アストンマーティン ヴァンテージGTE、富士6時間耐久レースでダブル優勝を飾る!

アストンマーティン・ヴァンテージGTE

GTE Proクラスで1位と3位に!

 

10月16日(日)、富士スピードウェイに開催されたWEC(FIA世界耐久選手権)の第2戦「富士6時間耐久レース」で、アストンマーティン レーシングから2台のヴァンテージGTEがGTE Proクラスにおいて1位と3位、Amクラスで出場するTFスポーツのヴァンテージGTEも1位という、クラス・ダブル優勝に輝いた。

 

見事1位を獲得したProクラスに参戦する95号車を駆ったのは、マルコ・ソーレンセンとニッキ・ティームのデンマーク人コンビ。前日の予選では、前後を走行する他のマシンに阻まれてタイムが伸びずに奇しくも3位に。両名ともに昨年の富士ではニューマシン投入後、初のポールポジションを獲得していただけに悔しいスタートとなった。

 

しかし本戦では、1時間後に2位にアップ。さらに周を重ねるごとにチームとの連携と戦略が功を奏し、レース中盤からはトップを走行し続け、そのままゴール! まさに見事なレース運びで完走した。

 

アストンマーティン・ヴァンテージGTE #97

富士6時間耐久レースのProクラスにおいて見事3位を獲得した97号車。

 

一方の97号車(Proクラス)を駆るアレックス・リンとマキシム・マルタン組は、一時的に首位に立ったものの、同チームの95号車に譲ることになったうえ、雨天ということもあってか、ポルシェGTチームに前方を阻まれる結果に・・・。レース中盤からは順位がほぼ入れ替わることなく、順調に周回を重ねて97号車は3位でゴールした。

 

アストンマーティン・ヴァンテージGTE #98

アストンマーティン レーシングからAmクラスに出場する98号車は、レース序盤でアクシデントに見舞われてしまった。修復するも巻き返しならず。

 

その他、アストンマーティン レーシングからは、GTE Amクラスに、ポール・ダラ・ラナとワークスドライバーのダレン・ターナー、そしてジュニア・ワークスドライバーのロス・ガン(イギリスでGTチャンピオンに輝いたこともある)の3名が98号車をドライブし、予選3位をゲットした。だが、本戦ではレース序盤でアクシデントに巻き込まれて奇しくもピットへ。その後、チームの見事なまでの作業によって急ピッチで修復できたものの、結局は巻き返すことはできなかった。

 

アストンマーティン WEC 表彰台

Proクラスの表彰台シーン。右から95号車のマルコ・ソーレンセンとニッキー・ティーム、97号車のマキシム・マルタンとアレックス・リン。

 

ヴァンテージGTEに対する絶大なる信頼性

 

レース、しかも耐久となれば、何が起こるのか分からないのが常。また、アストンマーティン レーシングから参戦するドライバーは、いずれも過去に高戦績を残しているし、ヴァンテージGTEのポテンシャルが高いことは証明されているのは明らかだ。今回、WECで来日した3名のドライバー(マルコ・ソーレンセン、マキシム・マルタン、ロス・ガン)にインタビューする機会があったのだが、誰もが口にしたのは、やはりヴァンテージGTEに対する信頼性の高さだった。

 

4リッターV8ツインターボエンジンは、400ps&700Nmを発揮し、6速シーケンシャル・トランスミッションを組み合わせ、ボディにはカーボンを、シャシーにはアルミニウムを使用するなど、最新のコンペティションマシンらしく、徹底的な軽量化と高剛性を実現している。ロードカーとの共通パーツは数少ないとはいえ、元の素性、設計自体は非常に近いものがある。

 

アストンマーティン・ヴァンテージGTE #95

Proクラスで優勝した95号車。レースが終了し、表彰台へと向かうひとコマ。

 

しかし、実のところ予選の結果も含めてマシンのセットやコンディションに彼らはけっして満足していかったという。それでもレース本戦では、そのネガを忘れさせるほど安定した速さを見せつけた。タイトコーナーなどのロースピードよりも高速域のほうがマシンバランスは優れているらしく、空力性能も見た目以上に効くようだ。

 

耐久レースでは戦略が重要

 

昨シーズン、この富士でポールをとっていた、マルコ・ソーレンセンは、こうした耐久レースでは、とにかくミスを侵さなないことだと強調したうえで、今回の富士では、本戦時の雨にどう戦略を立てるのかが重要だと加えた。結果的に良いタイムが出せたのは、タイヤの最適化が大きいとも語っている。

 

アストンマーティン・ヴァンテージGTE

レース序盤のアクシデントで勝利は逃したものの、予選時にロス・ガンはこの98号車で最速タイムをマークした。

 

一方、ジュニア・ワークスドライバーのロス・ガンに、ベテランを2名と組んでマシンのセットアップなどに関して意見の相違はないのかと訊くと、そういうときは妥協点を探すのが重要で、トータルで良い結果になる方向性を見出せば、必ずや好結果をもたらすことができると、若手ながらも柔軟性に富んだ見解を聞かせてくれたのが印象的だった。

 

ヴァンテージGTEがもつ高いポテンシャルを証明

 

そして、アストンマーティン レーシングのマネージング・ディレクターを務めるジョン・ガウは、今回のレース結果に大満足したようだ。

 

「今回のレースは、ヴァンテージGTEの高いポテンシャルを示す絶好の機会となりました。デンマーク人のコンビは、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。特にマルコは、最初の1時間に圧巻の走りを見せ、ニッキーは雨が降った時に適切に対応して、スティント全体で際立っていました。また、テクニカル・パートナーのミシュランも新しいタイヤを用意して、ドライコンディションでライバルと同等に走れることを示しました。これによって、私たちのマシンの戦闘力の高さを証明することができたと思います。97号車のアレックスとマックスも3位を獲得するなどチームの努力に報いてくれました。今回のレースは、アストンマーティンにとって本当に素晴らしいレースとなりました」

 

TFスポーツ アストンマーティン ヴァンテージGTE #90

TFスポーツから出場する90号車のヴァンテージGTEもAmクラスで見事に優勝!

 

4台すべてが表彰台の可能性も

 

また、この他にGTE Amクラスにはもう1台、TFスポーツから同じくヴァンテージGTEが出場していたのだが(90号車)、こちらは見事、クラス優勝を獲得することに成功。Proクラス2台が表彰台に、そしてAmクラスにも1台勝利を獲得できたことを思えば、アクシデントにさえ巻き込まれていなければ、全4台ともに表彰台に登っていた可能性が高い。なぜなら予選時、ロス・ガンは最速タイムを記録していたのである。如何にヴァンテージGTEのポテンシャルが高いかが、この事実から伺い知れるだろう。

 

次回、WEC第3戦「上海4時間レース」は11月10日に開催される。ここでの活躍にも大いに期待したいところだ。