゴールドの洗練されたスピーカーカバー、宝石のようなホルダーにセットされたパフュームアトマイザーなどが、優れたクラフトマンシップを主張する。

 

メルセデス・ベンツ_ヴィジョン_EQS_ドアトリムイメージ

 

航続距離は700km、20分以下で80%充電可能

 

フロントとリヤアクスルにそれぞれモーターを備え、フロアにバッテリーを敷くEQS。電制の全輪駆動方式を採り、各ホイールへのトルク配分を適宜調整する。最高出力は350kW以上で、発進直後から760Nmの最大トルクを発生する。0-100km/h加速は4.5秒。

 

航続距離はWLTPモード換算で700km。350kWの超急速充電を使えば、20分かからずにバッテリーを80%まで充電できるという。

 

メルセデス・ベンツ_ヴィジョン_EQS_バックイメージ

 

Vision EQSのテクノロジー・プラットフォームとして、メルセデス・ベンツは非常に柔軟性の高いバッテリー・エレクトリックドライブ・プラットフォームを使用。このプラットフォームは拡張性に優れ、様々なモデルに対応できる。

 

最新のモジュラーシステムに基づき、ホイールベースやトレッドの自由度が高く、システムコンポーネント、バッテリーなどは様々に組み合わせることが可能という。高効率のリチウムイオンバッテリーはダイムラーの子会社であるACCUMOTIVE社が生産を担当している。

 

メルセデス・ベンツ_ヴィジョン_EQS_リヤ走りイメージ

 

メルセデス・ベンツの現行ラインナップと同様、構造部材には軽量化と強度、経済性、そしてサステナビリティを重視して、スチールやアルミニウム、カーボンファイバー、さらにリサイクレート(再生処理材料)を使用した素材との複合材を使用。

 

また、Vision EQSは「ドライバーが運転するクルマ」であるとはっきり主張している。モビリティは個々に自立し、わくわくするハンドリングをもつものであって欲しい・・・メルセデス・ベンツはそういう声に応える立場であり続けるという。その一方で、長距離旅行などのサポートとして、レベル3相当の運転支援機能も備える。モジュラー式のセンサーシステムを置換すれば、将来的には完全自動運転まで機能拡張することが可能という。