アストンマーティン ヴァルハラに積む完全新開発のV6。伝説の名技師に捧げる自社製ユニット【動画】

アストンマーティン ヴァルハラのフロントイメージ

Aston Martin Valhalla

アストンマーティン ヴァルハラ

 

 

500台限定のミッドシップハイブリッド

 

アストンマーティンは現在、新型ミッドシップHVスポーツ「ヴァルハラ」を開発している。500台の限定生産となる次期型ハイパーカーは、2022年にデリバリーが始まる予定だ。

 

今回アストンマーティンは、そのヴァルハラに搭載するべく内製で開発を進めている新型3.0リッターV6エンジンのさらなる詳細を公表した。

 

アストンマーティン ヴァルハラとヴァルキリーの2台イメージ

現在、アストンマーティンは究極のハイパフォーマンスロードカーとして自然吸気V12を搭載する「ヴァルキリー」(写真左)を開発中。それに次いで登場予定のハイパーカーがV6ハイブリッドに挑む「ヴァルハラ」だ。

 

タデック・マレックに捧げる新型V6ユニット

 

新しいV6ユニットのコードネームは「TM01」。TMとはすなわち、アストンマーティンで1950年代から1960年代に活躍した伝説のエンジニア、タデック・マレックのイニシャルに由来する。

 

彼が設計したレーシングカーのDBR2をルーツにもつアルミニウム製の3.7リッター直列6気筒ユニットは、DB4、DB5、DB6、DBSと、デイビッド・ブラウン時代の後期を彩る名車群に搭載された。

 

アストンマーティン ヴァルハラのV6エンジンイメージ

アストンマーティンが完全内製で開発している3.0リッターV型6気筒ユニット。「TM01」はタデック・マレックに捧げるコードネーム。

 

1968年以来の「完全内製」内燃機関

 

TM01は現在エンジンダイナモを用いた台上試験を進めている。アストンマーティンが完全内製の内燃機関を手掛けるのは1968年以来となる。

 

ターボチャージャーを装備するV型6気筒ユニットは、当初から電動化を念頭において開発された。並行して開発を進めているハイブリッドシステムと組み合わせることで、ヴァルハラの販売される時点ではアストンマーティンのラインナップ中もっともパワフルな動力性能となる模様。

 

アストンマーティン ヴァルハラのV6エンジンイメージ

白紙の状態から自社チームのみで新規に内燃機関を創り上げるのは1968年以来。アストンマーティンのチームにとって待望のプロジェクトといえる。

 

200kg以下の軽量構造にドライサンプ方式を採用

 

また、ヴァルハラは同社初の市販ミッドシップ・スーパースポーツとして2020年後半に登場予定のヴァルキリーから多くのノウハウを継承する。ターボシステム一式をVバンク間スペースに配置する“ホットV”レイアウトによりコンパクト化を実現。単体重量は200kg以下に抑えているという。

 

キャビンの背後にぴたりと配置されるエンジンはドライサンプ方式を採用。低重心化を図るとともに、高速コーナリングの際も安定したオイル供給を可能にした。圧倒的なパフォーマンスを実現する一方で、電動化技術の活用などにより間もなく導入が予想されている排ガス規制「ユーロ7」の基準にも適合させた。

 

アストンマーティン ヴァルハラのV6エンジン開発イメージ

現在TM01はベンチテストを行い広範囲で性能や信頼性にまつわる試験を進めている。

 

白紙から内製エンジンを“創る”という悲願

 

アストンマーティンのパワートレイン チーフ エンジニアのイェルク・ロスは説明する。

 

「このプロジェクトは大変なチャレンジでした。また、未来のアストンマーティンの動力を作るべくチームをまとめていけることを光栄に思っています。まったくの白紙の段階から探求し革新する自由が我々には与えられました。ずいぶん長い間できなかったことです。そしてなによりも、TM01の名を冠するのにふさわしいものを創り上げたいと考えました。そう、かつての革新的エンジニア、タデック・マレックを感激させるような」

 

アストンマーティン ヴァルハラのリヤビュー

ヴァルハラには最新のF1から得た知識やノウハウはもちろんのこと、モーフィング・テクノロジーと呼ばれる、翼全体を滑らかに変形させつつ飛行する次世代航空機技術なども応用される。

 

アストンマーティンのプレジデント兼CEOのアンディ・パーマーは新開発のエンジンについてこう語っている。

 

「自分たちだけのパワートレインに投資するということは、大変にハードルの高い難題です。しかし我々のチームはそのハードルに挑み、見事に乗り越えました。これから先、このパワーユニットは様々な場面で必要とされるでしょう」