メルセデス・ベンツGLBの全容が明らかに。新型コンパクトSUVの本格導入は2019年末から
Mercedes-Benz GLB
メルセデス・ベンツ GLB
ボディ全長はRAV4やCR-Vと同等
メルセデス・ベンツGLBは、全長4634×全幅1834×全高1659mmのコンパクトSUVで、既存のGLAとGLCの隙間を埋める新型モデル。Cセグメントに属するサイズながら、3列目に独立型のシートを設けた7シーター仕様もオプションで用意する。
ボディの全長はトヨタRAV4やホンダCR-Vと同程度ながらホイールベースは2829mmと長い。メルセデス・ベンツのコンパクトクラス中随一のロングホイールベースと、天地方向に余裕のあるキャビン形状があいまって、ルーミーな乗員空間を確保している。
前席ヘッドルームが1069mm、後席ニールームは967mm(5シーターの場合)と、乗員すべてに居心地の良い空間を提供するパッケージとした。荷室も通常で570リッター、最大では1805リッターとかなりの大容量を実現。フラットでスクエアな使い勝手に優れた空間となっている。
3列シートの安全と機能も重視
7シーターモデルの3列目は、身長168cmまでの乗員を想定した設計。もちろんヘッドレストもプリテンショナー&フォースリミッター付きシートベルトも完備している。くわえて、3列目用のUSBポートも装備するなど、乗員全員の使い勝手を重視した。また、ISOFIXにも対応しているので、2列目と3列目合わせて最大4個のチャイルドシートを装着することができる。
エクステリアは、無駄なラインをできるだけ省いたシンプルなデザイン。ちりのあった継ぎ目や、張りのあるボディパネルが精巧な機械としての雰囲気を強調する。フロント/リヤともにショートオーバーハングで、フロントノーズ部分やボディ各部が直立に切り立ったボクシーなシルエットとすることで、オフローダー的な雰囲気も色濃く感じさせる。
「ハイ、メルセデス」と「エナジャイジング」を完備
電装系は、すべて最先端のメルセデス・ベンツ基準に則っている。「ハイ、メルセデス」でお馴染みの自然対話式音声認識機能や、7インチディスプレイを2つ組み込んだタブレットのようなメータークラスター&タッチスクリーンで構成する「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」は標準搭載。ステアリングホイール左右にはタッチコントロールボタンを配置、タイプC対応のUSBポートやBluetooth機能などを完備する。
効率化とスピード重視の現代で、実はこれまで以上に人は平穏を求めていると言われている。メルセデス・ベンツは、そうした観点からクルマを静養と回復をもたらす「第三の空間」として捉えようと力を入れている。そのひとつが「エナジャイジング(活性化)」と呼ぶアプローチだ。
新型GLBには、エナジャイジング コンフォート コントロールと呼ぶアメニティ統合制御プログラムを搭載。各種ヒーターやパシート設定、照明、音楽などを総合的にコントロールして快適性を高める。また、エナジャイジング コーチ機能も備え、別売のGarmin製スマートウォッチを装着すれば、高度なアルゴリズムに基づき走行時間を計算、ドライバーのストレスレベルや睡眠の質などのデータも活用したうえで、運転手をサポートするモードを提案するという。
Sクラスレベルの先進安全機能
先進の運転支援機能に関しては、フラッグシップモデルのSクラス同等の装備を用意する。各方向の障害物などを検知するレーダーや約500m前方をカバーするカメラシステムを搭載した最新のセンサーシステムを採用。ステアリングアシスト機能つきのアクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付き)なども用意する。
左右それぞれのハイパフォーマンスLEDを個別制御するマルチビームLEDヘッドライトもオプションで設定。四輪駆動システム“4マティック”を搭載するモデルには、夜間でも荒地を安心して走行できるよう、オフロードライトの準備もある。
ガソリン、ディーゼル合わせて3種類のユニット
パワーユニットは、M282型1.4リッター(GLB 200)とM260型2.0リッター(GLB 250 4マティック)のガソリン、OM654q型2.0リッターディーゼル(GLB 180d/200d/220d)という3種の最新直列4気筒エンジンをラインナップ。
1.4リッターガソリンの「GLB 200」の最高出力は163hp/5500rpm、最大トルクは250Nm/1620-4000rpmを発揮。2.0リッターガソリンの「GLB 250 4MATIC」は、224hp/5500-6100rpm、350Nm/1800-4000rpm。2.0リッターディーゼルは116hp/280Nm〜190hp/400Nmまで、出力/トルク違いを4種ラインナップする。
トランスミッションは、1.4リッターのみ7速DCT、それ以外は8速DCTを組み合わせる。サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット、リヤがマルチリンク。オプションで電制減衰力可変ダンパーも選択可能。
オフロード コンシャスな機能も
電制四輪駆動システム“4マティック”搭載車は、シチュエーションに応じて前後トルク配分を3パターンに設定することができる。「エコ/コンフォート」では80:20、「スポーツ」は70:30、オフロードモードでは50:50が基本となる。
四輪駆動モデルには「オフロード エンジニアリング パッケージ」が組み合わされ、オフロードライトをはじめ、ディスプレイ上に自車のアニメーションとともに勾配や傾きを表示したり、ヒルスタート アシスト、ヒルディセント コントロールなどの機能を使用することもできる。
AMGの35シリーズもラインナップ
また同じ2リッター直列4気筒ガソリンターボユニットを積む「250 4MATIC」よりも出力を82hp、トルクは50Nmも高めた高性能モデル「メルセデス AMG GLB 35 4MATIC」も用意する。最高出力306hp /5800-6100rpm、最大トルク400Nm/3000-4000rpmの性能に、8速AMGスピードシフト DCTと4MATIC(4WDシステム)を組み合わせることで、0-100km/h加速5.2秒を実現する。
メルセデス・ベンツは、ハッチバックのAクラスをはじめ、CLAやGLAなど多彩な小型車ファミリーをラインナップしており、2018年だけで60万9000台を超えるコンパクトモデルを販売している。1997年の初代Aクラスのデビューから数えると、このセグメントだけで累計700万台以上のメルセデス・ベンツが世界中にデリバリーされてきた。

メルセデス・ベンツの小型車ファミリーに、新しく加わる最新モデルのGLB。先進の運転支援システムはもちろん、取り回しの良さ、ボクシーなフォルムによるルーミーな空間設計など、メルセデスの良識が光る注目必至のモデルだ
取り回しよく、機能的で実用性に優れ、広大なキャビンと荷室を用意した最新SUVのGLBは、メルセデス・ベンツの小型車分野をいっそう活気づける起爆剤となるはずだ。
新型GLBの生産はメキシコのアグアスカリエンテス工場、および北京(中国仕様)で行う。市場への投入は2019年末を予定している。
日本導入時期および価格は未定。
【参考車両価格(本国仕様)】
GLB 200:3万7746.80ユーロ(約448万円)
GLB 250 4MATIC:4万4857.05ユーロ(約533万円)
GLB 180d:3万7770.60ユーロ(約449万円)
GLB 200d:3万9258.10ユーロ(約466万円)
GLB 200d 4MATIC:4万1471.50ユーロ(約493万円)
GLB 220d 4MATIC:4万4601.20ユーロ(約530万円)
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