映画007に登場する「アストンマーティン DB5 スタントカー」に試乗【ボンドカー特集】

アストンマーティンDB5スタントカーのドリフトシーン

Aston Martin DB5 Stunt Car

アストンマーティン DB5 スタントカー

 

 

外観は往年のDB5! 中身は最新式のスタントカー

 

私の名はボンド。ジェームズ・ボンド。

 

いやはや、今回のプログラムは本当にたのしかった。懐かしいDB5もV8も、最新のDBSスーパーレッジェーラもボンドカーに相応しいラブリーな仕上がりだったし、パワフルな素晴らしいエンジンと少しワイルドでコントローラブルなシャシーの組み合わせという、アストンマーティンGTに脈々と受け継がれるDNAも確認できた。

 

ん? 気のせいか?

 

ピットレーンに停まっているDB5が二重に見えるぞ。ちょっと疲れているのかもしれない。少し休ませてくれないか・・・。おい、何度言ったらわかるんだ。私の後ろに立つなと言っただろう! って、君は誰だ? アストンマーティンのスペシャル・プロジェクト部門のエンジニア、ベン・ストロングだと。ちょっと話を聞こうじゃないか。

 

「これは映画のために製作されたスタントカーです。外観はDB5そのものですが中身は現代のテクノロジーで造られています」

 

よかった。今、2台見えているDB5は幻ではないのだな。それにしてもよく出来ている。スタントカーの室内に張り巡らされているロールケージとカーボン製のバケットシートを見なければ、どちらがオリジナルかなんて見分けるのは不可能だ。

 

アストンマーティンDB5スタントカーのコクピット

大径のウッドステアリングこそオリジナルのDB5と同様なものの、ジャングルジムのように張り巡らされたロールケージやフルバケットシート、サイドターン用のブレーキレバーを備えるなど、まさにスタント用として特別に仕立てられている。

 

前後サスペンションはダブルウイッシュボーン

 

スタントカーはオリジナルからスキャンしたデータで造ったカーボン製のボディパネルをもってるのか。なるほど、だからこそ25台限定で「ゴールドフィンガー DB5 コンティニュエーション」なる復刻車を造ることも可能なわけだ。あっちはカーボンじゃなく、本物同様にアルミ製ということだが。

 

イタッ、ヒッ、うぐぐぐ・・・。なんだこのジャングルジムみたいなロールケージは。これじゃあ涼しい顔をしてさっと乗り込むことなどできやしないし、美しいボンドガールをエスコートするのも不可能だ。

 

このシャシーは専用設計のスペースフレームで、前後のサスペンションもダブルウイッシュボーンなのか。中身はDB5とは似ても似つかぬ乗り物だが、不思議と大径のウッドステアリングを抱えて座るドライビングポジションはDB5のままだな。しかもインパネ自体はDB5と同じ意匠でメーターもスミス風のアナログだ。それにしてもセンターコンソールからニョキッと生えたサイドターン用のブレーキレバーはすごい。WRCにでも出る気なのか!?

 

アストンマーティンDB5スタントカーの並走シーン

爆音と振動はかなりのレベル! それでも魅力的な加速を披露したDB5 スタントカー。アクセルもクラッチも思いのほか軽く扱いやすい。乗りやすく仕上げているとは、さすがはスタント仕様だ。

 

爆音と振動、そして鋭い加速!

 

スタートはセンターコンソール脇のコントロールボックスの電磁ポンプのスイッチを入れ、イグニッションをONにしてスターターボタンを押すのだな。

 

キュルルル! ブワォンッ! フボボボボーッ!

 

うわっ、なんだこの爆音は! クルマがブルブル震えるくらいだぞ。狭い足元には物騒なくらいガッチリしたペダルボックスが付いてるが、スロットルペダルもクラッチペダルも軽いしミートも楽だ。

 

ウヒャーッ! ウヒョヒョヒョー!! これ、めちゃくちゃ面白いじゃないか。積んでいるエンジンとギヤボックスの素性は国家機密として教えてもらえなかったけど、NA(自然吸気)らしいレスポンスの良さとクロスレシオのギヤボックスのおかげで、ヒュンヒュンと加速する。

 

おっと、危うくブレーキングでオーバーランしそうになった。ブレーキはノンサーボなのか。かなり踏力がいるが、慣れると却ってこの方が微妙なコントロールが出来ていいな。

 

アストンマーティンDB5スタントカーのドリフトシーン

ドリフトも自由自在。カーチェイスを考慮して造られているだけあり、コントロール性にも優れている。見た目とのギャップも相当だ。

 

ドリフトも自在にこなせるポテンシャル

 

そしてハンドリングが輪をかけて素晴らしい。グリップ走行もドリフトも自由自在じゃないか! 見た目はそのまんまノーマルのDB5なのに、まるでラリークロスのマシンみたいな挙動で走るギャップがたまらなく面白いじゃないか。これならカーチェイスシーンを早回しにしたり下手な小細工をすることなく、リアルで迫力のある映像を撮ることができそうだ。

 

ストロングはこの映画のためにスタントカーを8台プロデュースしたと言ってたな。このクルマのサイドシルにあるプレートを見るとシャシーナンバー008と書いてあるから、最後の1台ということか。

 

これはかなり映画の公開が楽しみになってきたな。こんなモノまで作ってしまうアストンマーティンの力の入れようも半端じゃなさそうだ。そういう意味では、このDB5 スタントカーこそが本当のMI6の秘密兵器なのかもしれない。

 

アストンマーティンDB5スタントカーのフロントスタイル

映画での使用を終え、今後はプロモーションなどに使われるDB5 スタントカー。今回、試乗した“偽”ジェームズ・ボンドも欲しくなるほど感激した模様。

 

あー。オホン。ちょっとストロング君、いやストロングさん。時に相談なのだが、この魅力的なDB5を1台私に譲ってはもらえないか? あー、もちろんそれなりの対価は用意するつもりだ。8台もあるのだから、いいだろう?

 

え? 造られたスタントカーはアストンマーティンで厳正に管理、保存され、今後もプロモーションなどに使われる予定で販売する意思は全くないって? でもそこはひとつ・・・。あ、ダメ。それよりヒースロー行きのシャトルバスが出るから早く支度した方がいいって?

 

どうやらこれで私の任務は終了のようだ。ありがとう諸君、またどこかで会おう!

 

 

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