新型シボレー コルベット初試乗! 実車に触れた、島下泰久の第一印象とは【C8 試乗記 前編】

公開日 : 2020/03/05 11:50 最終更新日 : 2020/03/06 15:57

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シボレーコルベットのブルーとレッドカラーの絡み

CHEVROLET CORVETTE

シボレー コルベット

 

 

FRからミッドシップに変更した理由

 

FRからミッドシップへと、通算8世代目にして大変革を果たしたシボレー コルベットを、いよいよ試すチャンスがやってきた。場所はアメリカ ラスベガスと、その近郊。一般道からワインディングロード、サーキットまで存分に走らせることができた。

 

何しろ約65年もの歴史をFRスポーツカーとして過ごしてきた上でのことだけに、ミッドシップ化はいかにも唐突に思えるのは事実だ。WECやウェザーテック・スポーツカーシリーズで戦うコルベット レーシングからの要望もあったには違いないが、開発陣によればC7型ですでにFRレイアウトの限界を究めたという思いが何より強い動機だったという。

 

シボレーコルベットのサイドビュー

約65年にも及ぶFRレイアウトに限界を感じ、ミッドシップへと移行することを決意した8代目コルベット。真横から見るプロポーションはミッドシップと認識させながらも、これまで同様にコルベットらしさを感じさせる。

 

「最高峰のZR1ではFRレイアウトでは限界といえる最高出力766hpまで達しました。その上のパフォーマンス、そして感動を実現するにはミッドシップ化しかなかったんです」

 

シボレー・パフォーマンスカーズのヴィークルパフォーマンスエンジニア、リードヴィークルダイナミクス-ライド&ハンドリングのスティーブ.A.パディラ氏はこう説明してくれた。実際、現行C7が世に出た頃にはミッドシップシャシーの開発が始まっており、2014年には最初のテスト車が走っていたという。

 

シボレーコルベットのリヤスタイル

ミッドシップとなったとはいえ、リヤ周りのデザインもまさにコルベット。デザイナー曰く、サイド面と水平な上面を鋭角なエッジで繋いだ線が車両全体を一周していてトレー状となっているのが、コルベットの識別点だと語っている。

 

デザインはジェット戦闘機がモチーフ

 

当然、車体は完全に新設計。素材は押出材を中心に鋳造部品、プレス成形品といったアルミニウムを主体とし、更にFRP、マグネシウム、CFRPなどによって構成されている。デザインはプロポーションだけでなくディテールも大きく変わっているが、エクステリアデザイナーは切り立ったサイド面と水平な上面を鋭角なエッジで繋いだ線がクルマ全体を一周していてトレー状となっているのが、コルベットの識別点だと強調していた。確かに、特にリヤセクションは四連テールランプも相まって、それっぽい雰囲気は強い。キャビン背後にはエンジンの姿もアピールされている。いずれにせよ全体にかなり派手めな意匠は、ジェット戦闘機がモチーフだというから、いかにもアメリカンである。

 

変化は目に見えるところだけではない。車体下面は遂にフラットボトム化され、180mph(約290km/h)で400lb(約180kg)の強大なダウンフォースを発生することに貢献している。

 

サスペンションも、ごく一般的な4輪ダブルウイッシュボーン+コイルへと改められた。そう、特徴的だった樹脂製リーフスプリングが遂に姿を消したのだ。マグネティックライドコントロールが用意されるのは従来と同様である。

 

シボレーコルベットのエンジン

ミッドに搭載されるV型8気筒OHV「LT2」エンジン。気筒休止システムを搭載するほか、最大1.2Gという旋回時においても確実な潤滑を維持するドライサンプ式を採用。最高出力495hp、最大トルク637Nmを発揮する。

 

495hp&637Nmを発揮するV型8気筒OHVエンジン

 

多くの物事が変化したが、朗報はキャビン後方に積まれるエンジンが、V型8気筒OHVのスモールブロックを踏襲していることだ。6.2リッターLT2ユニットは1.25Gもの旋回Gの下でも確実な潤滑を可能にするドライサンプ、気筒休止機構などを持ち、最高出力495hp、最大トルク637Nmを発生する。トランスミッションは、初採用の8速DCTのみが組み合わされる。

 

日本仕様には全車標準装備となるオプション設定のZ51パッケージは、それに加えてタイヤがオールシーズンからサマータイヤに変更され、サスペンション、ブレーキ、トラクションコントロールの制御などが専用に。またeLSD、要するに電子制御LSDも備わる。

 

電子制御デバイスが走りの面でもフル活用されているのは最新のスーパースポーツならではだ。トラクションコントロールは走行モード、またタイヤ温度などを見て制御が調整される。またマグネティックライドコントロールも前輪のストロークスピードをセンシングして即座に後輪の減衰力を変更するという。一方、ブレーキなどを使ったトルクベクタリングは行なっていない。これについては、eLSDがあれば十分ということだろう。

 

シボレーコルベットのコクピット

ドライバーズシートはミッドシップ化したことにより、先代のC7から600mmも前方に移動した。ナビ側と大きく印象が違う空間にスポーツ性を強く感じさせる。

 

大胆なインテリア デザイン

 

従来より600mmも前に出された運転席に座ると、外観と同じく大胆なデザインに、まずは呆気にとられてしまう。コクピット感覚のドライバー側と、リラックスできるナビ側が明確にゾーニングされているが、運転席からの眺めはややビジーという感もある。ずらり並べられたスイッチ類のレイアウトも独特。上下がフラットに切り落とされたステアリングは乗降性、そして前方視界に配慮したものだが、まったく違和感無しとは、やはり言い難い。

 

シートは快適性重視のものからバケットタイプまで3種類を設定。日本仕様は2LTに中間のGT2、3LTにコンペティションスポーツバケットシートが備わる。シート背後には物を置く場所はなく、代わりにウインドウ越しにエンジンを見ることができる。ルーフは従来と変わらず取り外し式で、外したパネルはリヤの荷室に収めることができる。

 

シボレーコルベットの右ハンドル仕様

日本人にとっては待望の右ハンドル仕様が用意されたのは大きな話題。多くのパーツを専用で製作しているという。

 

今回の試乗車は当然すべて左ハンドルだったが、今回の日本仕様で目玉と言っていい右ハンドルについてもアピールがあった。このために多くのパーツが専用で起こされているとデザイナー陣は胸を張る。気になるペダルオフセットは、フットボックスを見る限りさほど気にしなくて済みそうな雰囲気。歴史的経緯を考えれば左ハンドルも欲しいが、とりあえず右ハンドルでも使い勝手や運転姿勢で妥協しなくても済みそうである。

 

そろそろドライバーズシートに腰を下ろして、準備は整えよう。続いては待望の走りについてお伝えする。(続く)

 

 

REPORT/島下泰久(Yasuhisa SHIMASHITA)

 

 

【SPECIFICATIONS(北米仕様)】

シボレー コルベット

ボディサイズ:全長4630×全幅1934×全高1234mm

ホイールベース:2722mm

トレッド:前1648 後1586mm

乾燥重量:1530kg

エンジン:V型8気筒OHV(LT2)

ボア×ストローク:103.25×92mm

総排気量:6153mm

圧縮比:11.5

最高出力:369kW(495hp)/6450rpm

最大トルク:637Nm/5150rpm

トランスミッション:8速DCT

駆動方式:RWD

ステアリング形式:電動パワーステアリング

サスペンション形式:前後ダブルウイッシュボーン

ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク(ブレンボ製)

ローター径:前321×30 後338×26(Z51 前345×30 後350×27)mm

キャリパー:前後4ピストン(Eブースト アシスト付き)

タイヤサイズ(リム幅):前245/35ZR19(8.5J) 後305/30ZR20(11J)

 

【車両本体価格(税込)予価】

シボレー コルベット

2LT(クーペ):1180万円

3LT(クーペ):1400万円

 

 

【問い合わせ】

GMジャパン・カスタマー・センター

TEL 0120-711-276

 

 

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【関連リンク】

・シボレー公式サイト

http://www.chevroletjapan.com