マクラーレン 765LTに見る「軽さ」への驚異的なこだわり。ロングテール最新作の軽量化策とは

公開日 : 2020/03/04 06:30 最終更新日 : 2020/03/04 06:30


マクラーレン765LTのフロントイメージ

McLaren 765LT

マクラーレン765LT

 

 

「ロングテール」を名乗ることのできる条件

 

マクラーレン・オートモーティブは、2020年3月3日に「LT」の称号を冠する最新スーパースポーツ「765LT」を公開した。

 

765LTは“ロングテール”の称号を与えられた特別なモデルとして徹底した軽量化とエアロダイナミクスを追求している。重量は720S クーペ比で80kg軽い1339kg(DIN)。

 

マクラーレン765LTの俯瞰目イメージ

マクラーレン765LTは、軽量化を徹底することで720S クーペ比で80kg軽い車重1339kg(DIN)を実現した。

 

乾燥重量1299kgで765ps&800Nmを実現

 

720Sに搭載する4リッターV8ツインターボ(M840T)に改良を加え、最高出力はプラス45psの765ps、最大トルクがプラス30Nmの800Nmを発揮。最軽量仕様の乾燥重量は1229kgで、パワーウェイトレシオはクラストップレベルの622ps/トンを実現している。

 

それにより、0-100km/h加速は2.8秒、0-200km/h加速が7.2秒という加速性能を手に入れた。最高速度は330km/hに達する。

 

マクラーレン765LTのテールイメージ

765LTのアクティブリヤウィングやリヤバンパーは、英国ヨークシャーにあるマクラーレン・コンポジット・テクノロジー・センター(MCTC)で生産される。

 

ボンネットやドアパネルにもカーボンを選択可能

 

主な軽量化の施策としては、主にカーボンファイバー製ボディパネルやチタン製エキゾーストシステム、軽量デュアルサスペンション、ボリカーボネート素材の活用などが上げられる。

 

フロントスプリッターやフロントバンパー、フロントフロア、サイドスカート、リヤバンパー、リヤウイング、リヤディフューザーはもとより、ライセンスプレートのホルダーさえカーボンファイバーを使用。ボンネットやフロントフェンダー、ドア、リヤフェンダーは軽量なアルミニウム製だが、さらなる軽量化を望む顧客にはオプションでカーボンファイバーを選択することもできる。

 

マクラーレン765LTのサイドビュー

ボンネットやフロントフェンダー、ドア、リヤフェンダーは軽量なアルミニウム製。オプションでカーボンファイバーを選択することも可能だ。

 

ホイール&タイヤで22kgの軽量化

 

アクティブリヤウィング、リヤバンパー、ワンピース型のフロントのフロアセクションは英国ヨークシャーにあるマクラーレン・コンポジット・テクノロジー・センター(MCTC)で設計、開発および生産される。マクラーレンのロードカーとしては初めてMCTC製のカーボンファイバー製ボディコンポーネントを採用することになる。

 

トランスミッションのファイナルドライブにはF1で使用されるニッケルクロム鋼、20NiChを使用。リチウムイオンバッテリーにも720S比で3kg軽いものを採用している。

 

10本スポークのウルトラライトウェイト鍛造アルミホイールは765LTのために新設計されたもの。チタン製ボルトと専用設計のピレリPゼロ トロフェオ Rタイヤを組み合わせ、720Sの標準装備のホイール&タイヤと比較して22kgの軽量化を果たしている。

 

マクラーレン765LTのフロントホイールイメージ

チタン製ボルトや専用設計のピレリPゼロ トロフェオ Rタイヤを組み合わせ、720Sの標準装備ホイール&タイヤと比で22kgの軽量化を実現。

 

ポリカーボネート製スクリーンも採用

 

また、サイドウィンドウおよびフロントウインドウの厚みも削減。透明パネルを備えたCピラーとリヤスクリーンには軽量なポリカーボネートを使用している。ディへドラル・ドアの上部にもカーボンファイバー製パネルを配置した。

 

100%チタン製のエキゾーストシステムの重量も10.9kgと、スチール製システムに比べると40%軽い。720Sのエキゾーストシステムに比べても3.8kg重量を削減している。

 

マクラーレン765LTのエンジンコンパートメントイメージ

765LTの最軽量仕様の乾燥重量は1229kg。最高出力765ps、最大トルク800Nmでパワーウェイトレシオはクラストップレベルの622ps/トンを実現したという。

 

オーディオとエアコンは無償のオプション設定

 

キャビンでは、720Sより18kg軽量なカーボンファイバー製シェルのレーシングシートを標準装備。それぞれのシェル重量は3.35kgで、マクラーレン セナのために開発されたカーボンファイバーを用いたシートは、従来のカーボンファイバー工程で作られたシートシェルに比べて重量を1/3に抑えられるという。

 

センタートンネルのカーボンパーツはわずか0.8mmの薄さを実現している。さらに、ウインドウの開閉スイッチやアクティブ・ダイナミクス・パネル(ADP)周辺にもカーボン素材を取り入れることでグラム単位での軽量化を追求している。

 

コクピットの広い範囲で使われているアルカンターラも軽量仕様であり、平らはフロア部分にはカーペットも装着しない程の徹底ぶり。ステアリングのチルト&テレスコピック調整もマニュアル式だ。軽量化施策の一環としてエアコンとオーディオシステムも標準では搭載していないが、追加コスト無しでオプション装着することもできる。

 

マクラーレン765LTのコクピットイメージ

ステアリングのチルト&テレスコ機構も手動式として軽さを追求。エアコンとオーディオは標準では非装着だが、追加コスト無しでオプション設定することができる。

 

グラム単位で軽量化を追求したロングテールの新章

 

マクラーレン 765LTのチーフエンジニア、ジェームズ・ワーナーは説明する。

 

「マクラーレンLTは、可能性の限界をさらに押し広げることはできるのか否かを我々に問いかけるモデルです。とりわけ挑むべきは重量の削減であり、765LTもその例に漏れません。720SはそれまでのLTで培われてきた革新的施策を活用し、すでに素晴らしい軽さを実現していました」

 

マクラーレン765LTのリヤ走行イメージ

サイドウィンドウおよびフロントウィンドウも薄くするとともに、透明パネルを備えたCピラーとリヤスクリーンには軽量なポリカーボネートを採用。軽量化施策や様々なメカニズム見直しにより0-100km/h加速2.8秒という性能を手に入れた。

 

「しかし我々はさらなる軽量化を目指し、車両のあらゆる部分を精査したのです。たとえばサスペンションで1.5kgを削減、ビスポークで作り上げたセンタートンネルで1.4kgの軽量化を実現。オプションのカーボンファイバー製フェンダーを選択すれば、標準装備のパネルに比べてさらに1.2kgのダイエットが可能になりました」

 

グラム単位での軽量化を追求した765LTは、マクラーレンの“ロングテール”シリーズの新しい1ページを刻む。生産台数はわずか765台。デリバリーは2020年9月を予定しており、まもなく価格も発表される模様だ。

 

【SPECIFICATIONS】

マクラーレン 765LT

ボディサイズ:全長4600 全幅1930 全高1157mm

ホイールベース:2670mm

トレッド:前1656 後1612mm

乾燥重量:1229kg

エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ

総排気量:3994cc

最高出力:563kW(765ps)/7500rpm

最大トルク:800Nm/5500rpm

トランスミッション:7速DCT

駆動方式:RWD

サスペンション形式:前後ダブルウイッシュボーン(プロアクティブ・シャシー・コントロール2)

ブレーキ:前後カーボンセラミックディスク

ローター径:前390mm 後380mm

タイヤサイズ(リム幅):前245/35R19(9J) 後305/30R20(11J)

最高速度:330km/h

0→100km/h加速:2.9秒

0→400m/h加速:10秒以下(目標値)

 

 

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