BMW、次期型電動SUV「iNext」を砂漠でテスト。なぜ彼らは灼熱と砂埃の中で試験をするのか?

公開日 : 2020/03/01 06:30 最終更新日 : 2020/03/01 06:30


BMW iNextプロトタイプのフロント走行イメージ

BMW iNext

BMW iNext

 

 

次期型電動SUVのiNextは2021年生産開始

 

BMWは現在次期型高級電動SAV「iNext」を開発中だ。

 

第5世代に進化する「eDrive」を搭載したフル電動のSAVは、最新のレベル3自動運転システムを採用。600kmを超える航続距離を標榜し、2021年からディンゴルフィング工場での量産開始を予定している。

 

BMW iNextプロトタイプの正面走行イメージ

擬装が施されたBMW iNextプロトタイプ。車体前面には「GOVERNMENT APPROVED HIGH SPEED SAFETY TEST(政府承認による高速走行安全試験)」の文字が。

 

テストトラックは「砂漠」と「サバンナ」

 

砂地や岩場、絶えず巻き起こる埃。じりじりと焼き付ける太陽。灼熱地帯におけるプロトタイプのテストはBMWのすべてのクルマにとって欠くべからざる要件のひとつだ。

 

今回iNextが開発テストを行った舞台は、南アフリカのカラハリ砂漠地帯、およサバンナ地帯。灼熱の太陽が照りつける酷暑のもと、土煙や砂埃、どこまでも続く未舗装路という過酷な状況下におけるテストを敢行した。

 

BMW iNextプロトタイプのサイドビュー

砂塵が絶えず巻き上がるサバンナの地では、ドアやボンネットなどの可動部品の密閉品質なども試される。

 

試される静的・動的なポテンシャル

 

ドライブトレーンやサスペンションの試験はもとより、焼け付くような暑さの中でもフル電動モビリティの安全性や信頼性、耐久性が確保できるよう徹底的なテスト走行を実施。

 

車体そのものの品質や運転支援システム、デジタル周りの性能も評価する。砂丘や砂利道、険しい悪路がひた続く場所は、コンポーネンツ類の耐久性だけでなく4輪駆動システムの評価・分析にも最適なテストトラックだ。動的・静的の両面で車両のポテンシャルを確認、高めていく。

 

BMW iNextプロトタイプのサイド走行イメージ

日中は灼熱、夜間は急激に気温の下がる環境下においては、樹脂などの内装材も多大なストレスにさらされる。

 

携帯電話すら使えない環境

 

携帯電話がまたたく間に使用できなくなる過酷な環境の中でも、iNextの冷却システムや高圧バッテリー、モーター、各電装品類が問題なく稼働することが確認されたという。

 

昼間は温度計の針を振り切るほど灼熱でも、夜間には急激に気温が降下する砂漠地帯では、各種機器の耐久性はもとより、内装材の品質も試される。急激な気温の変化が起きたとしても、トリムにひび割れが入ったり、破断由来によるノイズが生じるなど、BMWの車内には許されない。

 

同時に、塵や埃、砂に終始さらされるカラハリ砂漠は、各フラップ類やドア、ボンネットなどの可動部品の耐久性を見る上でも最適な環境といえる。砂丘や埃っぽい低木地帯で数千kmにおよぶテスト走行を行なう間、iNextのキャビンに砂埃が侵入するようなことは一切なかったという。

 

BMW iNextプロトタイプの正面走行イメージ

ひたすらに続く悪路では、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)として備えるべき優れたトラクション性能も徹底的に鍛えられる。

 

氷上から岩場、ニュルブルクリンクまで

 

iNextはすでにスウェーデン・アリエプローグのBMWグループ・ウィンターテストセンターで寒冷地テストを行っている。北極圏からおよそ55kmという極寒の地で、氷点下におけるバッテリーシステムの再充電プロセス、電気モーターへの電力供給、暖房などの空調システムがどのように反応するかなど、時間をかけて分析。低μ路におけるダイナミクス性能も含め、各テストをひたすら繰り返した。

 

BMW iNextプロトタイプのリヤ走行イメージ

レベル3の自動運転機能と600km超の航続距離を標榜するiNextは、2021年より生産が開始される。

 

もちろんBMWモデルの通例として、南アフリカのミラマスのテストセンターやニュルブルクリンク・北コースをはじめとしたターマックでの高速テストも徹底的に実施する。

 

高速道路やストップ&ゴーの多い都心部、急激な気温変化、氷や雪の低μ路から砂漠や岩場がひたすら続く悪路まで、iNextのプロトタイプはあらゆるストレスフルな環境下で日夜テストに供されている。顧客とこれから送ることになる何年にもわたる毎日の中で、あらゆる状況に耐えられるように。