2020年のギャツビーに捧げるグランツアラー、ロールス・ロイス レイス ブラック・バッジ

公開日 : 2019/12/27 17:55 最終更新日 : 2020/10/04 17:54


ロールス・ロイス レイス ブラック・バッジのフロントイメージ

Rolls-Royce Wraith

ロールス・ロイス レイス

 

 

ファストバックの見返り美人

 

7代目ファントムに設定されていたクーペモデルなき今となっては、「レイス」はロールス・ロイス唯一の2ドア クーペである。ドライバーが主役の現代的ロールス・ロイスとして2009年に誕生し世間をあっと言わせた4ドア サルーン「ゴースト」をベースに、ホイールベースを短縮してドアを2枚減らしファストバックスタイルを与えたモダンなこのクーペは2013年に誕生した。

 

ゴーストに比べて全長は114mm、ホイールベースが183mm短い。後ろヒンジの2枚ドアより後ろには、捕食動物の後肢のように隆々として引き締まった筋肉質なフォルムが与えられている。往年のランチア・アウレリアGTやアストンマーティンのDB4やDB5を彷彿させる、いかにもグランツアラーと呼びたくなる雰囲気をまとう。

 

前後方向を縮めた一方で、リヤトレッドは25mm拡大。1600rpmで最大トルクの820Nmを湧出する6.6リッターV型12気筒ツインターボが、全長5.2mのボディを100km/hまでわずか4.6秒で運ぶ。数字だけ聞くとスポーツカー的な加速を想像するが、加減速マナーの体感は他のロールス・ロイスに通じるエレガントなものだから、優雅に流しているつもりでも、スピードメーターの針を見て驚くことになる。

 

ロールス・ロイス レイス ブラックバッジのコクピットイメージ

GPSデータやドライバーの走行スタイルをベースに、ギア段を予測して制御する「サテライト・エイディッド・トランスミッション」を採用している

 

スポーティなシューズを履きこなす

 

ZF製8速ATの制御には「サテライト・エイディッド・トランスミッション(SAT)」を採用している。これはGPSデータを利用して、現在地やドライバーの走行スタイルを考慮しつつ、適切なギア段を予測しながら選択するというもの。そもそもシフト時のショックがほとんど感じられないV12+8速ATの組み合わせは、SATのアシストにより、ほとんど“ギア”という感覚を忘れてしまうほど滑らかに加速・減速を行う。

 

前に255/45R20、後ろに285/40R20という、ロールス・ロイス基準に照らせばずいぶんスポーティなシューズを履くが、乗り心地はあくまでしなやか。高速道路の目地などで“タンッ”と軽く段差を伝えてくるものの、ショックははるか遠くに感じられ収束も素早いから、相当集中して粗探しをするつもりで感知しない限りは気にならない。

 

ロールス・ロイス レイス ブラック・バッジのインテリアイメージ

写真は若年層から高い支持を集める“ブラック・バッジ”仕様のレイス。ドライバーオリエンテッドな仕様は、レイスのキャラクターをさらに強化する

 

スポーティなキャラクターといえども、車体をびしりとフラットに保ちノーズをぐいぐいターンインさせていくタイプでは決してない。ある程度の姿勢変化を許しながら、ひらりひらりとコーナーをクリアしていく振る舞いは、ワルツのようにエレガントに感じられる。

 

全長5.2mの2ドア クーペという贅沢の極致。ベントレー・コンチネンタルGTさえ肢体の伸びやかさでは敵わない。リヤシートのヘッドルームは意外なほど余裕があるが、ここにパセンジャーを乗せるような野暮は似合うまい。ボストンバッグとハットを放り込んで、気ままに自由に飛び回る・・・。そういう豊かで粋な現代のジェイ・ギャツビーのための1台だ。

 

スポーティ仕立てのブラックバッジ

 

ロールス・ロイスに若々しい風を送り込んだレイスには、2016年に登場するや一躍高い支持を集めてしまったビスポークシリーズ「ブラック・バッジ」がとても似合う。スピリット・オブ・エクスタシーやパンテオングリルの枠、テールパイプなどをブラック仕立てとし、インテリアにもテクニカルなイメージのカーボントリムを用いるなど、スポーティな隠し味を加えてこれまでにないロールス・ロイス像を生み出した。

 

見栄えだけでなく運動性能にも「スポーティ」なスパイスを添加。トルクをノーマル比で50Nm増強し、世界初となるカーボン樹脂とアルミ合金を組み合わせた21インチホイールを履き、エアサスもATもセッティングを見直してドライバビリティを高めている。ロールス・ロイスの特等席が後席とは限らない。レイス ブラック・バッジの特等席は、やはりなんといってもドライバーズシートなのだ。

 

 

【SPECIFICATION】

ロールス・ロイス レイス ブラック・バッジ

ボディサイズ:全長5285 全幅1947 全高1507mm

ホイールベース:3112mm

エンジン:V型12気筒DOHC48バルブツインターボ

総排気量:6591cc

最高出力:465kW(632ps)/5600rpm

最大トルク:870Nm/1700-4500rpm

トランスミッション:8速AT

駆動方式:RWD

 

車両本体価格:4306万円(消費税10%込)

 

 

【問い合わせ先】

ロールス・ロイス・モーター・カーズ 東京

TEL 03-6809-5450

 

【関連リンク】

・ロールス・ロイス・モーター・カーズ東京公式サイト

https://www.rolls-roycemotorcars-cornes.com/

 

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