新型ベントレー フライングスパーに初採用された、精巧で美しいダイヤモンド模様のナーリング加工

公開日 : 2019/12/18 11:55 最終更新日 : 2019/12/18 11:55

ベントレー フライングスパーのセンターコンソール

最新技術によって可能になったファセット・ナーリング

 

新型フライングスパーにより、ベントレーは4ドアグランドツアラーの基準を大きく引き上げることになった。それは豪華なインテリアを見れば、すぐに理解できるだろう。

 

英国発のラグジュアリーブランドとして、これまでもベントレーはディテールへの飽くなき追求を続けてきた。今回のフライングスパーでは、インテリアにダイヤモンド模様の美しいローレット加工を採用。デジタル時代を象徴する最先端技術を使うことによって、これまでにないエレガントなインテリアを実現した。

 

ベントレーの開発チームは技術的な課題を克服。フロントコンソールのエアベントの装飾として、ユニークな手触りと外観を実現した「ファセット・ナーリング(Facet Knurling=切子ローレット加工)」を投入している。

 

ベントレー フライングスパーのファセット・ナーリング加工

ファセット・ナーリング加工を、このような形状のパーツに施すことは絶対に不可能と思われていた。しかし最新のソフトウェアを活用することで、人間の手だけでは実現できないカットをパーツ表面に加工することが可能になった。

 

サプライヤーからも「NO」を突きつけられた複雑な細工

 

今回、建築業界で一般的に使用されている最先端のデザインソフトウェアを初めて自動車の分野で使用。コンピューターで生成された一連のアルゴリズムを作成することで、見る角度によって絶えず表情が変化するダイヤモンド・カットをパーツ表面に施すことが可能になった。同時に新しい生産工程と工作機械を導入し、これまでにないレベルの細かいディテールと仕上げとなっている。

 

しかし、金属ローレット加工の品質と仕上げに関しては非常に複雑な作業を要することから、当初は20を超える世界有数のパーツサプライヤーが「このような細工は不可能だ」と主張したという。

 

フライングスパーのインテリアデザインを指揮したブレット・ボイデルは、ファセット・ナーリングについて以下のようにコメントしている。

 

「フライングスパーの開発において、私たちはあらゆる面で妥協を排することで、新たな地平を切り開きたいと考えていました。フライングスパーだけでなく、将来的にすべてのベントレーが最先端の存在であり続けるために、最新のテクノロジーを受け入れることになりました」

 

フライングスパーのエアベンチレーションに施されたファセット・ナーリング加工

フライングスパーのインテリアに彫刻的なエアベンチレーションを組み込むことを決めたベントレーのデザインチーム。しかし、このような形状に模様を入れると、ダイヤモンドパターンが歪んでしまうという課題が突きつけられた。

 

芸術作品のような美しいエアベンチレーション

 

開発初期段階でインテリアデザインチームは、フロントセンターコンソールに芸術的で彫刻的なエアベンチレーションを組み込むことを決定。「ブルズアイ」と呼ばれる通気口にファセット・ナーリング加工を施すことになった。

 

ファセット・ナーリングは、シリンダー形状のパーツには比較的簡単に加工できるとされている。しかし開発チームが通気口に細工を施すと決定したことは、デザインと製造面で大きなチャレンジになることを意味していた。 従来のCADソフトウェアを使用してモデルを作成すると、ダイヤモンドパターンの模様を歪ませることなくシームレスに表面加工することはできないのである。

 

この課題をクリアするために、ベントレーは世界的な自動車設計会社のひとつである英国のアズタイマー(Astheimer)社と協力し、この加工を可能とするアルゴリズムを開発した。その結果、ベントレーが持つ歴史的な遺産であるファセット・ナーリングが、シリンダー形状以外のパーツにも応用できることになった。

 

さらに新たに導入された工作機械により、0.3mmという非常に細かいダイヤモンド形状の再現が可能になった。そして、まさにベントレーにしか実現できない、美しい品質と仕上がりが実現している。