マクラーレン 620R デビュー! レーシングマシン 570S GT4の完全公道仕様

公開日 : 2019/12/10 14:30 最終更新日 : 2019/12/10 14:30


McLaren 620R

マクラーレン 620R

 

 

公道走行も可能なGT4マシン!

 

マクラーレン・オートモーティブは、完全なモータースポーツ仕様でありながら、公道走行が可能な初のモデル「620R」を発表した。350台限定で製造される620Rは、競技専用に開発された、570S GT4をベースに開発。オーナーはサーキットでのフルアタックだけでなく、公道におけるクルージングも楽しむことができる。

 

マクラーレン・オートモーティブの最高経営責任者であるマイク・フルーウィットは、620Rの発表に喜びを隠さない。

 

「マクラーレン570S GT4は2017年のデビュー以来、多くのカスタマーチームを引き付けてきました。そして、あらゆるGTシリーズで勝利を記録した“ファーストクラス”のGTレーシングカーです。カスタマーから幾度となくリクエストを頂いてきたこともあり、今回、本物のモータースポーツ感覚を求めるマニアに向けた620psの限定モデル、620Rをデビューさせました。クラスをリードするパッケージを実現し、サーキットと公道のどちらでも同じ性能を楽しむことができます」

 

マクラーレン 620Rのスタジオショットフロント

マクラーレン・オートモーティブは620Rの開発に際して、ベースとなったGTレース用マシン570S GT4との共通性にこだわった。カーボンファイバー製「モノセルIIシャシー」を採用し、公道モデルでありながら1282kgという乾燥重量を実現した。

 

触れれば分かるGT4マシンとしての存在感

 

マクラーレン 620Rは、ロードカーでありながら純粋なモータースポーツ体験を提供するユニークなモデルだ。シングルピース・カーボンファイバー製「モノセルIIシャシー」を採用し、公道モデルでありながら抜群の剛性レベルと、乾燥重量1282kgという軽量化を実現した。

 

レーシングカーようにステアリングを握り、操作を行うため、ドライバーはレーシングマシンそのものをドライブしているように感じるはずだ。620Rは公認されたレーシングカーのDNAを保持しながら、モータースポーツに課されたレギュレーションには縛られていない。

 

レース仕様である570S GT4との共通性こそが、620Rの開発初期段階からの重要なコンセプトになった。GT4マシンと同様に調整可能な空力デバイス、レースからフィードバックされたサスペンションを採用。さらにパワーとパフォーマンスを向上させるべく、パワートレインも強化された。

 

マクラーレン 620Rのエクステリア俯瞰

パワーユニットは570S GT4と同様「M838TE」3.8リッターV型8気筒ツインターボを搭載。GT4規定から解き放たれたことで、最高出力はスポーツシリーズ、最強の620psを発揮する。

 

620psまでチューンされた3.8リッターV8ツインターボ

 

搭載されるパワーユニットは、GT4と同じ「M838TE」3.8リッターV8ツインターボ エンジン。厳しいGT4レース規定から解放された結果、ECUとターボチャージャーのマネージメントの変更が可能になり、最高出力620ps(610bhp)を達成。現時点でスポーツシリーズ最強のパワーを手に入れた。また、最大トルクも620Nmを発生。0-100km/hが2.9秒、0-200km/hが8.1秒、最高速度は322km/hというパフォーマンスを発揮する。

 

駆動系は7速DCT(SSG=シームレス シフト ギヤアボックス)を搭載。マクラーレンが誇るイナーシャ・プッシュ・テクノロジーにより、特にサーキットにおいて高速シフトを可能にした。公道上でクイックなシフトを楽しみたい場合、ドライバーはスポーツモードを選択すると、シフトアップ時に点火スパークを瞬時にカットすることで生じるクラックサウンドを楽しむことができる。

 

マクラーレン 620Rのリヤエクステリア

特にサーキットにおける走行時を想定して、32段階の調整が可能な2ウェイ・アジャスタブル・コイルオーバー・モータースポーツダンパーを採用。ブレーキはカーボン セラミック ディスクに鍛造アルミニウム ブレーキ キャリパーを組み合わせる。

 

コンディションに合わせて32段階のクリック調整が可能な足まわり

 

足まわりには、アルミ製ウイッシュボーンとアップライト、通常よりも剛性の高いアンチロールバーとスプリングを採用。さらに2ウェイ・アジャスタブル・コイルオーバー・モータースポーツダンパーも装着した。ドライビングスタイルと、サーキットのコンディションに合わせて、32段階のクリック調整が可能。このダンパーは通常のスポーツシリーズのサスペンションユニットより6kg以上も軽く、軽量化にも大きく貢献している。

 

タイヤはフロントが19インチ、リヤに20インチを採用。ブレーキはカーボン セラミック ディスク(フロント390mm/リヤ380mm)に、鍛造アルミニウム ブレーキ キャリパーの構成。ペダルレスポンス、モジュール性が大幅に向上した。サーキットにおいてハードブレーキングが連続する局面でも、フェードに至らない耐久性を確保した。

 

マクラーレン 620Rのリヤウィング

GTレーシングで活躍した570S GT4と同じ形状の大型リヤウイングを装着。ボディ上部のエアフローを最適化するだけでなく、リヤアクスル周辺に最大で185kgものダウンフォースを発生させる効果を持つ。

 

570S GT4と同形状の可変リヤウイングを採用

 

高いレベルのメカニカルグリップは、GT4由来の620Rの特徴のひとつ。3段階に調整可能なカーボンファイバー製アジャスタブル・リヤウイングは、570S GT4と同形状のコンポーネントとなる。抗力を最小限に抑えながら、ダウンフォースレベルを増加させるべく、ボディ上部のエアフローを最適化。ウイングを最も立ち上げた状態では、最大185kg(408lbs)ものダウンフォースを発揮し、特に高速コーナーにおける抜群のハンドリング性を実現するという。

 

フロントバンパー、スプリッター、ボンネットは再設計され、エアロブレードとスプリッターを追加。カーボンファイバー製ボンネットには、ダウンフォースを向上させ、ボディ上部のエアフローを最適化すべく、2基のノストラル型エアアウトレットを装備した。

 

マクラーレン 620Rのサーキット走行シーン

エアコン、ナビゲーションシステム、オーディオといった快適装備は、追加料金なしで装着が可能。サーキット走行で必要不可欠な、マクラーレン・トラック・テレメトリー(MTT)システムを標準装備する。

 

マクラーレン・トラック・テレメトリーを標準装備

 

インテリアもサーキットからインスパイアされたデザインを採用。シフトパドル、ステアリングホイールスポーク、センターコンソールはカーボンファイバー製。フロアカーペットやグローブボックスこそ取り付けられていないが、 エアコン、ナビゲーションシステム、オーディオはすべて追加費用なしで装着することができる。また、オプションとして「バウワース&ウィルキンス(Bowers&Wilkins)」の軽量アップグレード オーディオ システムも用意された。

 

「マクラーレン・トラック・テレメトリー(MTT)」システムが標準装備となり、各種データはコクピットのセンターに取り付けられた7インチ・タッチスクリーンに表示される。また、 オプションの「MSO ルーフスクープ・アップグレードパック」を装着することで、3台のカメラシステムを利用してMTTシステムを進化させることも可能となる。

 

マクラーレン 620Rのスタジオショットリヤ

ほぼ、GT4レーシングカーそのままという620Rの英国における価格は25万ポンド。エクステリアやインテリアは、オーナーの好みに合わせてMSOによるスペシャルカラーリングなどからも選択することが可能。

 

2020年1月から350台限定で生産をスタート

 

標準のボディカラーは、GT4からインスピレーションを受けた、マクラーレン オレンジ(ホワイト・レーシングストライプ)、シリカ ホワイト(オレンジ・レーシングストライプ)、オニキス ブラック(オレンジ・レーシングストライプ)の3色を展開。

 

それぞれのボディカラーにレースナンバーのデカール、パートナー企業のロゴステッカーも用意された。さらにボディカラーは、MSO ラインビルドパレットも利用可能。セナ GTRにインスパイアされた、ラグジュアリーなデカール カラーリングもチョイスすることができる。

 

620Rの生産は350台に限定され、すべてがサリー州ウォーキングのマクラーレン・プロダクション・センターにおいてハンドメイドで組み立てられる。生産は2020年1月から開始され、価格は税込みで25万ポンド。ヨーロッパとアメリカで購入するカスタマーには、サーキットにおけるプロドライバーからのレッスン「ピュア・マクラーレン・トラック・ディ(Pure McLaren Track Day)」の料金も含まれる。