グループPSAとFCAが対等合併で合意。生産規模世界第4位の自動車企業グループ誕生!

公開日 : 2019/12/23 06:30 最終更新日 : 2019/12/23 14:14

グループPSAとFCAの対等合併

年間販売台数870万台という巨大自動車グループに

 

フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とグループPSA(プジョー・シトロエン)は、50:50の対等合併で合意に至り、拘束力のある覚書に署名した。その結果、生産規模世界第4位、売上高世界第3位の巨大自動車企業連合が誕生した。

 

この統合により、経営的、能力的、リソース的、そして規模の点でも持続可能なモビリティ新時代に対応し、自動車業界をリードすることができる規模の自動車企業連合となる。

 

両社の強い財務体質と経営手腕が統合されることで、急速に都市化が進行する地域、そして発展途上地域のどちらにおいても、優位な地位を占めることが可能になる。規模の拡大からもたらされる効率化、そして両社の強みと競争優位性の統合により、統合会社は消費者に対し、クラス最高の製品、技術、サービスを提供しながら自動車業界の変革にも素早く対応する。

 

ラグジュアリーブランドからSUV、そして商用車まで網羅

 

統合会社は、2018年決算を単純合算ベースで年間販売台数870万台、1700億ユーロ近い売上高、110億ユーロを超える経常利益、営業利益率6.6%という巨大自動車グループとなる。良好な財務体質の両社が統合されることで、財務上の柔軟性が向上。車両開発における新技術への投資や戦略的計画の実行に十分な余裕が生まれるという。

 

統合後の新会社はラグジュアリー、プレミアム、メインストリームの量産乗用車から、SUV、トラック、軽商用車までの各セグメントを網羅。足りないラインアップを相互に補完することができる。さらに、非常に強力なアイコン的ブランドもグループ内に保有している。北米とラテンアメリカに強いFCAと、グループPSAが欧州に持つ堅固な足場の組み合わせにより実現される。

 

この結果、統合会社は世界的に非常にバランスの取れた販売体制となり、2018年実績の単純合算ベースで、収益の46%を欧州から、43%を北米から上げる見込みとなっている。それ以外の地域についても統合会社の実現により、戦略を再構築する良い機会となる。

 

統合によるシナジー効果により大きな節約効果も

 

効率向上は、プラットフォームやエンジン、新技術の開発に対する投資の最適化に加えて、スケール規模の拡大が購買力の向上をもたらす。現在の生産台数の3分の2は2基のプラットフォームに集約される予定で、「スモール車台」と「コンパクト/ミドルサイズ車台」、それぞれ300万台の車両を生産する計画となっている。

 

これらの技術、製品、プラットフォームの集約による節約効果は、総額37億ユーロと見込まれており、そのシナジー効果の約40%を占める。また、規模の拡大と最低価格の一元化により、節約効果も40%と試算されている。マーケティングやIT、一般管理費や物流からの節約効果も20%とされている。

 

シナジー効果の試算には統合による工場閉鎖は前提とされていない。一方で、この効果を得るための、一時的に必要とされるコストは、28億ユーロと予想されている。

 

これらのシナジー効果により、統合会社は未来のモビリティのための技術やサービス、世界的なCO2排出量規制への対応に大規模な投資が可能となる。両社には世界各地に研究開発拠点を保有しており、それらは変革技術の開発を加速するための堅固な基盤となる。

 

覚書に調印したカルロス・タバレスとマイク・マンリー

合意契約の覚書に調印したグループPSAのカルロス・タバレスCEO(左)と、FCAのマイク・マンリーCEO(右)。今後5年間、統合企業のCEOはタバレスが務めることが決まっている。

 

今後5年間はグループ企業のCEOをカルロス・タバレスが担当

 

統合会社の取締役5名はFCAとその株主代表(会長のジョン・エルカンを含む)が推薦し、5名はグループPSAと株主代表(シニア・ノンエクゼクティブ・ディレクター兼副会長を含む)が推薦する。そして、2席はFCAとグループPSAの各従業員代表が占める。最高経営責任者(CEO)は、今後5年間は取締役兼務で、カルロス・タバレスが務めることになった。

 

グループPSAのカルロス・タバレスCEO、FCAのマイク・マンリーCEO、そしてそれぞれの経営陣は、これまでグループの業績を好転させ、大きな成功を収めてきた実績を持つ。近年の好調な業績と堅調な財務状況を背景に、スピーディな統合を実現させていくだろう。

 

新グループのオランダ国籍の親会社は、Euronext証券取引所(パリ)、イタリア証券取引所(ミラノ)、ニューヨーク証券取引所に上場する予定。現在、各社の本社があるフランス、イタリア、米国で存在感は維持されることになる。

 

厳しい状況を経て復活を果たした2グループの統合

 

今回の統合決定を受けて、カルロス・タバレスCEOは以下のようにコメントした。

 

「私たちの統合は自動車産業における強力なポジションを確立するためにも、極めて大きなチャンスと言えるでしょう。世界の自動車業界はクリーンで安全、そして持続可能なモビリティへと急速に移行しつつあります」

 

「このなかで、カスタマーに向けて世界レベルの製品と技術、そしてサービスを提供することを目指し、私は統合会社が持つ高いポテンシャルに自信を深めています。私たちのチームは活力と熱意をもって、最大限のパフォーマンスを発揮し、成功を収めると確信しています」

 

FCAのマイク・マンリーCEOも、今回の統合に歓迎の意を表した。

 

「これは、いくつもの素晴らしいブランドを保有し、スキルも忠誠心も高い従業員に恵まれた2社の統合です。両社とも試練の時を経て生き残り、互いに俊敏でスマートな素晴らしい競合相手となっています。我々の従業員には共通する特徴があります。それはチャレンジをチャンスと捉え、現状を改善する道として受け入れる態度です」