SUV対決!「ポルシェ カイエン」の実力と魅力は最新のメルセデスやBMWに勝るのか?【動画レポート】【PR】

公開日 : 2020/02/28 20:24 最終更新日 : 2020/02/29 23:25

AUTHOR :

ポルシェ・カイエン対メルセデス・ベンツGLE対BMW X5

Porsche Cayenne S vs. Mercedes-Benz GLE vs. BMW X5

ポルシェ カイエン S 対 メルセデス・ベンツ GLE 対 BMW X5

 

 

このSUV市場を開拓したのは紛れもなくポルシェ!

 

SUVはもはやブームではなく、クルマ選びの第一の選択肢となっていると言っても過言ではない。興味深いのは、この潮流が元々はプレミアムカーの世界から起きていたということだ。

 

その隆盛ぶりについて語る上では、2003年にデビューした「ポルシェ カイエン」に触れないわけにはいかない。プレミアムSUVマーケットが醸成されつつある中での、生粋のスポーツカーブランドのSUVへの参入は、まさにブームに火を点け、さらに多くのフォロワーを呼び込んで市場を大いに活性化させることとなった。その功績はきわめて大きい。

 

さて、それでは昨年、フルモデルチェンジを受けて3世代目となった新型カイエンは、当時とは様相の大きく変わったマーケットに於いて、どんな存在感を示しているのだろうか。今回は、販売上のライバルになっているという2台を連れ出し、比較を試みた。

 

ポルシェ・カイエンSの走行シーン

SUVであっても911や718のようなスポーツ性を味わえるのがカイエンの魅力。まさにポルシェらしい完成度で、唯一無二の存在である。

 

カイエンはスポーツカー!

 

今回、用意されたのは「カイエン S」。その心臓はV型6気筒2.9リッターツインターボユニットで、最高出力440ps、最大トルク550Nmを発生する。

 

私自身、日本導入直後以来、久々にステアリングを握った新型カイエンが、まさに走り始めた瞬間から「これは紛れもないスポーツカーだ」という印象をもたらしたのには驚いた。何より鮮烈なのがステアリングフィールの滑らかさ。応答はきわめて正確で、それだけで上等な機械を操っているという歓びがこみ上げてくるかのようだ。

 

手応えがいいだけでなく、実際によく曲がる。試乗車は電子制御式可変アンチロールバーのポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロール、そしてリヤ・アクスル・ステアリングを備えていたこともあるが「このくらいの車体の大きさ、重さならこれくらいだろう」という読みを裏切るくらいグイグイと、まるで巻き込んでいくかのようにコーナーのイン側を抉り取っていくのは痛快と言うほかない。

 

ポルシェ・カイエンSの走行シーン

高回転域までスムーズに回るどころか、トップエンドで最後のひと伸びまで待っている3リッターV6エンジン。優れたシャシーとともに、ポルシェのプライドを感じさせる出来栄えだ。

 

引き締まったシャシーに高回転まで回したくなるV6エンジン

 

嬉しいのは、そのすべての瞬間にドライバーとの一体感、極上のリニアリティが漲っていることだ。前6ピストン、後4ピストンのアルミモノブロックキャリパーを用いたブレーキは強力な制動性を誇るだけでなく、コントロール性、特にペダルを抜いて姿勢を戻していく時のそれが非常に秀逸。ノーズを沈め、それを戻しながらステアリングを切り込んでいき、旋回挙動に入るまでの意のままになる感覚こそ、まさにスポーツカーだと実感させる一番のポイントである。

 

アクセル操作に対して遅れ無しにクルマが前に出る軽快さも気分を弾ませる。全域でしっかりトルクが出ているおかげで、その先の加速感もリニアリティは上々。ここも単に速い遅いではない、操る醍醐味に繋がっている。それでいて、このカイエン S用ユニットには、トップエンドでご褒美のような最後のひと伸びが待っているから、ついつい上まで回したくなるのが小憎らしい。

 

その一方で、乗り心地は全体に引き締まった感触ではある。エアサスペンション付きでも基本的にそれは変わらない。しかしながらボディはきわめて堅牢だし、どんなにうねった路面だろうとフラフラ、グラグラとしたりせずピタッと路面に吸い付くような感触がもたらされるのは見事。要するに、その走りは911と同じ匂いのする、まさしくポルシェであったわけだ。

 

ポルシェ・カイエン対メルセデス・ベンツGLE

とにかく快適性の高さが際立つメルセデス・ベンツ GLE。エアマティックサスペンションの完成度は見事で、常にフラットな姿勢を維持する。

 

巨大で重圧感たっぷりのメルセデス・ベンツ GLE

 

続いて「メルセデス・ベンツ GLE 400d 4マティック スポーツ」に乗り換える。思わず「巨大な」と評したくなるボディは、全長こそカイエンより20mm長いだけだが、全幅は2020mm、全高は1780mmと格段に大きく、見た目の重厚感は凄まじい。このサイズだけにシートは3列が標準となった。

 

運転席まわりは、最新のメルセデスに共通のワイドスクリーンコクピットを採用。ずらり並んだスイッチ類、エアアウトレット、イルミネーション等々と相まって、何とも華やか、にぎやかな雰囲気だ。

 

走りっぷりも、そんな体躯に相応しいテイスト。とにかく、そのタッチの柔らかさには驚くほどである。ちょっとしたうねりでもノーズが上下にゆらりと動いて、乗り心地は、何だか船に乗っているかのよう。それでも姿勢自体はフラットに保たれるのがこのエアマティックサスペンションの見事なところだが、スローなステアリングともども、あまり飛ばそうという気にはさせない。

 

メルセデス・ベンツGLEの走行シーン

3リッター直列6気筒ディーゼルエンジンを積むメルセデス・ベンツ GLE 400d 4マティック スポーツ。滑らかで静粛なうえ、700Nmものトルクで余裕の加速を見せる一方、穏やかに走りたくなる仕上がりだ。実にメルセデスらしい1台である。

 

穏やかに走りたくなるメルセデス流の乗り味

 

ワインディングロードでは、SPORTモードに切り替えた方が安心感が高まる。それでも乗り心地は決して硬くはなく、ドライバー目線ではむしろちょうど良いくらい。車検証数値で2420kgとカイエンより240kgも嵩む車重、控えめなタイヤグリップのおかげで攻めた走りには向かないが、挙動自体は安定している。

 

直列6気筒3.0リッターディーゼルエンジンは、上りで高負荷がかかると多少賑やかになるが、定常運転時にはきわめて静粛、そして滑らか。しかも700Nmもの最大トルクを誇るだけに加速も余裕たっぷりだ。

 

グレード名に“スポーツ“とは入っているが、シャシーもパワートレインも、やはり穏やかに走りたくなる、そのように走ってこそ真価が発揮できるのが、GLEというクルマである。カイエンとはまったく異なる性格。まさに、メルセデスらしいクルマに仕上がっている。

 

ポルシェ・カイエン対BMW X5

これまでのBMWのイメージをそのままSUVに転用したかのようなX5。試乗車のX5 xDrive35d Mスポーツが搭載する3リッター直列6気筒ディーゼルエンジンも昂揚感たっぷりで軽やかに回る。

 

見た目とは違い、軽やかさが際立つBMW X5

 

「BMW X5」は、SAV(Sports Activity Vehicle)と自ら呼び、従来のSUVとは異なる価値をもつモデルとアピールしている。乗用車でありながらスポーティというBMWのイメージをそのままSUVに反映させた、そのキャラクターは初代モデル以来、今に至るまで変わらないX5らしさと言える。

 

こちらも車体は、GLEに負けず劣らず大きい。全長は5mm短いだけ。全幅は15mm狭いがそれでも2m超えとなる。車重は2320kgとやはりカイエンより重いが、GLEほどではない。そして同様に、こちらも3列シート7人乗りとなる(試乗車は5人乗り仕様)。

 

エンジンも同じくディーゼルとなる試乗車のBMW X5 xDrive35d Mスポーツは、乗り換えるとやはりはるかに軽やかな走りで魅了してくる。ディーゼルとは思えないくらい軽やかに、そして緻密に吹け上がる直列6気筒3.0リッターユニットは気分を昂揚させる要素。GLEよりパワーもトルクも劣るが、その分、繊細なフィーリングで回す歓びがある。

 

BMW X5の並走シーン

X5は、全体的にスポーティな乗用車という印象で、SPORTモードにしてもサスペンションは柔らかい。それでもよく曲がり、常に軽快。この走りは如何にもBMW的だ。

 

X5はスポーティな乗用車

 

コーナリングも車体の大きさを意識させることなく、よく曲がってくれる。但し一方で、全体に上屋の動きが大きいのは気になった。標準装備のエアサスペンションが比較的柔らかめで、それは乗り心地にはプラスに働いてはいるのだが、SPORTモードにしても尚、コーナーの度に身体が前後左右に振られてしまうのだ。ドライビングポジションのせいでもあるが、この辺りは、やはりスポーツカーというよりスポーティな乗用車だと感じさせるところである。

 

とはいえ、高い実用性を誇りながら軽快な走りを可能にするというのがBMWらしさであるのは確かだ。要するにX5もまた、ブランドの哲学に忠実な1台と評するべきだろう。

 

ポルシェ・カイエン対メルセデス・ベンツGLE対BMW X5

今回3台を比較して痛感したのは、スポーツカーメーカーと乗用車メーカーとの差。カイエンは紛れもなくポルシェ流のSUVで基本がスポーツ。対するメルセデス・ベンツとBMWは、快適性の高さを軸にして運動性能を高めたという印象だ。

 

カイエンは別物。スポーツカーメーカーと乗用車メーカーの違いは明確

 

さすがマーケットを牽引する3台だけに、どれも完成度には甲乙つけがたいものがあった。カイエンが2列、他の2台が3列シートという違いはあるが、実用性はいずれも申し分無いものだし、先進安全技術も今欲しいものはすべて揃うと言っていい。一方で、個性はそれぞれ明確に異なっていて、同じようなカテゴリーに居てもドライブフィーリングはまったく似てはいない。どれを選んでも満足度は高そうだ。

 

それでも敢えて言えば、主にその快適性含めた走りっぷりから得た印象として、同じプレミアムという枠組みの中にあっても、乗用車メーカーのSUVとスポーツカーメーカーのそれとは目指している境地は、やはり別個のものだという感じは受けた。その意味で、GLEとX5はカイエンのライバルと言うべきではないかもしれない。911を、Eクラスや5シリーズと較べたりはしないように。

 

個人的には、マセラティ レヴァンテやレンジローバー スポーツといったモデルとの比較に興味が募る。今後はアストンマーティン DBXとも直接対峙することになるのだろう。いずれにしてもカイエンというモデルが、未だこのプレミアムSUVというカテゴリーに於いて、紛れもなくスポーツカーとしての資質をもつ、特異な存在感を放つ存在であり続けていることは間違いなさそうだ。

 

 

REPORT/島下泰久(Yasuhisa SHIMASHITA)

PHOTO/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)

 

 

【SPECIFICATIONS】

ポルシェ カイエン S

ボディサイズ:全長4920 全幅1985 全高1695mm
ホイールベース:2895mm
車両重量:2080kg
エンジン:V型6気筒DOHCツインターボ
総排気量:2894cc
最高出力:324kW(440ps)/5700–6600rpm
最大トルク:550Nm/1800–5500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前後マルチリンク
タイヤサイズ:前255/55ZR19 後275/50ZR19
0-100km/h加速:5.2秒(スポーツクロノパッケージ:4.9秒)
最高速度:265km/h

車両本体価格:1354万6296円

 

メルセデス・ベンツ GLE 400d 4マティック スポーツ

ボディサイズ:全長4940 全幅2020 全高1780mm
ホイールベース:2995mm
車両重量:2420kg
エンジン:直列6気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:2925cc
最高出力:243kW(330ps)/3600–4000rpm
最大トルク:700Nm/1200–3000rpm
トランスミッション:9速AT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
タイヤサイズ:前後275/50R20 
0-100km/h加速:5.8秒
最高速度:240km/h

車両本体価格:1109万円(テスト車:1136万6000円)

 

BMW X5 35d Mスポーツ

ボディサイズ:全長4935 全幅2005 全高1770mm
ホイールベース:2975mm
車両重量:2190kg
エンジン:直列6気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:2992cc
最高出力:195kW(265ps)/4000rpm
最大トルク:620Nm/2000–2500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
タイヤサイズ:前275/45R20 後305/40R20
0-100km/h加速:6.5秒
最高速度:230km/h

車両本体価格:1031万円(テスト車:1283万1000円)

 

 

【問い合わせ】

ポルシェ カスタマーケアセンター

TEL 0120-846-911

 

メルセデス・コール

TEL 0120-190-610

 

BMWカスタマー・インタラクション・センター

TEL 0120-269-437

 

 

【関連リンク】

・ポルシェ ジャパン 公式サイト

https://www.porsche.com/japan/

 

・メルセデス・ベンツ公式サイト

https://www.mercedes-benz.co.jp/

 

・BMW公式サイト

https://www.bmw.co.jp