TRI-ADとDMP、自動運転用高精度地図更新を効率的に行うための実証実験を開始

公開日 : 2020/03/20 06:30 最終更新日 : 2020/03/20 06:30


普及価格帯の車載カメラで道路情報を入手

 

トヨタ自動車の自動運転ソフトウェアを先行開発しているTRI-D(トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社)は、HDマップ(自動運転用高精度地図)を日本と北米で提供するDMP(ダイナミックマップ基盤株式会社)と共に、2020年4月より双方の技術を活用した実証実験を進めることで合意した。

 

今回の実証実験は、TRI-ADが展開するオープンなソフトウェアプラットフォームであるAMP(Automated Mapping Platform=自動地図生成プラットフォーム)を用い、車両が搭載するセンサーで収集した画像等のデータから道路上の変化を検出し、DMPのHDマップを効率的に更新可能かを確認するもの。

 

TRI-AD、自動運転用一般道高精度地図生成の実証実験の成果を発表。郊外道路の標識配置マップ。

これはTRI-ADが自動運転用一般道高精度地図生成の実証実験の成果を発表した際に公開した、郊外道路の標識配置マップ。道路上の変化するペイントや構造物を効率的にHDマップに更新できるかを今回の実証実験では検証する。

 

HDマップの効率的かつ迅速な更新が自動運転の鍵

 

自動運転システムの実用化に欠かせないのが高精度かつ高品質のHDマップ。そして実際の道路上で頻繁に更新されるペイントや構造物の変化を迅速かつ正確に把握し、高効率で更新することがHDマップには求められる。現在は主に道路工事情報等に基づいた計測車両による現地調査によって道路の変化を把握しているが、コストやレスポンスが大きな課題になっている。

 

そこでTRI-ADの画像認識技術を活用し、一般車両に搭載可能かつ普及価格帯のカメラを用いて道路上の変化をデータとして自動的に入手。この手法を使えば計測車両の走行距離や台数、人件費を大幅に削減しながら迅速にHDマップの更新が可能になる計算だ。従って今回のTRI-ADとDMPの連携により、自動車メーカーを含むユーザーが期待する高い品質水準を保ちつつコストを大幅に下げた効率的なHDマップの更新が期待でき、完全自動運転への移行がさらに現実的なものになるだろう。

 

TRI-AD、自動運転用一般道高精度地図生成の実証実験の成果を発表。自動生成された高精度地図。

TRI-ADによる自動運転用HDマップ生成の実証実験にて、自動生成された高精度地図。今回国内で行われる実証実験は自動車専用道路にて実施される。

 

実証実験で検証し2021年度から運用開始予定

 

実証実験では、日本国内の自動車専用道路の画像等のデータを用い、TRI-ADのAMPによる変化点抽出技術を活用した上でDMPのHDマップ更新が効率的に行えるかを確認する。検証後、2021年度からの運用開始を目指し、さらなる更新頻度の短縮に向けてDMPのグループ企業であるUshr,Inc.によるデータ更新へのAMP活用についても検討してゆく。

 

TRI-ADでAutomated Driving Strategy and Mappingの副社長を務めるマンダリ・カレシーは以下のようにコメントする。

 

「私たちが開発するAMPの技術を活用することで、多くの自動車メーカーと連携し高品質なHDマップの開発と管理において業界をリードするDMPと、地図更新に資する変化点抽出技術で連携できることを嬉しく思います。本連携を通して、自動車メーカーを含むユーザーに最新の地図データを提供することができ、さらにAMPの技術の開発も加速させられます。これにより、TRI-ADが目指す安心・安全な自動運転をより多くの人に提供できると考えています。TRI-ADが持つ技術開発の促進や活用範囲の拡大なども視野に入れ、今後も連携を強化していきます」

 

また、DMPの稲畑廣行社長も以下のようにコメントを残している。

 

「DMPグループは、卓越したデータ精度により日本国内と北米において乗用車向けにHDマップを提供するリーディングカンパニーです。現在、道路状況の細かな変化をタイムリーに捉えることにより、HDマップを高い鮮度で保持することを考えており、TRI-ADが開発するAMPの変化点抽出技術と連携することで、DMPグループはマップ更新のカバレッジとサイクル時間を改善できると考えています。また、この取り組みがすべてのクライアントの地図更新サービスの改善に役立つとも考えています。TRI-ADと協力して、AMPの更なる活用範囲の拡大を検討していくと共に、他の自動車メーカー等が保有する画像等のデータを広く利用することで整備コストの低減にも努めていきます。その結果、すべての人にとってHDマップの品質が向上すると考えております。」