007最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』に登場するアストンマーティン DBSを駆る!【ボンドカー特集】

アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラの走行シーン

Aston Martin DBS Superleggera

アストンマーティン DBS スーパーレッジェーラ

 

 

最新作に登場するのは最新のDBS

 

私の名はボンド。ジェームズ・ボンド。

 

これまで数多くのミッションをこなし、過酷な任務に耐えてきた私だが、2月のイギリスは・・・絶望的に寒い。雪だった天気予報が外れて晴れているのは、私の日頃の行い以外の何ものでもないが、突風のように吹き荒れる風は寒さを通り越して、ワルサーPPKで蜂の巣にされるように痛い。

 

さぁ、早く次のクルマに乗せてくれ!

 

お、これは最新のフラッグシップGT「アストンマーティン DBS スーパーレッジェーラ」じゃないか。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、私に変わって新しい“ダブル・オー”のコードネームを得た諜報部員を演じるラシャーナ・リンチのボンドカーとして出てくるらしいな。このあたりの詳しい話は映画館で確認してくれたまえ(公開は11月まで延期)。

 

 

アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラのフロントスタイル

4月10日より公開される007シリーズ最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』に登場するアストンマーティン DBS スーパーレッジェーラ。725ps&900Nmを誇るフラッグシップが如何なる走りを披露してくれるのか? 公開が待ち遠しい。

 

全身黒づくめのフラッグシップ

 

GENROQ Webをお読みの諸兄には馬の耳に念仏かもしれないが、DBS スーパーレッジェーラは、DB11をベースとしたハイパフォーマンスGTだ。スーパーレッジェーラ(超軽量)の名に相応しくボディにカーボンファイバーを多用し軽量化。ノーズに収まるのは725ps、900Nmにまでチューンした5.2リッターV12ツインターボ。そのパフォーマンスを支えるためCCBカーボンディスクや前後スポイラー、機械式LSDなどを標準で装備しており、最高速度は340km/h、0→100km/h加速は3.6秒という途方もないパフォーマンスをもっている。

 

なるほど、外装も内装も全身黒づくめか。隠密行動には最適だな。が、しかし、スターターボタンを押すと周りの全員が振り返るほどの爆音を発するではないか。そういう意味ではアイドリングがシュルシュルと静かだったDB5は、意外とスパイ向きのクルマだったのかもしれない。

 

スペックから想像するまでもなく、このクルマは本当に速い。DB5を大戦中のスピットファイアとするならDBS スーパーレッジェーラは最新のユーロファイター・タイフーンくらいの差があると言っていいだろう。わずか1.7kmほどしかないストゥ・サーキットでは完全に持て余すほどのポテンシャルで、あっという間に1周してしまう。某国からやってきたスパイ(ジャーナリストともいう)の運転するDB5を何回ラップしたかわからないくらいだ。

 

アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラの走行シーン

映画に使用されたとはいえ、今回のボンドカーはほぼノーマル。派手な走行を邪魔しないようにトルクベクタリングのみ外されているという。

 

マット・ベッカーの仕事はQと同等レベル?

 

確かに725psとV8に比べても倍以上の出力を発揮するV12ツインターボの圧倒的な加速感、そして扱いやすさは鮮烈だが、それ以上に驚いたのはクイックかつシュアなハンドリングだ。もちろんブレーキによるトルクベクタリングなどの電子デバイスが介在している恩恵なのだろうが、とても全長4.7m、車重1.8トンの巨体を運転してるとは思えないほど、スイスイとコーナーをクリアするのだ。

 

何々? このクルマを造り上げたのはマット・ベッカーという男なのか? どうやら現代の“Q”も素晴らしい仕事をしてくれるようだな。

そこでもっと驚いたのは、映画で使ったこのボンドカーがチューニングなどを一切施していない、プロダクションラインから引き抜いただけのまったくのノーマルであるということだ。やったことといえば、撮影時に派手なアクションを撮るためにトルクベクタリングをカットしたくらいだという。

 

前作『スペクター』の時にはわざわざ私専用のDB10を造ってくれたというのに、MI6も経費削減の荒波には逆らえないということか・・・と落胆しかけたていたのだが、実際に乗ってみてよくわかった。もはやボンドカーを特別にあつらえるまでもなく、市販の状態で十分にボンドカーの資格を持つレベルにまで、アストンマーティンは進化を遂げているのだ。

 

アストンマーティン・ヴァルハラのフロントスタイル

今回行われた一連の「ボンドカー」試乗会では、なんとハイパーカーのヴァルハラも展示されていた。走行シーンの写真が公開されているところを見ると完成は間近のようだ。もちろん、このステアリングを握ろうとチャンスを狙っていたが、さすがに許されなかった・・・。

 

J.ボンドでも許されなかった、ヴァルハラの試乗

 

余談だが、今回の作品には2021年に500台限定で販売されるミッドシップ・スーパースポーツの「ヴァルハラ」も登場することになっている。会場には実車も置いてあったが、走行も内部を開けることもNGであった。私は紳士なので担当氏のご機嫌を伺いつつ、そっとクルマの外側から観察してみるに留めたが、東京でお披露目されたモックアップと違い、テールから覗くリヤエンジンベイには何らかのパワートレインが入っている様子だったし、コクピットも何やら無数のボタンのついたステアリングが付くなど、より実戦的なものになっていた。イギリスのレジスターナンバーも付いていたから、実走可能なプロトタイプの1台なのだろう。

 

このあたりについては、引き続き諜報部員たちからの情報を待つしかないようだ。

 

 

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