ランボルギーニの象徴「カウンタック LP400」(1973-1978)【ランボルギーニ ヒストリー】

公開日 : 2020/02/02 17:55 最終更新日 : 2020/02/02 19:28

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ランボルギーニ・カウンタックLP400のフロントスタイル

Lamborghini Countach LP400

ランボルギーニ カウンタック LP400

 

 

ピンチの中で誕生した傑作「カウンタック」

 

1971年という年は、ランボルギーニのヒストリーを語るうえでは非常に重要な意味をもつ年だ。カウンタックのプロトタイプであるLP500が同年のジュネーブ・ショーで初公開されたという華やかな一面がある一方、正確には自動車を生産するアウトモビリ・ランボルギーニ社の親会社ともいえるトラクター製造会社、ランボルギーニ・トラットリーチ社の経営が大型受注の一方的なキャンセルを受けて急速に悪化。フェルッチオ・ランボルギーニはトラットリーチを売却するとともに、アウトモビリの株式も、その51%をスイスの実業家、ジョルジョ・アンリ・ロセッティに売却。それはすなわちアウトモビリにおける支配力を急速に弱めたことを意味していた。

 

だがそのような中でも、パオロ・スタンツァーニをチーフとするエンジニアリング・チームは、カウンタックのプロダクションモデルの開発に試行錯誤する日々が続いていた。ほぼ同時期には8気筒モデルのウラッコがようやくデリバリーを開始しているから、フェルッチオがランボルギーニを去る直前の数年間、スタンツァーニがいかに多忙な日々を極めたのかは想像に難くないだろう。

 

ランボルギーニ・カウンタックLP400のサイドビュー

プロトタイプのLP500から一部デザインを改めた市販型のLP400。NACAダクトの追加やリヤのエアインテークなど、主に熱対策を目的に変更が加えられた。

 

改められたスペースフレーム

 

プロトタイプのLP500をプロダクション化するための作業は、その基本構造体を見直すことから始まった。さらなる軽量化と高剛性を得るために、マセラティのバードケージにも匹敵する機能美を感じさせる、丸型、そして角型断面をもつ鋼管を組み合わせたスペースフレームが新設計され、それにルーフこそスチール製とされたものの、ほかはほとんどすべてのパートをアルミニウムとしたボディが組み合わされた。このボディはもちろん、スペースフレームやロールケージの役割を果たす上部構造体に接合されるから、美しい機能美を誇るスペースフレームは、残念ながらそれを見る機会は限られている。

 

ガンディーニが描いたボディも、主に冷却効率と空力特性を向上させるために、さまざまな改良が施された。ドアからリヤフェンダーにかけてのNACAダクトや、リヤフェンダー上のエアインテークボックス、バンパーとしての機能を果たすようになったフロントノーズや新しいサイドウインドウのフレームワークなどはその代表的な例だ。

 

ランボルギーニ・カウンタックLP400のコクピット

コクピットのデザインはプロトタイプから大きく変更された。それでも計器類を一直線に並べたデザインや高いセンタートンネルなど、独自性は強い。

 

インテリアもLP500と比較すればきわめてオーソドックスなフィニッシュとなり、左右のバケットシート間には、その下にトランスミッションが存在していることを証明するかのように幅広のセンタートンネルが存在する。

 

ランボルギーニ・カウンタックLP400のリヤスタイル

V型12気筒エンジンの排気量を4リッターに改め、車名もLP400に変更。デザイン優先のプロトタイプからより現実的になったリヤ周りだが、それも最高速度300km/h超えを実現させるためだった。

 

V型12気筒エンジンは4リッターに設定。375psを発揮

 

そしてミッドに縦置き搭載されるエンジンも、LP500の4971cc仕様から、3929ccのV型12気筒となり、それに伴って車名もLP500からLP400に変更された。最高出力は375ps。LP500の走行テストで大きな問題となった熱対策は、この搭載エンジンの変更や左右ラジエターの取り付け位置変更を見直すことなどで解消された。前後のサスペンションは、ダブルウイッシュボーン+コイルスプリングのデザインこそ変わらなかったものの、セッティングはややラグジュアリーな方向にリニューアルされた。ブレーキはフロントにガーリング製の4ピストンを、また標準装着タイヤもミシュラン製のXWXに変更されている。

 

ランボルギーニ・カウンタックLP400Sのフロントスタイル

1978年に登場した改良版のLP400S。オーバーフェンダーの採用やルーフを30mm高くするなど安定性と実用性の向上が図られた。

 

4年間で150台を販売。後に改良型のLP400Sが登場

 

最初のカウンタック、LP400はランボルギーニの記録するところによれば、1974年から1978年までに150台がデリバリーされたという。その後、1978年には改良型となるLP400Sが誕生。このLP400Sではペリスコープミラーが廃止されたほか、オーバーフェンダーの採用、そしてシリーズ途中でルーフ高が30mm高くなるなど、実用性を重視した改良が施されている。さらに大きな変更点はタイヤがピレリ製のP7に変更されたこと。サイズもフロントに205/50VR15、リヤ345/35VR15へと改められ、さらにフットワークへの安心感は高まった。また、このLP400Sではリヤウイングもオプション選択が可能だった。LP400Sはトータルで237台が生産されたという。

 

 

【SPECIFICATIONS】

ランボルギーニ カウンタック LP400

発表:1973年

エンジン:60度V型12気筒DOHC

総排気量:3929cc

圧縮比:10.5

最高出力:276kW(375ps)/8000rpm

トランスミッション:5速MT

駆動方式:RWD

車両重量:1065kg

最高速度:315km/h

 

ランボルギーニ カウンタック LP400S

発表:1978年

エンジン:60度V型12気筒DOHC

総排気量:3929cc

圧縮比:10.5

最高出力:260kW(353ps)/7500rpm

トランスミッション:5速MT

駆動方式:RWD

車両重量:1200kg

最高速度:285km/h

 

 

解説/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)