ピレリ、史上初の5Gを活用した「サイバータイヤ」を開発。サーキット派のためのアプリも用意

公開日 : 2019/11/28 06:30 最終更新日 : 2019/11/28 06:30

センサーを内蔵したサイバータイヤを活用し危機を回避

 

ピレリが、5Gネットワーク経由で情報を伝達するタイヤを発表した。ピレリは、メンバーとして加入している5GAA(5G Automotive Association)が主催するイベント「The 5G Path of Vehicle-to-Everything Communication」の期間中に、5Gを活用したADAS(Advanced Driver Assistance System=先進運転支援システム)サービスの事例を発表し、このサービスのデモンストレーションを行なった。

 

イタリアのトリノに位置するリンゴットビルの屋上において、ピレリ、エリクソン、アウディ、TIM、イタルデザイン、KTHが共同でデモを実施。このデモでは、センサーを内蔵したピレリのサイバータイヤを装着し、5Gネットワークに接続したクルマが、どのようにアクアプレーニングのリスクを検知するのかを提示した。この実証は、5Gネットワークのメリットである高速性と情報の低遅延性を活用している。

 

ピレリは5Gのポテンシャルを活かして、安全性への貢献や運転支援システムに役立たせるほか、道路交通システムなどに対して幅広いコミュニケーションツールを目指すという

 

タイヤで得た情報をネットワークを介して活用

 

タイヤは自動車において、路面と車体を繋ぐ唯一の役割を担っている。そして、ピレリが開発した技術は、5Gの持つポテンシャルを活用し、あらゆる路面状況を車両およびドライバーへ伝達するものとなる。

 

センサーを内蔵したピレリのサイバータイヤは、近い将来、タイヤのモデル、走行距離、動的な負荷に関連したデータに加え、グリップを失わせる濡れた路面などの潜在的な危険性を伝えることを可能にするという。こうした情報はクルマの運転支援システムに送信され、安全性、快適性、性能の向上に大きく貢献することになる。

 

さらに、この情報はネットワークを介して他の車両にも伝達される。ピレリは、5Gのポテンシャルを活かし、道路交通エコシステムへ繋がる幅広いコミュニケーションツールをタイヤに実装することを可能にし、将来のモビリティサービス、自動運転システムにも積極的に貢献する計画を持っている。

 

トラック・アドレナリンと呼ばれるピレリが開発したアプリケーション。これはサーキット走行時にリアルタイムでモニタリングしたタイヤの状態をドライバーに知らせるシステムで、このデータを元にパフォーマンス向上を狙えるというもの

 

Track Adrenaline

トラック・アドレナリン

 

サーキット向けアプリ「トラック・アドレナリン」も展開

 

今年ピレリは、センサー内蔵の「P Zero Trofeo」タイヤを含む、サーキット走行愛好家へ向けたアプリケーション「トラック・アドレナリン(Track Adrenaline)」も発表している。

 

トラック・アドレナリンは、リアルタイムにモニタリングしたタイヤの内圧や温度をテレメトリデータと連携させ、ドライバーに向けてサーキットでのパフォーマンス向上のための提言を行う、まさに仮想的なトラックエンジニアだ。

 

今後、タイヤの「センサリング」は、ピレリの「パーフェクトフィット戦略」において不可欠な要素。ピレリが展開するパーフェクトフィット戦略は、変化の過程にあるモビリティの将来を視野に入れつつ、自動車メーカーとドライバーの要望に応える「テイラーメイド」の製品開発に重点を置くものとなる。