アウディ S8 初試乗! スーパースポーツ級の性能に優しさを併せ持つフラッグシップサルーン

公開日 : 2019/12/17 11:55 最終更新日 : 2019/12/17 11:55

AUTHOR :

アウディ S8海外試乗、アウディ S8走行シーン

Audi S8 TFSI quattro

アウディ S8 TFSI クワトロ

 

 

アウディのフラッグシップ・スポーツサルーン「S8」

 

アウディのフラッグシップ・サルーン、A8がニューモデルへと進化したことを受けて、スポーツモデルである「S8」も新世代へと生まれ変わることになった。

 

ちなみにアウディは、そのワンクラス下にラインナップされるS6、S6アバント、S7スポーツバックには、ヨーロッパ市場ではディーゼルエンジンを搭載する戦略を展開してきたが、このS8で選択されたのはやはりガソリンエンジン、正確には3996ccのV型8気筒ツインターボエンジンが、571psの最高出力と800Nmの最大トルクで搭載される。

 

アウディ S8海外試乗、アウディ S8走行シーン

A8シリーズのスポーツバージョン、S8のパワートレインは、A8の60 TFSIと共通の4.0リッターV8ツインターボながら最高出力571ps/最大トルク800Nmを発生する。

 

アウディらしい上品かつ控えめなエクステリアを採用

 

A8には55、60、60Lの各モデルが日本仕様では用意されているが、同じ3996ccのV型8気筒ツインターボエンジンを搭載する60系のモデルでも最高出力は460ps、最大トルクは660Nmにすぎない。走りのテイストが大きく異なるのはこの数字からも容易に想像できる。

 

エクステリアの専用アイテムとして、フロントのグリルやバンパー、サイドシル、20インチ径のホイール(A8も60、60Lでは20インチが標準となるが)などをフィットしたS8だが、それが特別な存在感をアピールしないのも、逆にアウディというブランドの魅力といえる。

 

外観から威圧感を強く主張する、ほかのプレミアムブランドの高性能モデルを見ることに疲れたカスタマーにとって、セダンとしてきわめて美しく、そして凛としたエレガントさを感じさせてくれるS8のデザインは、それだけでも自分自身の趣味や主張をアピールするに十分だろう。

 

アウディ S8海外試乗、アウディ S8走行シーン

ボディサイズは全長5179×全幅1945×全高×1474mm、ホイールベースは2998mmとアウディのフラッグシップに相応しい体躯を誇る。2230kgもの車重ながら0-100km/h加速は3.8秒を計上する。

 

スムーズな加速感を実現する8速ATティプトロニック

 

インテリアも同様に、アウディの最高級モデルたるクオリティと高級感、そして装備に満ち溢れている。ショーファーカーとしてはホイールベースが130㎜長く設定されるA8 Lがラインナップされているが、2998㎜をスペックシートに掲げるS8でも後席まわりの居住性は見事に確保されている。乗り心地やノイズのレベルはこの後席でも低く、出番があればショーファーカーとしても大いに活躍が期待できそうだ。

 

フロントのV型8気筒ツインターボエンジンは、ヨーロッパ仕様で2200kgを超える重量級のボディを一切のストレスを感じさせることなくスムーズに加速させていく。アウディのテストデータによれば0-100km/h加速は3.8秒。個人的にも何回か停止からのフル加速を試みてみたが、これとほぼ同等のタイムを記録することができた。

 

このスムーズな加速は組み合わされる8速AT=ティプトロニックの絶妙なシフト制御、そしてフルタイム4WDシステムのクワトロが、常に最も効率的に4輪からトラクションを路面に伝えるように機能しているからで、とりわけクワトロの存在はコーナリングでのトラクション性能はもちろんのこと、高速域でのスタビリティにも大きく貢献していることが試乗中に何回も経験できた。

 

アウディ S8海外試乗、アウディ S8走行シーン

レーダーやカメラで事前に前方路面の状況を把握して能動的にサスペンションストロークを制御するAIアクティブエアサスペンションを搭載し、ストレスのないスポーツ走行を披露。

 

鮮烈な印象を与えるAIアクティブエアサスペンション

 

さらに印象的だったのは、このS8で採用されたAIアクティブエアサスペンションと4WS、そしてスポーツデファレンシャルの組み合わせによるシャシーの制御だった。このアダプティブエアサスペンションは、路面状況をレーザーやカメラからの情報をもとに事前に検知。それによってサスペンションストロークをアクティブに制御するものだ。

 

48Vの電装システムとの組み合わせで瞬時に最適なストロークを生み出し、ロールやピッチを補正する。エアサスペンションのセッティングなどは、もちろんドライバー自身がアウディドライブセレクトのモードによってベストなものを選択することが可能となる。

 

アウディ S8海外試乗、アウディ S8と山崎元裕氏

スポーツカーなみの走りを披露しながら伝統的なサルーンの矜持も持ち合わせるS8。アウディの次世代フラッグシップに相応しい完成度を誇る。

 

世界最速級でありながら伝統的なサルーンの親切さを両立

 

ワインディングでのS8は、この4WSやスポーツデファレンシャルを含めた先進的なシャシーのおかげで、まさにスポーツカーなみの走りを感じさせてくれた。正確なステアリングと素晴らしいタッチと制動力を感じさせるブレーキ。それらとのマッチングで、まったくストレスなく連続するコーナーをクリアしていけるのだ。ちなみに試乗車が装着していたタイヤは20インチ径。オプションでは21インチ径も選択できるというが、走りのバランスはおそらくはこの20インチ径の方がベストだろう。

 

さらにルートが高速道路に入ると、今度は48Vマイルドハイブリッドによるエンジンストップなど、エコに対するさまざまな取り組みの結果が表れてくる。市街地などでの停止時には、実に22km/hでエンジンはストップするというから、これもまたエコへの貢献度は非常に高いといえるだろう。

 

試乗を終えてS8から降り、荷物を下ろすためにリヤドアを開けると瞬時に車高が上がった。これは後席に座るパッセンジャーの乗り降りを容易にするためのシステムということで、実際には約40㎜、エアサスペンションの機能によって車高が上がるシステムだ。世界最速級の運動性能を持ちながら、伝統的なサルーンとしての親切な心も持ち合わせるS8。日本での発売計画や価格は今後発表される予定となっている。

 

 

REPORT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

 

 

【SPECIFICATIONS】

アウディ S8 TFSI quattro

ボディサイズ:全長5179 全幅1945 全高1474mm

ホイールベース:2998mm

車両重量:2230kg

エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ

総排気量:3996cc

ボア×ストローク:86.0×86.0mm

最高出力:420kW(571ps)/6000rpm

最大トルク:800Nm/2000-4500rpm

トランスミッション:8速AT

サスペンション:前後5リンク+エアサスペンション

駆動方式:AWD

タイヤサイズ:前後265/40R20

最高速度:250km/h(リミッター作動)

0-100km/h加速:3.8秒

燃料消費率:11.4〜11.3L/100km

CO2排出量:260〜258g/km