新型BMW 118i 試乗。FFとなって大正解! 新旧を通じて1シリーズのベスト・ベーシック

BMW 118iインプレッション、フロント走行シーン

BMW 118i

 

 

ライバルに伍する気持ちいいFFモデル

 

心機一転、FWDをベースとしたバリエーション展開で新たなデビューを飾ったBMW 1シリーズ。M135iのパフォーマンスを前にすると、ベーシックモデルである118iの存在が霞むかのように思えるかもしれないが、それは間違いである。

 

むしろそのしなやかな乗り心地と共に新時代のシャシーワークを実践する118iの方が、クルマとの生活を主体とするユーザーには相応しいと私は感じている。

 

BMW 118iインプレッション、フロントスタイル

すっかりお馴染みとなった1.5リッター直列3気筒DOHCターボを搭載する118i。最高出力140ps&最大トルク220Nmは控えめながら、WLTCモードで13.7km/Lの低燃費に加え鼓動感のあるフィーリングが好評。

 

ほど良いビート感のある3気筒エンジン

 

118iで感心するのは、1.5リッター直列3気筒ターボが予想以上の走りをもたらすことだ。ベーシックモデルのエンジンは出足のパンチに欠け、低出力ゆえにアクセル開度が高まるのが常というイメージがある。しかしこの直列3気筒ターボは、最高出力140ps&最大トルク220Nmの数値以上に、そのドライバビリティが高い。

 

影の功労者は、7速DCTだろう。細かく切られたステップ比が220Nmの最大トルクを滑りなく伝えるから、日常領域における発進の鈍さや加速遅れを感じない。もちろんスポーティに走らせるほどフィーリングは良くなり、バチッ! とダイレクトにギヤをつなぐようになる。トルコン式8速ATとしたM135iよりも変速時のギクシャク感は確実に少ない。

 

アクセルを踏み込んでいくと、1.5リッターの小さなエンジンが無理なくきれいに吹け上がる。3気筒エンジンのフィーリングを嫌う声も聞かれるが、個人的にはむしろほどよいビート感があって好印象。遮音性の高さやエンジンマウントの良質さも手伝い、ダウンサイジングユニットとしてはとても優れたエンジンだと思える。むしろ気になるのは、長く使った際のDCTの耐久性の方である。

 

BMW 118iインプレッション、フロント走行シーン

BMWとしては日本初導入となるタイヤスリップ・コントロール・システム(ARB)を搭載。エンジンコントロールユニットで直接スリップ状況を感知し、従来より3倍の速さで信号を送って車体を制御する。

 

爽やかな乗り味を生むシャシー

 

まだ国内仕様にディーゼルターボを搭載する「118d」は入ってないが、この軽い鼻先とダイレクトかつライト感覚溢れるパワーユニットの組み合わせは、FR時代を通して1シリーズのベスト・ベーシックだと感じられた。

 

118iは出力特性が穏やかな分だけサスペンションもしなやかになっている。基本的なシャシーの動かし方はM135iと同じだが、よりスムーズにターンインの姿勢を作り、パワーオンと共に気持ち良くコーナーをクリアしていく。流れるような身のこなしとはまさにこのこと。その爽やかな乗り味を味わうと、どこまでも一緒に走り続けたくなる。エアボリュームをたっぷりとったことから、M135iに比べてランフラットタイヤの影響が少なく乗り心地も良好だ。

 

ガッシリしながらも重たさを感じさせないのは近年のBMWが持つひとつの特徴だろう。ボディの剛性感がもたらす包容力と軽快な足裁きが両立する走りには「いいクルマに乗っている」という印象が自然と湧いて、輸入車を選ぶ強い動機付けになると思えた。

 

BMW 118iインプレッション、サイドビュー

3世代目の新型1シリーズは前輪駆動方式を採用。室内スペースが拡大し居住性は大幅にアップ。前モデルよりも後部足元スペースは40mm、ラゲッジ容量は20リットル増加している。

 

前後席ともにゆとりのある居住性

 

インテリアの素材感にはもう少し気を遣って欲しいところだが、インパネ中央に置いた10.25インチの液晶モニターも時代のニーズに合っている。前席の室内空間はなかなかに広く、しかしながらコクピットにおける居心地の良さはシートのシッカリ感できちんと演出できている。

 

ホイールベースが短縮された割には後席もゆとりがあり、実際足下のスペースはセンタートンネルを低めたことで広くなっているという。頭上のスペースも確保されており、圧迫感よりも守られ感の方が強い。

 

唯一残念なのは、もっともスタンダードなモデルが税抜きで約300万円のプライスを実現しながらも、そこに先進安全装備を付けると40万円ほど価格が高くなってしまうこと。つまりそれだけACC(オートクルーズコントロール)を基軸とした運転支援にはコストが掛かるのであろう。

 

BMW 118iインプレッション、リヤ走行シーン

新型118iのラインアップは、118i スタンダード(車両本体価格・税込:334万円)/118i プレイ(同:375万円)/118i Mスポーツ(同:413万円)の3グレードを設定する。

 

エントリーユーザーからベテランまでオススメしたい

 

新型1シリーズは、予想以上に気持ち良いFFモデルに仕上がっていた。

 

最大のライバルであるフォルクスワーゲン ゴルフが8世代目となり、かなりのデジタル化を推進しているようだが、動的質感においては現行Cセグメントハッチで最もスポーティな乗り味を実現していると思う。まったりいくならゴルフは王道。対して1シリーズは上質さの中にも若さを忘れていない。

 

M135iのハンドリングにはやり過ぎの感もあるが、FR脱却からのファーストアプローチとしては思い切った英断だった。またこのハンドリングが今後洗練されて初期の輝きを失ってしまうのだとしたら、いまの内にホットなBMWのFFハンドリングを味わっておくのは悪いことじゃない。

 

また118iは、こうしたスポーティさを実にバランスよくまとめたと思う。販売の主流はSUVであるX1、キャラクターが際立つところではMINIが中心になってシーンを引っ張っていくのかもしれないが、輸入車のエントリーユーザーにとって118iはフォルクスワーゲン ゴルフ以外の選択肢になり得る。また様々なクルマを乗り継いだベテランも、納得できるミニマルさを感じてくれるのではないだろうか。

 

 

REPORT/山田弘樹(Kouki YAMADA)
PHOTO/田村 弥(Wataru TAMURA)

 

 

【SPECIFICATIONS】

BMW 118i Play

ボディサイズ:全長4335 全幅1800 全高1465mm

ホイールベース:2670mm

車両重量:1390kg

エンジン:直列3気筒DOHCターボ

総排気量:1498cc

ボア×ストローク:82.0×94.6mm

最高出力:103kW(140ps)/4600rpm

最大トルク:220Nm/1480-4200rpm

トランスミッション:7速DCT

サスペンション:前シングルジョイントスプリングストラット 後マルチリンク

駆動方式:FWD

タイヤサイズ:前後205/55R16

車両本体価格(税込):375万円

 

 

【問い合わせ】

BMW カスタマー・インタラクション・センター

TEL 0120-269-437

 

 

【関連リンク】

・BMW公式サイト

http://www.bmw.co.jp