フェラーリ ローマの全容が明らかに。FRの系譜に加わる最新V8クーペの実態とは

公開日 : 2019/12/20 13:01 最終更新日 : 2019/12/20 13:01


フェラーリ ローマのフロントイメージ

Ferrari Roma

フェラーリ ローマ

 

 

FRの系譜に加わるフェラーリ最新2+2クーペ

 

フェラーリは、2019年12月19日に最新FRクーペ「ローマ」の詳細を公表した。

 

フェラーリ ローマは、同社のフロントエンジン・シリーズの系譜に新しく加わる新型車。ポルトフィーノの流れを汲みながら、最新のスタイリングを与えた2+2クーペだ。フェラーリ自身、「ミッドフロントV8の歴代2+2クーペの中で、もっともパワフルでドライビングプレジャーにあふれるモデル」と称する。

 

フェラーリ ローマの正面イメージ

1960年代の伝統的なグランドツーリング・フェラーリを現代的に再解釈したローマ。無駄な装飾をなるべく排除し、ミニマルなデザインを目指した。

 

4年連続受賞の傑作V8ツインターボを搭載

 

心臓部に収めるのは、620cvを発揮するお馴染みのV8ツインターボ。4年連続でインターナショナル・エンジン+パワートレイン・オブ・ザ・イヤーに輝く傑作ユニットだ。ローマへ搭載するにあたり、カムプロフィールを改良するとともにタービンの1分あたりの最大回転数を5000rpm高めている。

 

さらに、ガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)を採用し、欧州の厳しい排ガス基準「ユーロ 6D」に対応した。多孔フィルターであるGPFはエンジニアにより徹底的に最適化し、エンジン本来の持つ性能をスポイルすることのないように設計されているという。

 

SF90由来の8速デュアル・クラッチ・トランスミッション

 

組み合わせるのはSF90 ストラダーレで導入されたユニット8速デュアル・クラッチ・トランスミッションの改良型。従来の7速ユニット比で6kgの軽量化を実現している。ギアレシオを高めに設定し、リバースギアを追加(SF90の後退はモータ駆動)。新たなクラッチ・モジュールは従来の7速ユニットより20%小型化しており、トルクも35%向上している。

 

8速ユニットの採用で、多段化により燃費性能の向上と排ガス低減を図るとともに、低粘度オイルとドライサンプ式構造を採ることで流体力学的なロスもできる限り軽減。スムーズなシフトチェンジを可能にした。

 

また、フェラーリ独自のソフトウェア「バリアブル・ブースト・マネジメント」も採用。選択ギアに合わせてトルク伝達量を調整する仕組みで、エンジン回転数の上昇に合わせて加速を増幅するとともに燃費も最適化。伝達トルクはシフトアップに合わせて増大し、7速と8速では最大760Nmに達する。つまり、高速ギアでは高めのギアレシオで燃料消費を抑えながら、低速では全回転域でより急角度のトルクカーブとすることで、安定した加速感を実現できる。

 

フェラーリ ローマのインテリアイメージ

まるでコクピットがふたつ存在するかのような独特のキャビン設計。インターフェースはデジタル化を果たし、ステアリングホイールにはハプティック(触覚)コントロールも搭載した。

 

ポイントは軽量化と制御技術のバージョンアップ

 

官能的なフェラーリ・サウンドを生み出すべく、エキゾーストシステム全体のジオメトリーも再設計した。リアサイレンサー2機を排してテールパイプ内の背圧を大幅に低め、バイパスバルブの設計も見直し楕円形に加工。排気の背圧を抑えて音質の向上を図っている。

 

シャシー面のハイライトは「車両重量の低減」と「最新のサイドスリップ・コントロール(SSC)の導入」。

 

ボディシェルおよびシャシーは、コンポーネントの70%を完全に新設計した。最新の軽量化技術と高度な生産技術を組み合わせることで、セグメント最高のパワーウェイトレシオ(2.37kg/cv)を達成。

 

サイドスリップを予測してコントロール系の制御システムへ伝達するSSCは6.0に進化。E-Diff、F1-Trac、SCM-E Frs、フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE)といった制御を統合し、正確で緻密なダイナミクス性能をアシストする。

 

フェラーリ ローマのサイドビュー

マラネッロ発の最新クーペの姿をムービーで公開するべく、フェラーリはローマ周辺の主要スポットを舞台に撮影を敢行。特別ムービーは2019年12月後半に公式サイト上で公開される。

 

マネッティーノは5パターンから選択可能

 

また、フェラーリのグランツアラーとしては初めて5ポジションのマネッティーノを搭載。「Race」「Wet」「Comfort」「Sport」「ESC-Off」のモードを設けている。ブレーキ圧を利用する横方向のダイナミックコントロールシステム、いわゆるトルクベクタリング機構であるFDEは「Race」のみで作動する。

 

レベル1の運転支援システムはオプション。アダプティブ・クルーズ・コントロールや自動緊急ブレーキ、レーン逸脱警告、標識認識機能、ブラインドスポットモニター、リア・クロス・トラフィック・アラート、サラウンドビューカメラを用意している。また、照射範囲を自動制御するマトリックスLEDヘッドライトもオプション設定した。

 

可変リヤスポイラーは3段階に自動調整

 

ローマはフェラーリの伝統として、最高のエアロダイナミクスを追求。リヤスクリーンと一体化した可動リヤスポイラーは、通常は格納された状態で美しいスタイリングを保持。高速走行時には自動でせりあがり、最適なダウンフォースを発生する仕組みだ。フロントのアンダーボディに設けたボルテックス・ジェネレータの効果とあいまって、ローマが250km/h走行時に獲得するダウンフォース量は、ポルトフィーノ比で95kg増加しているという。

 

リヤスポイラーの角度は「ロー・ドラッグ(LD)」「ミディアム・ダウンフォース(MD)」「ハイ・ダウンフォース(HD)」の3パターンに調整される。HDだとリヤスクリーンに対して135度の角度となり、約95kgのダウンフォースを発生。一方でドラッグの増加は4%に抑えている。300km/h超では常にMDポジションとなり、ダウンフォース量が30%、ドラッグ増加は1%未満となる。100km/hまでは自動的にLDポジションを取る仕組みだ。

 

フェラーリ ローマのリヤビュー

シンプルを追求するローマ独特のデザイン姿勢はリヤビューにも反映されている。

 

ミニマリズムを重視した60年代的デザイン

 

デザイン面で着想を得たのは、1960年代の伝統的なグランドツーリング・フェラーリ。かつてのシンプルな面構成やファストバックスタイルを、現代的に再解釈した。

 

ミニマリズムを追求するべく、エアベントや不要な装飾を排除。新しいコンセプトのフロントグリルをはじめ、スクーデリア・フェラーリのシールドをボディサイドから取り外すなど、1950年代のロードカーを彷彿させるアプローチが最新のフェラーリのデザイン言語を作りだしている。直線的なヘッドライトはモンツァ SPの流れを汲むデザインとした。

 

フェラーリ ローマのフロントシートイメージ

最新のデジタルインターフェースやスポーティなコクピット設計はもとより、フェラーリGTカーらしいエレガンスも追求したローマのインテリア。

 

デジタル化した最新のインターフェースを完備

 

インテリアは、運転席と助手席それぞれに別の空間として“セル”を設ける「デュアル・コクピット・コンセプト」を進化させたもの。ダッシュボードだけでなくキャビン全体に構想を拡げ、まるでふたつのコクピットが左右対称で共存しているような独自の空間を作り上げている。

 

「視線は路上に、手はステアリングホイールに」の理念で設計されたヒューマン・マシン・インターフェースも特徴のひとつ。計器類は完全デジタル化され、16インチのHDスクリーンがインストゥルメントクラスターを構成する。

ステアリングホイールにはマネッティーノ切り替え用などの物理スイッチともに、スクリーンやACCの調整に用いるタッチバッド式のハプティックコントロールも採用した。

 

フェラーリ ローマのリヤビュー

フェラーリ ローマのデリバリーは2020年夏の予定。もちろん7年間の純正メインテナンスプログラムも用意する。

 

2008年の「カリフォルニア」から2017年の「ポルトフィーノ」、そして最新の「ローマ」に繋がるV8を積んだ2+2のGTシリーズの系譜は、フェラーリのエレガンスを象徴する存在だ。「ラ・ノーヴァ・ドルチェヴィータ(最新の甘い生活)」をコンセプトに掲げるまったく新しいフェラーリのGTカー、ローマは2020年夏頃のデリバリーを予定している。

 

 

【SPECIFICATIONS】

フェラーリ ローマ

ボディサイズ:全長4656 全幅1974 全高1301mm

ホイールベース:2670mm

乾燥重量:1472kg

 

エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ

総排気量:3855cc

ボア×ストローク:86.5×82mm

最高出力:456kW(620ps)/5750〜7500rpm

最大トルク:760Nm/3000〜5750rpm

最高許容範囲回転数:7500rpm

タイヤサイズ:前 245/35ZR20 後285/35ZR20

 

最高速度:320km/h

0→100km/h加速:3.4秒

0→200km/h加速:9.3秒