アウディ、A8にプラグインハイブリッドを追加。700Nmが巨艦を猛然と運ぶ

アウディ A8 L 60 TFSI e クワトロのフロント走行シーン

Audi A8 L 60 TFSI e quattro

アウディ A8 L 60 TFSI e クワトロ

 

 

V6+モーターで449ps/700Nmを湧出

 

アウディはフラッグシップモデル「A8」にプラグインハイブリッドの「A8 L 60 TFSI e quattro」を追加すると本国で発表した。

 

直噴ガソリンターボエンジンを軸にした新世代PHVシステムをアウディは「TFSI e」と呼ぶ。すでにQ5でも2リッター直4+モーターの「55 TFSI e」を導入しているが、3リッター直6を搭載するA8の場合は「60 TFSI e」となる。

 

アウディ A8 L 60 TFSI e クワトロのフロント走行シーン

EVモデルのe-tronに通じる5本のデイタイムランニングライトが、内燃機関オンリーのモデルとの判別ポイント

 

ちょっとややこしいが、「A8 L 60 TFSI e quattro」が積むは、ノーマルガソリンモデルの「55」と同じ340ps/500Nmの3リッター V6 TFSIユニットだ。アウディは2017年の新型A8導入を皮切りにグレード表記をそれまでの排気量から出力レベル表示に変更している。

 

すなわち、「25=70kW〜」「30=81kW〜」「35=110kW〜」「40=125kW〜」「45=169kW〜」「50=210kW〜」「55=245kW〜」「60=320kW〜」「70=400kW〜」ということになり、V6+モーターでシステム出力449ps(330kW)/システムトルク700Nmを発生するA8プラグインハイブリッドが「60」を冠するのはこのためだ。

 

「A8 L 60 TFSI e quattro」には100kW/350Nmを発生する永久磁石シンクロナスモーター(PSM)と、容量14.1kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。104セル、8モジュールで構成されたバッテリーは荷室床下に収まっている。

 

アウディ A8 L 60 TFSI e クワトロのリヤ走行シーン

まずはロングホイールベースモデルからの導入だが、数週間後にはノーマルホイールベースのPHVも追加投入するという

 

5.4mの巨体を4.9秒で100km/hまで運ぶ

 

トランスミッションは8速ティプトロニックを組み合わせ、おなじみのクワトロ機構で4輪へパワーを伝達する。1250rpmという低回転域で最大トルクの700Nmを発生、モーターのブーストモードも加わり、0-100km/h加速を4.9秒でこなす。車名に「L」がついているとおり、「A8 L 60 TFSI e quattro」はロングホイールベースモデルとなるだけに、全長は実に5.3m。これだけの巨体を猛然と、かつユーロ6dに適合させつつ加速するにはPHVというのがアウディの現段階での最適解ということだろう。ちなみにノーマルホイールベース版も追って投入する模様だ。

 

走行モードは「EV」「ハイブリッド」「ホールド」の3種類。電気のみで走る「EV」モードでは、最高135km/hまで加速でき、最長46km(WLTPモード)走行が可能。燃費は混合モードで2.7〜2.5リッター/100km(約37〜40km/リッター)という。

 

アウディ A8 L 60 TFSI e クワトロの正面走行シーン

ナビゲーションの情報やレーダーから取得する状況に鑑みながら、エンジンとモーターの最適な使い分けを常時行なうA8のプラグインハイブリッド・システム。EVだけでも平均的な通勤往復には十分の46kmを走行可能

 

「ハイブリッド」モードでは、標準装備するMMIナビゲーション プラスと連動して目的地までのエンジン、モーター、回生や変速などの制御を予測管理する。たとえばストップ&ゴーの多い都市部ではなるべく電気を使って走行するなど、道路状況に合わせて管理を行ない、ゴール地点まで可能な限りモーターを最適活用する。

 

「ホールド」はバッテリーの使用をなるべく抑える。長距離の高速巡航時にはこのモードに合わせておき、都市部へ入ったら静かでエコなEVのみで走行する。そうしたプラグイン ハイブリッドのような最適活用術にぴったりのモードだ。ちなみに、現行A8の回生ブレーキは、制動時に最大25kWのエネルギーを回収するが、プラグインハイブリッドの場合、最大で80kW分を回収できるという。

 

ナビやレーダーを活用した先進予測で最大の「エコ走行」を

 

走行モード切替のみならず、「A8 L 60 TFSI e quattro」はあらゆるシステムを駆使して可能な限り燃料消費とCO2排出量を最小限に抑える。長距離ドライブの際には全長やルートの種類、オンラインの渋滞情報、ドライバーの運転スタイルを総合して最適なオペレーションを算出。さらに、ナビゲーションデータから得る速度制限や勾配、レーダーから検知する前方の交通情報を含めた短期的予測情報も活用する。

 

エアサスペンションやステアリングなどの設定を「コンフォート」「エフィシェンシー」「オート」「ダイナミック」に変更できるアウディ ドライブ セレクトも標準装備。シフトレバーをSにすると、モーターがブーストモードに入り、コースティングモード機能もオフという“アジリティ優先”モードに入る。

 

歩行者やサイクリストへ近接を伝える「シンセティック e サウンド」も標準で搭載。小型のジェネレーターが作り出したクリアな音は最高20km/hまで自動で発生、スピードがそれ以上になると自然にフェードアウトする。スピーカーは右側のホイールアーチ内に備わっている。EVモデルのe-tronにも採用されている技術だ。

 

アウディ A8 L 60 TFSI e クワトロのリヤ走行シーン

EV走行時、歩行者などに自車の存在を知らせる「e サウンド」を搭載。EVのe-tronにも採用されている技術だ

 

乗車前からバッテリーをフル活用

 

専用アプリ「アウディApp」を使えば、スマートフォンでバッテリーや航続距離の状態を確認することが可能。乗車前にエアコンやシートベンチレーションを稼働させておくことができるのに加え、ステアリングホイールやシート、ミラー、前後ウインドウのヒーターもオンにできるため、雪の日などは大いに活用できるだろう。

 

アウディ A8 L 60 TFSI e クワトロの後席シート

車内でより静かに過ごせるPHVは、ショーファードリブン向けといえるかもしれない。オプションで助手席側リヤシートにマッサージ&ヒーター機能つきフットレストを備えることも可能

 

外観上の最大の特徴は、EVのe-tronと同じライトシグネチャーの採用。5本のデイタイムランニングライトが水平方向に走り、周囲へ存在を主張する。ホイールは19インチが標準。内装では、助手席側リヤシートに、ヒーターとマッサージ機能付きフットレストを搭載する「リラクゼーションシート」をオプションで選択できる。

 

「A8 L 60 TFSI e quattro」の本国価格は10万9000ユーロ(約1319万円)から。欧州市場への導入は2019年第4四半期を予定。まずはロングホイールベースモデルから発売し、数週遅れて標準ホイールベース版が登場する模様だ。日本への導入時期、価格は未定。

 

【SPECIFICATIONS】

アウディ A8 L 60 TFSI e クワトロ(欧州仕様)

ボディサイズ:全長5302 全幅1945 全高1486mm

ホイールベース:3128mm

トレッド:前1635 後1623mm

車両重量:2330kg

 

エンジン:V型6気筒DOHC インタークーラー付ターボ

総排気量:2995cc

圧縮比:11.2

最高出力:250kW(340ps)/5000–6400rpm

最大トルク:500Nm/1370–4500rpm

 

システム最高出力:330kW

システム最大トルク:700Nm

EVのみの0-60km/h加速:6.9秒

EVのみの最高速:135km/h

トランスミッション:8速AT

駆動方式:AWD

サスペンション形式:前後5リンク

タイヤサイズ:前後255/45R19