ケーニグセグ初の4シーターモデル「ジェメーラ」誕生! 3気筒+3モーターにより1700psを実現

公開日 : 2020/03/04 16:44 最終更新日 : 2021/07/19 13:11

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ケーニグセグ・ジェメーラのスタイリング

Koenigsegg Gemera

ケーニグセグ ジェメーラ

 

 

究極のパフォーマンスとラグジュアリーの融合

 

今年のジュネーブ・ショーが予定どおりに開催されていれば、このケーニグゼグのニューモデルは、どれだけ大きなトピックスとなっていただろうか。「ジェメーラ」とネーミングされたそれは、ケーニグゼグが掲げた、mW(メガワットカー)の新作。最高出力で1mW、すなわち約1360psを超えるパワーを誇るモデルを彼らはそう表現するが、このジェメーラもまたそのスペックだけでも大きな話題を呼んだに違いない。

 

だが長くケーニグゼグのモデルを見続けてきたファン、そしてカスタマーにはそのボディデザインが、これまでとはやや異なるコンセプトであることに気づくだろう。ケーニグゼグは、実質的なファーストモデルとなったCC8Sからイルカのような水中生物をモチーフとしたデザインを採用してきたが、今回はその特徴がやや薄まってしまったようにも見える。

 

ケーニグセグ・ジェメーラのフロントスタイル

コンセプトは究極のパフォーマンスとラグジュアリーの融合。2003年の創業時よりCEOのクリスチャン・フォン・ケーニグセグが描いていた構想だったという。

 

その理由はケーニグゼグのCEOであるクリスチャン・フォン・ケーニグゼグが、実に2003年から描いていたひとつの夢に理由があった。それは究極のパフォーマンスとラグジュアリーを同時に提供することができる、コクーニング(マイホーム主義)者のためのモデルを生み出すこと。2003年当時のケーニグゼグは、まだ創業から間もない頃であり、複数のモデルを製作することはもちろん不可能だったが、それから17年間という時間で彼らはハイパーカーの市場をリードするブランドとして確実に認知されるようになった。クリスチャンの夢を実現するチャンス、それがまさにここに訪れたのだ。

 

ケーニグセグ・ジェメーラのシート

軽量かつ革新的、そして高い快適性を狙ったキャビン。11スピーカー&サブウーファーを備えるなど、ラグジュアリーカーの条件も揃えている。

 

初の4シーターモデル

 

ジェメーラのデザインを担当したサーシャ・セリファノフは、これまでのラップラウンドウインドウシールドを持っていたケーニグゼグ車のイメージを損なわずに、4シーターのキャビンを生み出すことの難しさを、あたかも卵を作るかのように繊細な作業だったと語る。左右のドアはさらに大型化され、Bピラーが存在しないため後席へのアクセスも容易に行えるようにデザインされた。

 

前後のシートは、ライトウエイト(軽量)、イノベーティブ(革新)、コンフォータブル(快適)が開発のテーマだ。製作のための時間も費用も大きくなるプリプレグ製法によるシートは、通常の同サイズのものと比較して25kgも軽量。前後のシートのみで約100kgの軽量化が可能になったとケーニグゼグは胸を張る。キャビンに11スピーカーとサブウーファーによる最高級オーディオが装備されるほか、フロントとリヤの両方に13インチのセンタースクリーンを装備。オプションではWi-Fiシステムの搭載も可能だ。バックとサイドのミラーはデジタル化され、ドライバーはダッシュボード左右のモニターとセンターミラーに代わるリヤビューカメラで前後左右、そして上方からの360度の画像を見ることができる。

 

ケーニグセグ・ジェメーラのリヤからの走行イメージ

ミッドに2リッター3気筒ツインターボエンジンを搭載し、それに3基の電気モーターを組み合わせるジェメーラ。システム合計出力は実に1700psを誇る。まさにメガワットカーだ。

 

3気筒ツインターボ+3モーター=1700ps!

 

ジェメーラのパワーユニットは「ケーニグゼグ・タイニー・フレンドリー・ジャイアント(ケーニグゼグの小さく、そして優しい巨人)とネーミングされたドライサンプ方式の1987cc直列3気筒ガソリンエンジンを核とするもの。これにツインターボを組み合わせることで、まず600psの最高出力と600Nmの最大トルクを得ている。エンジンは70kgと軽量で、スロベニアのアクラポビッチと共同開発した上方排気のエグゾーストシステムは、後方からもその存在が確認できる。搭載位置はもちろんミッドシップ。軽量なだけではなくコンパクトなその設計が、一見フロントエンジンかとも思わせる美しいボディラインを生み出している。

 

さらにケーニグゼグは、3基のエレクトリックモーターをこのジェメーラに搭載している。最高出力で500psのモーターを左右各々の後輪に、そしてクランクシャフトに直結された400psのモーターは、エンジンからのパワーとともに、前輪を駆動するために用いられる。ただしトータルの最高出力は1700psに抑えられるという。

 

ケーニグセグ・ジェメーラのコクピット

独創的なコクピットはケーニグセグならでは。従来のドアミラーの代わりにカメラを備え、ダッシュボード左右にモニター配置。360度モニターを備えるなど、新世代らしい装備も際立つ。

 

300台の限定生産

 

カーボンファイバーをセンターモノコックに採用し、その前後にアルミニウム製のサブフレームを接続。サスペンションは前後ともダブルウイッシュボーンで、タイヤはフロントに21インチ、リヤに22インチを選択。4輪操舵やトルクベクタリング機構の採用も大きな話題といえる。ボディはそのほとんどのパートをやはりカーボンで成型する。全長×全幅×全高で4975×1988×1295mmというボディサイズでありながら、1715kgの乾燥重量を達成。残念ながら今回はそのテストデータは公開されなかったが、ケーニグゼグの新作だけに世界を驚かせる数字が並ぶことだろう。ちなみにバッテリーは16.6kWhを搭載。エレクトリックモーターのみでも50kmの走行が可能であるほか、直列3気筒エンジンでは950kmの走行ができる。トータルのレンジは実に1000kmを超えるというから、ケーニグゼグのメガワットカーに対する印象は、この4シーターモデルで大きく変わるのは間違いないだろう。参考までにジェメーラの生産は300台の限定で行われる予定だ。